「塩見岳」
三伏峠の上に立って、 そこから眼の前に中俣を距てて仰ぎみた塩見岳のすばらしい姿に旅人は暫くは息を呑む思いをしたであろう。
実際、 この峠からの塩見岳は天下一品である。 このみごとな山に、 名前をつけず放っておくわけはない。
深田久弥 「日本百名山」 より抜粋引用。
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10/6(土) 塩見岳に登ってきました。
前日の金曜会社退社後いつものように中央高速の松川ICで降り、 登山口である鳥倉林道終点まで走る。
この林道までの道順や入口がわかりずらいと各種サイトで見ていたので自分も事前勉強していた。
松川IC → 県59 → JR伊那大島駅前 → お化けが出そうな小渋ダム湖畔 → R152で大鹿村 →
大鹿郵便局先の道標を見落とさず左折 → 真っ暗で狭い林道をクネクネ20kmほど登る → ブラインド越した先で
数頭の鹿と事故りそうになったり(怖)、 カーブがキツク側溝にハマリそうになったり (爆) しながらやっとゲート
に到着です。。 3連休初日ため結構なクルマが停まっていた。 (前日登山組や車中泊組が数台いた)
(初めて来る場所はIC降りてからの走行距離が不明のため降りるIC手前の最終SAで必ずGS満タンにする)
駐車場0時着仮眠、 3時起床。 外は当然真っ暗け。 僕がゴソゴソしてたら回りのクルマも灯りが点きだした。
本日はロング行程のため意を決して4時出発。
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真っ暗でチョイ怖。。 ここから本当の登山口まで林道を3kmほど歩く。 (体力温存でゆっくりめに歩く)
で、 やっと登山口着。
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ここまでが準備運動だったためか? 急にトイレに行きたくなってきた。 (簡易トイレ4基(紙)あり)
さっぱりしました。 さて! 行きますか。
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毎回思うが、 百名山やってなきゃこんな真っ暗で淋しい所に一人絶対来ないだろうなー と思っちゃいます。。
やっと薄っすらとしてきました。
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ここまで鹿の鳴き声が随所で聞こえてきました。 明け方までは彼らの時間、 僕はきっとお邪魔虫ですね。
紅葉も始まっています。
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よくサイトで見る看板が・・。
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数えましたよ。 そう、 僕の足は “長い” ため220歩ですた。。 (笑)
そして三伏峠着。 もう小屋は閉まっていました。 (コースタイム3時間、 実測2時間)
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オオ!! 遥か先に塩見岳の雄姿が!!
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(テント2張、 住人はいなかった。 塩見 or 小河内岳??)
明け方から太陽が登るまでのこの時間帯、 休むと汗が冷えもう寒くて寒くて。 なので休憩もそこそこに先に進みます。
先にあった道標。 左に行きます。 荒川岳も登りたいなあ。。
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一登りで三伏山。 塩見がでっかくなってきました! それにしても遠いっス。
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イエイ♪ 下方は伊那市街です。
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この先樹林帯に入りアップダウンを繰り返します。 これが結構足にきたりします。
で立枯れ林の開けた場所でパチリ。
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今から行くよ、 待っててね。
後を振り返ります。 深い谷と長い稜線と紅葉の峰々。
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カワイイ塩見小屋 & 後ろに塩見がドーン!!
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小さい山小屋。 ここまで来てその完全予約制を納得。 (百聞は一見にしかず)
回り360度の大絶景。
ということで代表的な山群を・・。
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左からこの前登った仙丈ヶ岳、 最奥に甲斐駒ヶ岳、 北岳、 そして間ノ岳、 手前に農鳥岳。
フォッサマグナの上に立つ3,000メートル級の峰々。 中でも3年前に縦走した白峰三山の稜線をこちら側から望めて感無量。
「仙塩尾根をじっくり歩きたーい」 宿題にしましょう。
さて、 登りますか!
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まずは天狗岳への急登、 崖をよじ登ります。
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どこかのサイトで見た覚えがあるロボット岩。 (横顔) ははーん、 これか、 と納得。
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天狗岳を通り越せばいよいよ本峰が見えてきます。 (左側はスゴイ落ち込み)
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山頂直下。 ここから本当の崖よじ登りです。 楽しくなってきました。 でも落石注意です。
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そして上へ出れば前出の縦走路がずーっと延びています。 いつかは縦走したいですね。
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これならわかりますか? 甲斐駒と白峰三山が。 画像右(東南)に行けば黒河内や蝙蝠岳(コウモリ)を
経て二軒小屋まで下りられる。 南アはいろいろなコースが選択でき奥深い山群で長大なルートだ。
そう、 いつかやってみたい 「南アルプス大縦走」
易老渡から登り、 光(テカリ)、 聖(ヒジリ)、 赤石、 荒川、 塩見、 仙丈を経て北沢峠へ下る。
全行程8泊くらい?の大縦走。 油が乗っている(体力的に見ても)ここ数年の年齢時に歩いてみたいですね。
(実は昨年計画したが易老渡までの林道が台風で崩落通行止め、 その時点で必然的に計画中止)
塩見岳山頂! (双耳のためまずは西峰)
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これから行く東峰に先行者。
あの先行者を入れるため早く登ってくれーと このアングルのまま数分待っていました。 完全にヤラセです。(笑)
ハイ、 東峰着。 西峰より5m高いです。
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50のオヤジ 頂上に立つ!!
