中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

トン族の建築物(2)

2010-01-26 09:20:43 | 中国のこと
 トン族は客を大切にする習わしがあると言われている。礼儀正しく老人を敬い幼児を大切にし、人を助けることが好きで、公共事業を重視するのが伝統的な習俗と美徳とされている。誰でも歌うことができるのを誇りとしていて、トン族の住む地域は「詩歌の大海原」と言われているそうだ。

 黎平県肇興村で歌うトン族の男女。




 鼓楼とともにもう1つトン族の優れた建築技術を示している伝統的建造物に風雨橋がある。これは川に架けた橋の上に屋根つきの廊下(回廊)や楼閣を乗せた構造になっていて、鼓楼と同じく設計図はなく、釘もまったく使われていない。

 黎平県地坪(ティピン)風雨橋。


 清の光绪八年(1882年)建てられた。長さ57.61 幅5.2ートル。2001年6月25日に国クラス文物保護単位に指定された。私が訪れたのは2004年の5月だったが、その直後の7月20日に3日間続いた大雨で大洪水が発生し、この橋は流失した。しかし、その後2006年2月に修復工事が始まり、2007年6月19日に竣工したようだ。おそらく流失した橋材を回収したのだろう。あの優美な姿が戻ったのは喜ばしいことだ。



 この風雨橋は、本来の橋としての機能だけでなく、回廊の両側にはベンチが備え付けてあって、若い男女の語らいの場にもなっていると言う。いわば付近の村々の青年男女の文化娯楽や社交活動の場にもなっている。

 程陽(チェンヤン)永済橋。




 三江トン族自治県の県城(県都)の北20キロの程陽村にある。1916年に建造されたもので長さは76、幅3.4、高さ10.6メートルある。橋の上には五層の楼閣が建ててあり、全体としては1本の長廊式の歩道橋になっている。歩道の両側には長椅子が設けられて通行人が雨を避けたり休憩できるようになっている。この橋も釘は使われていないで、大木を使ってホゾでつなぎ合わせている。全国重点文化財保護単位に指定されている。中国最大の風雨橋と言うだけあって優美で雄大だが、橋の長廊の両側は地元の婦人達の観光客目当てのみやげ物売り場になっていたのには少々興醒めした。


 肇興(ジャオシン)村(前出)の風雨橋。規模は小さいが、古色があり風格がある。


 黎平県腊水(ラァシュイ)村(前出)の鼓楼のそばにある小さな風雨橋。比較的新しいもののようだった。




 

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1 コメント

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ロマンチックな橋・・ (sibuya)
2010-01-26 13:11:23
最近の日本人に欠けているもの◎礼儀◎子供や
老人を大切にする◎社会資本を大切にする・・
などなど 素直で純粋な生き方をトン族に見習わなければ・・ですね。
風雨橋・永済橋 楼閣があって美しいですね~
若い男女の出会いの場所‥とはロマンチックな
橋ですね~

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