朝日新聞社は2014年、
慰安婦問題で「吉田清二証言」を掲載報道したことについて、
訂正と謝罪をおこないました。
対応が拙かったとはいえ、朝日新聞社への激しいバッシングは凄かったです。
そして記者個人への異常とも思える攻撃も。
( 本屋で平積みになっている、政府広報誌?と見紛うばかりの雑誌で、
いまだ名指しで国賊、売国奴と非難してるのを目にします)
その後、慰安婦を取り上げた映画上映に抗議した自民党市議団の文章は
「 最新の政府見解では、強制連行は特定の新聞社による誤報であることから、
強制連行の事実はない」
と、朝日新聞社が強制連行を含め慰安婦問題全てにおいて誤りを認め、
謝罪したかのように書かれていたとか。
「 慰安婦たちは「性奴隷」だったのか?「強制連行」は本当にあったのか?
なぜ元慰安婦たちの証言はブレるのか? そして、日本政府の謝罪と法的責任とは?
次々と浮上する疑問を胸にデザキは日・米・韓のこの論争の中心人物たちを訪ね回った。
さらに、おびただしい量のニュース映像と記事の検証と分析を織り込み、
イデオロギー的にも対立する主張の数々を小気味よく反証させ合いながら、
精緻かつスタイリッシュに一本のドキュメンタリーに凝縮していく。
そうして完成したのがミキ・デザキのこの驚くべきデビュー作『主戦場』だ」
監督、脚本、撮影、編集、ナレーションをすべてこなして、
この映画を制作したのはフロリダ州生まれの日系アメリカ人2世、
ミキ・デザキさんです。
「 インタビュー相手の多くが私に期待し、
左右どちらのサイドも私を説得しようとしてきた。
私の頭の中が戦場のようになったその過程を、観客にも追体験してほしかった」
左右両陣営の、研究者、ジャーナリスト、活動家たちにインタビューしたものが、
交互に差し込まれていきます。
資料を引用して滔々と論じたものが、次の証言でひっくり返るところは、
まるで裁判を傍聴している気分に。
飽きさせない構成がさすがです。
しかも笑いさえも交え・・・・わざと?
右派の方たち、そんなことまで言う?と思ってしまいましたが、
「 インタビュアーを説得しようとしてきた」からだよね?
信じられない言葉をいっぱい聞いたんですけど。
映画は慰安婦問題から、両陣営の歴史認識の見解の相違へと流れ、
根っこにいる日本会議の活動にふれます。
後半になって監督が、あまりの発言に呆れて、
ナレーションで皮肉るのは仕方ないよね。
ここで言ってくれないと、観てる私たちがモヤモヤします。
インタビューするなかで検証と考証を重ねていき、
監督は答えを出します。
それは監督の結論です。
観た私たちがどう感じ、どう結論を出すのかは委ねられています。
「 米国では魅力的ではない異性との情事の際は、
紙袋を相手の顔に被せるという冗談がある」
慰安婦問題を論じているときに、なぜそんな冗談を持ち出せるの?
「 どんなに頑張っても、中国や韓国は日本より優れた技術が持てない。
電化製品や車とか。だからプロパガンダで日本を貶めようとしている」
現役の衆議院議員の方の発言でした・・・・・・・。
「 アメリカは民主的な国ではなかったんですよね。
ひどい差別があって、キング牧師が活動して解放された。
日本が戦争に勝ったからなったことですよね。
それを恨みで、慰安婦問題を追及している人が多いんじゃないですか?」
日本が戦争に勝ったから、という言葉は二度繰り返されました。
大事なことだから編集でそうしたのでしょうか、
ちょっと頭が混乱。
「 どうしてみなさん、この問題について異常な関心を持つんですかねえ?
やはりポルノ的な関心があるじゃないですかねえ」
個人的に蹴飛ばしたい!
「 フェミニストは不細工な人たち、誰にも相手にされない人たち。
心も汚い、見た目も汚い」
やっぱり蹴飛ばしたい!!
