腐乳(furu)あるいは豆腐乳 (doufuru)言う豆腐製品が中国にある。初めて食べたのは2003年9月に新疆 (Xinjiang) ウイグル自治区の北端のカナス湖のホテルでの朝食の時だったから比較的新しいことだ。粥を食べようとすると、小皿に一辺が2センチほどの大きさのサイコロ状の紅い小さなものが3個ほどあった。ガイドの趙戈莉に何かと尋ねたら「紅腐乳です」と言った。それまで何回も中国には行っていたのに、初めて目にしたものだった。箸で少しつまみ取って食べてみると、ねっとりしたナチュラルチーズ状で、味もチーズのように酸味と塩気があり、粥と食べると非常にうまかった。
前にも臭豆腐のところで紹介した発酵学者の小泉武夫氏の「くさいはうまい」(文春文庫)によると、腐乳の作り方は次のようにかなり手の込んだものである。
「その製法は豆乳に苦汁を加えて寄せ固めたものを木綿布に包んで圧搾し、できるだけ水分を除いてから適宜の大きさに切り、蒸籠状の箱に入れて稲藁を敷いた土間に積み重ねておきます。一週間もすると豆腐の表面にカビが密生してきますから、これを20%ほどの塩水に漬けて凝固を強化し、その後、表面のカビを落とします。次に甕に入れ、それに白酒(パイチュウ 日本で言う焼酎のこと)を少し振りかけてから、竹の皮と縄で甕の蓋を封じ、土にその甕を埋めて1~2ヶ月間おき、発酵と熟成をおこなうのです。」
こうすると、甕の中で主として乳酸菌や酪酸菌の発酵が起こって豆腐に酸味と特有のにおいをつけると言う。
酒でも味噌、納豆、鰹節でもすべてそうだが、そもそもこのような発酵食品の製法はどのようにして獲得されたものなのか、最初は偶然で、後は試行錯誤してたどり着いたとはよく聞くが、この腐乳の製法を見ると、その複雑さには呆れてしまうほどだ。いったいいつごろに現在の姿に完成されたのか、古代から試行錯誤を繰り返してきたのか、いずれにしても1つの食品に長い年月をかけた人間の執念と根気には恐れ入ってしまう。
初めて食べて以来この腐乳が気に入って、中国に行くとスーパーで買うものだか ら、友人達が何度もおみやげにくれたが、それほどたくさん食べるものでもないのでだいぶ溜まってしまった。いくつかを比べてみると腐乳にも色、味さまざまなものがある。ちなみに、初めて食べた紅い腐乳は「紅腐乳(hongfuru)」と言って、発酵の時に紅麹を使うのだそうだ。
各種の腐乳。「茶油」は油茶と言う木の種子から採った油。「玫瑰」は薔薇。「香油」は胡麻油。
白菜豆腐乳。西安の李真がくれた。白菜の葉で包んである。四川省成都市で作られたもの。白菜の汁、大豆、蚕豆などの混合物に漬け込んだもののようで、豆類は味噌のようになっている。山椒と唐辛子が加えてあるのが四川風だが、それほど麻(ma山椒のぴりぴりする刺激)でも辣(la唐辛子のひりひりする刺激)でもない。見た目はあまりよくなく塩気はやや強いが、非常にうまい。
この腐乳は、ずっと前に沖縄に行った卒業生からみやげに貰ったものとよく似ていることに気づいた。調べてみるとそれは豆腐餻(とうふよう)と言い、中国に朝貢していた琉球王国時代の14世紀に中国から伝えられた腐乳が基になって作られたものだそうで、似ているはずである。
お味の方は、濃厚なチーズといった感じです。とても美味しいですよ。
豚の顔の食材も、沖縄の市場に並んでいます。お祝い事がある時の食材とききましたが、普段見慣れない光景ですので、最初は驚きました。食文化の違いを楽しむのも「旅」の楽しみですね。
私が鳳凰で見た豚の顔は沖縄でも売っているようで、へえそうなのかと思いました。私の乏しい体験では、他では見たことがありませんでしたので、思いがけなく近い沖縄にあるとは思いませんでした。やはり沖縄は中国の文化の影響をかなり受けているのですね。
旅人様がお近くにお住まいなら、手持ちの豆腐乳をお分けするのにと思っています。
Bettyは何でも見かけから口にしますので・・・
珍しいもの納得できないものはなかなか口に運べません。
損な性分だと思っています。
それに美味しく思うかどうかは人によって違いますから、白菜で巻いた豆腐乳なんかは私がとてもうまいと言っても、たまらなくまずいと思う人もいるでしょうね。
簡単でそれらしいものを作ってみたいと思っています。
私は胃が丈夫じゃなくて
中国のものは油か何かが
あわなかったり
輸入したけど古すぎたりで
しょっちゅうお腹を壊しています><;
新鮮なものを自分で作ろう!
と思ったのですが
この製法は・・・
ちょっと無理そうですね^^;
すっごい手が込んでるし、
本当、豆乳のチーズですね~
どーりでおいしいわけだ。
自分で良く似たものを
作ってみました^^
木綿豆腐の中でもオマメたっぷりの
お豆腐を麹と 風味づけにお酒や
少しお味噌やお塩で浸けたら
チーズみたいなものができました^^