近江フィールドワーク

琵琶湖の淡水魚を中心とした、下手の横好き素人ブログ。内容を信ずるなかれ!

「テナガエビ」 大型淡水エビ

2006年10月02日 09時15分04秒 | 滋賀県の甲殻類紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する甲殻類の紹介、今日の1匹はテナガエビ。滋賀県南部の河川で、体長5cmくらい(ハサミ別)のものを2匹捕獲しました。石積みの隙間のテナガエビマンションに多数生息していますが、エビは無視してお魚ねらい。茂みに網を入れるとエビが捕れていました。透明な褐色の体には黒バンドが無く、手(足)が長いのでテナガエビだと思います。
<データ>
名前:テナガエビ
分布:滋賀県全域の平野側、琵琶湖
体長:100mm程(ハサミを入れた全長で200mmくらい)の採取歴あり
棲息:河川下流域、沼、池、湖の石の隙間
    
特徴:
 漢字で「手長蝦」と書くハサミの大きな甲殻類。体型はスジエビをやや大型にした体に、名前の由来となる長いハサミを持ちます(実はザリガニでいうところの"足"に当たるそうで、ザリガニのハサミは第1脚、テナガエビのハサミハ第2脚らしい)。体色は透明感のある灰褐色ですね。繁殖期は春から夏頃で、抱卵後にスジエビ同様、ゾエア幼生(プランクトン状態)を放出します。寿命が1年以上ありますし、川底でハサミ広げて歩く姿が雄大で、小型のエビに比べ観賞していて面白いのでは?。ザリガニ釣りの要領でテナガエビ釣りが楽しめるようです(夜行性なので夜が有利?)。塩茹でや唐揚げにして食べることができる(ビールに合うらしい)。琵琶湖では、1917年頃に霞ヶ浦から移入され繁殖したようですが、1814年にもテナガエビらしきものが生息していたと記す資料もあるそうです。テナガエビという名前は、テナガエビ属の通称として使われてますが、ヒラテテナガエビ、ミナミテナガエビ等、数種類の仲間がいます。
参考・引用文献
私見:
 味は中々美味しいと聞くのですが、大型個体を見れば飼育欲が勝ります・・・
採取:
 琵琶湖では、石等を除けて出てきたところや柳の根を網で掬う。釣り糸にソーゼージやミミズを付けて石積みや割れた瓦の近くに垂らしタイミングよく引き上げる。
飼育:
 ①容器:30㎝水槽に成体飼育数は1匹
 ②底床:砂利や砂(無い方が管理し易い)
 ③濾過:どれでも可
 ④設備:ヒーター×、エアーポンプ×、ファンorクラー×
 ⑤水草:アナカリスなど
 ⑥餌 :人工配合飼料
 ⑦混泳:単独飼育が望ましい
 ⑧置物:土管や流木、数個の石を組む
 ⑨繁殖:難しい

 水槽に塩素中和した水を入れて砂利を敷き割れた植木鉢、瓦等をレイアウトする縄張り意識が強く、共食いをする為、過密飼育はサバイバルと化します。酸欠や急な水温上昇にもやや弱いので気を付けましょう。餌は雑食性ですが、ほぼ肉食と考えて良いのでは?(藻類を食べているところを見たことが無い。)。人工飼料ならカメの餌・魚の餌など、何でも食べて飼育は容易。繁殖はスジエビと同じで、ゾエア幼生の餌の確保が難しい為、困難だと思います。
サワガニと一緒に飼育していましたが、親から離れたての稚ガニが殆ど食べられました。共食いもしました。観賞するなら単独飼育、魚と混泳したいならミナミヌマエビの方がお勧めです。観賞用としては、スジエビよりも飼育の遣り甲斐が有りますね(特にオス)。
動画:


画像:
        
 テナガエビの成体。この個体で体長10cmほどです(全長では無い) 。
        
        
   10.11.05追加画像。右手は新たに生えて来たものなので、鋏が左右不対象。
        
   11.02.17追加画像。テナガエビの稚エビは、それほど手長では無いですね。
    

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2 コメント

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テナガ (きつね)
2006-10-04 00:50:17
うちのホームには、ヒラテテナガとテナガがいます。

ちっこいですけど、1枚目のこのこはテナガっぽいですね。
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テナガエビ (ryu-oumi)
2006-10-04 17:47:02
 本当は、もっと「テナガエビ」という感じの大きいのもいるんですが、タナゴ、ナマズを狙っていたので、あえて捕まえませんでした。後で思えば、見栄えのよい個体を写真にだけ収めれば良かったです。
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