「 国家は謝罪しちゃいけないんですよ、ぜひ覚えておいてください」
発言者の顔は画面いっぱいにアップされています。
表情が、目の動きや笑みが、その言葉と同じく、
その人自身をあらわしています。
ん?何者?と知らない方たちが多く登場していたので、
ここ数日、いっぱい横道に逸れながらもあれこれ調べました。
この方、映画の画面からでも圧が感じられたよ~
慰安婦問題の根本には性差別問題、女性の人権問題があります。
この映画を観て、発言を聞いて、あらためて感じました。
この方に「紙袋を相手の顔に被せる」とか、
「フェミニストは不細工な人たち」とか発言する右派論客に、
なにも感じないのか、聞いてみたいです。
監督 ミキ・デザキ
トニー・マラーノ イタリア系アメリカ人(通称テキサス親父)
藤木俊一 テキサス親父日本事務局代表
山本優美子 政治活動家、市民団体なでしこアクション代表
歴史の真実を求める世界連合会日本副代表
杉田水脈 自民党衆議院議員 新しい歴史教科書をつくる会理事
藤岡信勝 教育評論家 新しい歴史教科書をつくる会副会長
ケント・ギルバート カリフォルニア州弁護士、日本のテレビタレント
櫻井よしこ 政治ジャーナリスト、美しい日本の憲法をつくる国民の会共同代表
国家基本問題研究所理事長
吉見義明 歴史学者、日本の戦争責任資料センター共同代表
戸塚悦朗 弁護士「日本が知らない戦争責任」著
尹美香(ユン・ミヒャン) 韓国慰安婦支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」代表
イン・ミョンオク ナヌムの家看護師、元慰安婦の娘
朴裕河(パク・ユハ) 日本文学科教授
フランク・クィンテロ 元グレンデール市長
渡辺美奈 女たちの戦争と平和資料館事務局長
エリック・マー 元サンフランシスコ市議
林博史 歴史学者
中野晃一 上智大学国際教養学部教授、政治学者
イ・ナヨン 中央大学校社会学科教授、社会学者
フィリス・キム KAFC 創設メンバー
金昌録 慶北大学法学専門大学院教授、法学者
阿部浩己 明治学院大学国際学部国際学科教授、国際法学者
俵義文 子供と教科書全国ネット21
植村隆 元朝日新聞記者
中村道子 VAWW RAC共同代表、大学女性協会、元国連NGO国内婦人委員会委員長
「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター
小林節 法学者、弁護士
松本栄好 元牧師、元日本軍衛生兵
加瀬英明 外交評論家、日本会議代表委員
2019年4月公開
いま、安倍政権の閣僚は80%が日本会議って・・・
映画館の客席は、私と同世代かそれより上の世代がほぼ占めていて、
身も蓋もない言い方をすれば、
もうすぐこの世界とはおさらばしてしまう世代。
これからの若い人にぜひ観てほしいなあ。
慰安婦問題で「吉田清二証言」を掲載報道したことについて、
訂正と謝罪をおこないました。
対応が拙かったとはいえ、朝日新聞社への激しいバッシングは凄かったです。
そして記者個人への異常とも思える攻撃も。
( 本屋で平積みになっている、政府広報誌?と見紛うばかりの雑誌で、
いまだ名指しで国賊、売国奴と非難してるのを目にします)
その後、慰安婦を取り上げた映画上映に抗議した自民党市議団の文章は
「 最新の政府見解では、強制連行は特定の新聞社による誤報であることから、
強制連行の事実はない」
と、朝日新聞社が強制連行を含め慰安婦問題全てにおいて誤りを認め、
謝罪したかのように書かれていたとか。
「 慰安婦たちは「性奴隷」だったのか?「強制連行」は本当にあったのか?
なぜ元慰安婦たちの証言はブレるのか? そして、日本政府の謝罪と法的責任とは?
次々と浮上する疑問を胸にデザキは日・米・韓のこの論争の中心人物たちを訪ね回った。
さらに、おびただしい量のニュース映像と記事の検証と分析を織り込み、
イデオロギー的にも対立する主張の数々を小気味よく反証させ合いながら、
精緻かつスタイリッシュに一本のドキュメンタリーに凝縮していく。
そうして完成したのがミキ・デザキのこの驚くべきデビュー作『主戦場』だ」
監督、脚本、撮影、編集、ナレーションをすべてこなして、
この映画を制作したのはフロリダ州生まれの日系アメリカ人2世、
ミキ・デザキさんです。
「 インタビュー相手の多くが私に期待し、
左右どちらのサイドも私を説得しようとしてきた。
私の頭の中が戦場のようになったその過程を、観客にも追体験してほしかった」
左右両陣営の、研究者、ジャーナリスト、活動家たちにインタビューしたものが、
交互に差し込まれていきます。
資料を引用して滔々と論じたものが、次の証言でひっくり返るところは、
まるで裁判を傍聴している気分に。
飽きさせない構成がさすがです。
しかも笑いさえも交え・・・・わざと?
右派の方たち、そんなことまで言う?と思ってしまいましたが、
「 インタビュアーを説得しようとしてきた」からだよね?
