中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

GDP

2010-04-22 09:56:31 | 中国のこと
 新聞に、ある週刊誌の広告があった。最近の日本経済について、週刊誌らしい危機感を煽るような見出しが並んでいたが、その中に次のようなものがあった。

 韓国に負けてどうすんの!
 中国にバカにされて恥ずかしくないの!
  (そばに小さく「かつての格下においてかれるニッポン」とある)

 反韓、反中感情丸出しのもので、その品性のない調子に、いかにB級の週刊誌でもこれはひどいと顔を顰めてしまった。その後その雑誌が私鉄の駅の売店に置いてあるのを見たが、どうせ見出しどおりの内容なのだろうと、手にとる気はしなかった。

 中国や韓国の国内総生産(GDP)が急速に伸張して、それについてこれまで米国に次いで世界第2位だった日本の「地位」の足元がゆらぎ始め、2010年度には中国のそれはそれまでの3位から日本を抜くのは確実だろうと予測されているし、2008年度には15位だった韓国も近い将来には日本に追いつき、抜くかも知れないと言われもしている。特に中国が日本を抜いて世界第2位の経済大国になることについては、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた80年代の日本経済の絶頂期を見果てぬ夢と懐かしむ者にとっては、屈辱的なことなのかも知れない。そこに中国や韓国を蔑視するような傲慢さも加わって上の週刊誌のような記事がつくられたのだろう。記事の見出しはヒステリックで、国内総生産で中国に追い抜かれることが、どうして中国にバカにされることになるのか理解できない。

 中国のような、日本とは比較にならないような巨大な安価な労働人口を抱えている国が、改革開放政策とやらで、社会主義国とは思われないような資本主義的経済の取り組みをすれば、GDPが急速に増大することは当然だろう。私がかつて中国のある若い友人に、貧富の著しい格差など社会主義国とは考えられないような状況を指摘すると、その友人は「中国は社会主義の国ではありませんよ」と言ったことがある。若い中国人でそのように思う人達は少なくないのかも知れない。  (続)


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