佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

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CT: Computed Tomography について

2008年03月24日 21時43分12秒 | ホームページ CT
 コンピューター断層撮影(Computed Tomography )の略です。X線を用いて体内の断層像(いわゆる輪切りの像)を撮影します。

 CT 装置の見た目は検査台とその先に検査台が通過する大きなリング状の部分からなります。CT 装置のリング状の部分には X 線発生装置と X 線検出器が対になって内蔵されています。この X 線発生装置から X 線をビーム状・扇型に出しながら、体の回りを回転させて撮影をします。X 線発生装置の反対側には X 線検出器がついており、人体を通り抜けた各ビームの X 線の量をコンピューターで計算させて体の断面像を作ります。

本格的な医療用 CT 装置はイギリスの EMI 社の技術者 Hounsfield により、1971 年に開発されました。放射線科の発展の上では X 線の発見以来の画期的な発明でした。この功績により、Hounsfield は 1979 年度のノーベル医学生理学賞を受賞しています。近年は検出器が複数配列された複数検出器列CT(multidetector-row CT:MDCT)が主流となっています。これにより一度の撮影で大量のデータを得ることができるようになり3D画像など再処理画像の作成が容易になりました。


 CT7番で撮像中の光景 画像のチェックも放射線科の仕事です

 尚、当院では 4列のMDCTが2台稼働しています(GE横河メディカル社製 LightSpeed QX/I、東芝社製 Aquilion)。