信じられない言葉をいっぱい聞いたんですけど。
映画は慰安婦問題から、両陣営の歴史認識の見解の相違へと流れ、
根っこにいる日本会議の活動にふれます。
後半になって監督が、あまりの発言に呆れて、
ナレーションで皮肉るのは仕方ないよね。
ここで言ってくれないと、観てる私たちがモヤモヤします。
インタビューするなかで検証と考証を重ねていき、
監督は答えを出します。
それは監督の結論です。
観た私たちがどう感じ、どう結論を出すのかは委ねられています。
「 米国では魅力的ではない異性との情事の際は、
紙袋を相手の顔に被せるという冗談がある」
慰安婦問題を論じているときに、なぜそんな冗談を持ち出せるの?
「 どんなに頑張っても、中国や韓国は日本より優れた技術が持てない。
電化製品や車とか。だからプロパガンダで日本を貶めようとしている」
現役の衆議院議員の方の発言でした・・・・・・・。
「 アメリカは民主的な国ではなかったんですよね。
ひどい差別があって、キング牧師が活動して解放された。
日本が戦争に勝ったからなったことですよね。
それを恨みで、慰安婦問題を追及している人が多いんじゃないですか?」
日本が戦争に勝ったから、という言葉は二度繰り返されました。
大事なことだから編集でそうしたのでしょうか、
ちょっと頭が混乱。
「 どうしてみなさん、この問題について異常な関心を持つんですかねえ?
やはりポルノ的な関心があるじゃないですかねえ」
個人的に蹴飛ばしたい!
「 フェミニストは不細工な人たち、誰にも相手にされない人たち。
心も汚い、見た目も汚い」
やっぱり蹴飛ばしたい!!
「 国家は謝罪しちゃいけないんですよ、ぜひ覚えておいてください」
発言者の顔は画面いっぱいにアップされています。
表情が、目の動きや笑みが、その言葉と同じく、
その人自身をあらわしています。
ん?何者?と知らない方たちが多く登場していたので、
ここ数日、いっぱい横道に逸れながらもあれこれ調べました。
この方、映画の画面からでも圧が感じられたよ~
慰安婦問題の根本には性差別問題、女性の人権問題があります。
この映画を観て、発言を聞いて、あらためて感じました。
この方に「紙袋を相手の顔に被せる」とか、
「フェミニストは不細工な人たち」とか発言する右派論客に、
なにも感じないのか、聞いてみたいです。
監督 ミキ・デザキ
トニー・マラーノ イタリア系アメリカ人(通称テキサス親父)
藤木俊一 テキサス親父日本事務局代表
山本優美子 政治活動家、市民団体なでしこアクション代表
歴史の真実を求める世界連合会日本副代表
杉田水脈 自民党衆議院議員 新しい歴史教科書をつくる会理事
藤岡信勝 教育評論家 新しい歴史教科書をつくる会副会長
ケント・ギルバート カリフォルニア州弁護士、日本のテレビタレント
櫻井よしこ 政治ジャーナリスト、美しい日本の憲法をつくる国民の会共同代表
国家基本問題研究所理事長
吉見義明 歴史学者、日本の戦争責任資料センター共同代表
戸塚悦朗 弁護士「日本が知らない戦争責任」著
尹美香(ユン・ミヒャン) 韓国慰安婦支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」代表
イン・ミョンオク ナヌムの家看護師、元慰安婦の娘
朴裕河(パク・ユハ) 日本文学科教授
フランク・クィンテロ 元グレンデール市長
渡辺美奈 女たちの戦争と平和資料館事務局長
エリック・マー 元サンフランシスコ市議
林博史 歴史学者
中野晃一 上智大学国際教養学部教授、政治学者
イ・ナヨン 中央大学校社会学科教授、社会学者
フィリス・キム KAFC 創設メンバー
金昌録 慶北大学法学専門大学院教授、法学者
阿部浩己 明治学院大学国際学部国際学科教授、国際法学者
俵義文 子供と教科書全国ネット21
植村隆 元朝日新聞記者
中村道子 VAWW RAC共同代表、大学女性協会、元国連NGO国内婦人委員会委員長
「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター
小林節 法学者、弁護士
松本栄好 元牧師、元日本軍衛生兵
加瀬英明 外交評論家、日本会議代表委員
2019年4月公開
いま、安倍政権の閣僚は80%が日本会議って・・・
映画館の客席は、私と同世代かそれより上の世代がほぼ占めていて、
身も蓋もない言い方をすれば、
もうすぐこの世界とはおさらばしてしまう世代。
これからの若い人にぜひ観てほしいなあ。