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(前出の先行者にお願いして(ラーメン作っていた)撮ってもらいました)
さっきいた西峰。 位置関係はこんな感じ。
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3連休なのにこのガラ空き様。
南アは全体的にアプローチが大変で山も奥深いためあまり人が入っていなく本当に静かな山行ができます。
頂上で先行者としばし山談義 & おにぎり大休止。
この休み、 木曽駒までのバスとロープウェイは3時間から4時間待ちだって。
自分の足(バス等使わず制約を受けない)でアプローチできる鳥倉林道が好きでこの山域にはよく入るとのこと。
帰りも長いので頃合いも見て下山開始。 西峰に戻り双耳を目に焼きつかせます。
ありがとうございました。
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北西の中央アルプスがちょっとだけ雲が晴れました。 んんっ?? あれは何かな?
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あなたはいつぞやの・・。 ここにきて雲がピンポイントでどいてくれた。 僕へのプレゼントですね。
先々週登った宝剣岳。 ちょい左下にロープウェイの千畳駅も見える。
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そしてこれから下る三伏峠方面を見やります。 ワイルドだろう???
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これもサイトでよく見るカワイイ看板。 いいね!
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で、 その小屋へ下りて来ました。 ここで靴と靴下も脱いで小休止。
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ここから駐車場までノンストップで下るため十分なストレッチをして下山に備えます。
ホントこの小屋はいい感じです。 小綺麗にしてますねー
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こういう感じを見るとその小屋の在り方や小屋番の方の良さもわかります。
ちなみに小屋の中も覗かせてもらいました、 布団もキチンと並べられ整然としていました。 (好感が持てる)
立枯れ場所から見た塩見岳。 この辺からガスが出てきた。
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本谷山、 三伏山を越え三伏峠へ。
テントの数が多くなっていました。
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後ろの建物は冬季小屋として無料開放している。 中を覗いたが窓戸が釘で打たれているため真っ暗だった。
三伏峠を少し下った所で一人の登山者?に出くわしました。 その様相にビックリです!!
な、 な、 何と! 自転車を押して来るではありませんか。
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たまに頂上でアイロン掛けやバイオリン弾き(←実際に日光白根山頂上で見た)を見るが自転車は初めて見た。
(地元の大小山でMTBを担いで来た人と会ったことはあるが この若者のようにランドナー(旅用)は初めてお目にかかる)
話を聞くことにした。
何でも学校帰りに道を間違え京都からここまで来てしまったと! そして道間違えのついでにこのまま南アを縦走するそうな。
冗談です (笑)。 自転車乗りの間では日本一高いここ三伏峠まで自転車で来る、 というのが一種のステータスなんだそう。
わかるなー その気持ち、 実に良く分かる。 数分の会話だったが僕も若い頃から冒険走りをしていた方なので
痛いほどその気持ちが分かりました。
ガンバレ、 若人よ!!
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生粋の京大生。 将来は総理大臣? 最近の若者の中にもこういう輩がいるだね、 ワイルドだぜ。
ここの道は平坦だがここまで来るまでは危険な道が多い。 よく乗ってきた(担ぎ上げ)もんだ。
今夜は三伏峠キャンプ場で皆の注目の的になるだろう。 爽やかな笑顔の高青年なのできっと拍手喝采だね。
担ぎ上げたもんだぜ、 あっ! 違った、、 「見上げたもんだゼ」
ということでその危険な通学ルートの一部をお見せしましょう!!
こんなとこや、、
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こんな所も。。 これはホントに一部。 よくもまあ こんな所を・・。
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(ここ、 左下は崖。 落ちたら即アウト)
今度この辺りに “通学ルート” の看板を立てるようお願いするか。。 (笑)
何かのシャレコウベ。 鹿かな? 来る時は真っ暗だったため全然気付かなかった。
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凛とした落葉松帯。
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そして無事登山口着。 太腿パンパン。
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朝はわからなかったがこの登山口回りはかなり広いスペースです。
ここから長い林道歩きが始まります。 言わば、 本日の核心部。 (笑)
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遠く対側に駐車場が見えます。 林道は右手側をぐるーっと回り込んでいます。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/0e/71d26a3f2e2b8a182592c465cac071ad.jpg)
やっと駐車場に到着。
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お疲れ様でした。
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これにて往復約28km、 12時間の山行完了。
この後パンパンな太腿のままジムのマニュアル操作しながら400kmの道のりを帰ります。 (Mです。 (爆) )
ワイルドだろう♪ こればっかやん。。
以上です!
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【後記】
日帰りには少々キツイ12時間の長丁場。
今まで一番長いコースで言えば新潟の平ヶ岳が最長だった。 あそこはここ塩見の1.5倍はある。
そこを経験していたので頑張れると思った。 (本当は明日空木岳リベンジのため塩見を日帰りにした次第)
しかし次回来ることがあれば三伏峠で数泊キャンプしながら小河内岳へも足を延ばしてみるのもいいだろう。
鳥倉林道までのアプローチは大変だがその分人も少なく静かな山行を満喫できた。 実にいい山群で気に入った。
今後も南アへの切り口としてここを一つのベースにしようと思う。 (ただし必ずピストンになってしまうが)
それと下山中に会った自転車青年。 あの彼はここの駐車場に来るまでも相当長い道のり(松川IC下りて少し走った
所にあるJR伊那大島駅まで京都から輪行)を走ってきた。 ある意味今回の山行 彼に全部持っていかれた。 脱帽。
実に爽やかで優しく気持ちのいい青年だった。 きっと立派な大人になることだろう。 大いに期待する。
で、 帰り道。 松川IC周辺から中央アルプスは厚い雲の中。 ラジオの天気予報で明日は雨曇り。
しかもこの3蓮休、 木曽駒や空木は激混みだろう。 ということでまたも空木岳を諦め自宅に帰りましたとさ。
それにして空木岳、 いつになったら登れることやら・・。
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