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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:10月13日の日経「米大学への寄付金 年8兆円」「日本の30倍、研究力に差」から見える根深い問題

2024年10月16日 20時27分16秒 | 社会全般
10月13日の日経に「米大学への寄付金 年8兆円」云う記事があり、副題には「日本の30倍、研究力に差」とある。これには問題点が二つあり、一つは記事のタイトルの様に寄付金の少なさなのだが、もう一つの問題点は、政府が交付金を出し惜しんでいる事である。

このBlogでは、何回かマスメディアは人心を誘導する組織である事を伝えてきた。今回もその匂いがプンプンする事を先ず最初に伝えたい。この事を念頭に置いて、この後を読んで頂きたい。

記事には、アメリカのアイビーリーグで有名な私立大学のプリンストンと東京大学の比較があった。比較は円グラフで収入に対する項目別の割合が表現されているが、金額での比較はない事に記事の悪質性が垣間見える。

最初の問題点は政府交付金なのだが、東京大学は収入全体の38.4%、プリンストン大学では16.3%とある。この情報だけを見ると、東京大学の方が、政府交付金を沢山出している様に見えるが、全体の収入額は東京大学の方が遥かに少ない為、日本の政府交付金が少ない事が想像できるのだが、円グラフのみを見ている人は、日本の政府交付金が多いと勘違いしてしまう可能性がある。

記事には生徒一人当たりで収入を換算すると、プリンストン大学は4000万円で、東京大学は500万円とある。これから計算すると、プリンストン大学の政府交付金は652万円で、東京大学は192万円となる。しかもプリンストン大学は私立の大学であり、東京大学は国立大学であるのに、私立の大学より遥かに少ない金額である。これから推測できる事は、政府(財務省)が教育にお金を出したくないから、東京大学には沢山交付金を出している様に見せたい記事だと推測できる。

二つ目の問題点は寄付金の少なさなのだが、プリンストン大学単独での寄付金収入が約2620億円に対して、日本の大学全体の寄付金の総額が2400億円なので、これは完敗である。

先日、東京大学は授業料の値上げを発表したが、彼らが先ず行う事は、寄付金を得られる様な教育や研究を行う事であり、もう一つは政府交付金をもっと増やさせる事ではないだろうか?目指すベキ方向が間違っている。

もう一つ、この記事には初歩的な問題がある。それは、比較の円グラフの項目が一致していない事である。プリンストン大学の円グラフには、寄付金が”即時”と”運用資産繰入金”に分かれているが、東京大学では”寄付金”のみとなっている。そして東京大学のグラフには、”受託研究費”と云う項目がある。これは一種の寄付金にみえるのだが...。しかし残念ながら、この記事にはこれらの項目の違いや意味合いの説明が一切なく、大変幼稚な記事であると言わざるを得ない。

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