独立行政法人海洋研究開発機構の探査船「ちきゅう」が沖縄近辺の海底を調査した結果、沖縄本島の北にある伊平屋島沖の海底の地下に250度以上の高温の熱水がたまった世界最大規模の「熱水域」があることが判ったと言う。
見つかった「熱水域」は半径10キロ、厚さ100メートルの範囲に及び、これまで世界で見つかっている350ほどの「熱水域」の中でも最大規模だそうだ。このような場所には金や銀などの貴重な鉱物資源が分布している可能性が高く、今後の研究が期待されているとニュースは伝えている。
沖縄近海か、世界最大規模の「熱水域」、貴重な鉱物資源かと考えていると、ふと、また中国が目をつけるのではないか、沖縄は中国の領土だなどと言い出すのではないかと思った。どうも尖閣諸島海域での事件以来、中国の在り様に強い不快感を抱くようになったせいか、ついこのように下種の勘ぐりのようなことを考えてしまう。我ながら中国には感情的に距離を置くようになったものだと思う。
しかし、どうも荒唐無稽とは言い切れないようなことでもあるようだ。近頃中国の一部の学者の中には、沖縄は元来は中国の領土であったのだから返還させるべきなどという主張をする者がいるらしい。かつて1429年から1879年にかけて沖縄本島を中心に存在した琉球国という王国があり、明やそれに次ぐ清に朝貢していたからというのが主張の根拠のようだ。1879年の明治政府による琉球併合や、 第二次大戦後の米国による沖縄返還などはすべて国際法上の根拠を欠く、19世紀末に清国は「琉球国は属国だ」と主張したが、日清戦争で負けて領有権を放棄したというような論文が過去5年間に20本以上も発表されているという。このような主張は主に日本の右派ジャーナリストによって取り上げられ、例によって毒のあふれた反中言論の役に立っているようだが、どこの国にも政府や権力者に媚びる御用学者という者がいるもので、中国でも例外ではないようだ。
いかに大国主義、領土拡張主義に取り憑かれているかのように見える最近の中国でも、まさかそこまではとは思うが、いやもしかすると思わせ反中意識を掻きたてるのが右派ジャーナリズムの狙いなのだろう。冷静にならなくてはと思う。
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とにかくまともな国ではない。日本や海外にいる中国人も多いのだから、自分達の国の将来について真剣に考えてくれることを強く望みたい。
民主国家でないということが、これほど自国と他国にストレスを与えるのかと、思い知った。