「快走爛漫Ⅱ」

アウトドア大好き人間です。 (since2005.10) 

下ノ廊下 (前編)

2012年10月14日 17時13分38秒 | 山歩き

 「下ノ廊下」  (しものろうか、 旧日電歩道、 水平歩道)    を歩いてきました。

 以前より是非歩いてみたい場所のひとつで、 自分の登山レベルが少々上がってきたかな、 
 という感じになってきたので、 歳取る前に一度は歩いておこうと考え満を持して行ってきました。

  (ちなみに黒部ダムを挟んで、  「上ノ廊下、 奥ノ廊下」 もあります。 
   こちらはバリエーションルートや沢登りの技術を要するエキスパートの領域。 
   今の僕のスキルでは到底行けないし、 この先もきっと行か(け)ないでしょう)

 場所は黒部ダムから欅平 (けやきだいら) 駅までで、 距離は約30キロメートル。
 黒部川の左側の断崖斜面 (道幅狭い所で50cmくらい) をずっと歩いて行きます。 
 途中、この時期だけ(雪解け後の2ヶ月くらい)しか開業していない山小屋、 
 阿曽原 (あぞはら) 温泉小屋に泊り翌日欅平駅まで下る1泊2日のルートです。

 
 ちなみにこのルートを歩く人は全員それが目的のため、 いわゆるフツーの山行で見かける
 登山者はここにはいない。 言わば皆同志のような感じになり親近感や連帯感も出てきます。 

 
 そして   「下ノ廊下では怪我はしない」    とも言われているようです。   

 落ちたら怪我どころでは済まず死あるのみ、 というところからそう言われているそう。
 そんな道を歩いてきました。  エスケープルートも無くただただ前進あるのみの道。
 そして今回の目的はいくつかあります。   それはオイオイその時に・・。

 今回も長めの紀行文です。   飽きた方はご自身で離脱してください。 
 こちらのエスケープルートは沢山あるハズです。  (笑) 


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 【前フリ】

 10/12(金)  晴れ曇り。    気温20℃以下で絶好の歩き日和。

 昨日会社退社後1日休みを取って (土日の廊下&阿曽原小屋の激混み避け) 出発地点である信濃大町駅へ
 向かう。  今回は事前調査で見つけた市営の無料駐車場にクルマを置かせていただいた。

 登山コースは、、
 扇沢駅 → 黒部ダム → 下ノ廊下 → 阿曽原温泉小屋 → 欅平駅 → 宇奈月温泉 → 
 魚津 (うおづ) 駅 → 糸魚川駅 → 信濃大町駅への周回コース。  帰りの大町駅着は17時過ぎ。

 行き帰りの移動手段と乗り換えに要する時間軸や等 事前に調べ準備していました。
 帰りの欅平駅からは、  久しぶりに鉄分を補給しながらのんびり帰って来ようと思っています。 

 「鉄ちゃん旅」  (旅とは言えないかも)     それも楽しみの一つです。    

 それでは出発進行!       (前フリ、 なげー)

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 2012年10月11日(木) 前夜着。    白馬駅とここ信濃大町駅は登山の発着駅ですね。
 

 深夜の大町駅、 この佇まいを見ると毎回心ウキウキしちゃいます。  「ああ、 始まるんだなあ」  と。。

 そして朝。  行く先の山は曇り。   予報の晴れを期待します。
 

 駅まで数分歩きます。  冷たい空気に包まれた朝のアーケード街は気持良かった。  ええ、 ゆっくり歩きましたよ。

 6時15分始発。
 

 バスの窓から見える景色って何でゆるりとした気持ちで見られるんでしょうか。   まったりできる時間。

 
 30分ほどで黒部アルペンルートの扇沢駅着。
 

 チケット待ちのお客も少ないですね。  空気も冷たい。

 7時30分始発のトロリーバス待ちに見たライブ映像。  室堂は雪で真白でした。
 

 今年の夏に登った立山三山と剱岳。  もう冬の佇まいです。  厳しい冬の到来です。

 
 破砕帯通過。   距離80m、 毎分60トンの湧水に阻まれた場所。  突破するのに7カ月要す。
 
 (ブルーライトで場所判明。   バス車内アナウンスあり。  小説黒部の太陽でも詳細記述)

 黒部ダム着。  一般の観光客は係員に誘導され出口に向かう。
 

 登山者はその脇をすり抜け(係員も何も言わない)手前に歩いてくる。
 その50メートル先に下ノ廊下への登山口がある。

 最終トイレ & 水補給。
 

 この扉から出ればもう後戻りはできない。   
 

 「行くか」

 皆さん準備中。     全員気持が高まってきている。
 

 いよいよ始まります。
 

 登山道は300%道迷いなし。  なぜかと言うと一本道しかないから。  そこを行くしかないから。 (笑)

 最初で最後の黒部川を渡ります。   この先終点の欅平までずっと川の左側斜面を歩く。
 

 手前の監視小屋で川の状況を監視している係員の方がいました。

 僕の番。     三途の川にならぬよう心して渡りました。
 

 左を見れば・・・
 

 黒部ダム ドーン!!
 

 ダムの上から下を見る人は多いが、 下からダムを見上げるのは登山者だけの特権!?  

 「本当に後戻りできない、 行くしかない」    と心に決めた。

 それでも最初は川沿いの道をハイキング気分で歩を進めます。
 

 足馴らしにはちょうどいいですね。

 段々と真っすぐになってきました。
 

 まさに峡谷ですね。
 

 ここを歩く好き者はそうはいない。   それでも山をやっている人なら一度は歩いてみたいと思う場所。

 「じっくり歩くか」

 そうこうするうちに序の口が出現してきたようです。
 

 水分補給はどこでも潤沢過ぎるほどあるので心配ありません。 (笑)
 

 内蔵助谷出合です。   左手に上げって行けば剱沢を経て剱岳に続く上級者ルートです。
 

 黒部の巨人に見守られています。  これがなかなかスゴかった。
 
 写真だとその威圧感がイマイチ伝わらないですね。

 5分休憩。   行動食 & 水分補給。

 こんな岩場 (左壁面崩落) も越して行きます。
 

 よじ登る場面もあり。
 

 上を見れば・・     落ちないでくれー、   とつい思っちゃいます。
 

 黒部峡谷。  
 
 
 段々と悦に入ってきている自分がいます。  いい感じに興奮しています。   でも慎重に安全に一歩ずつです。

 対岸にナメ滝が見えてきました。
 

 この辺まで黒部川の少し上を歩いています。  

 しかし、  そのうちに、  ホント気ずかぬうちに、、    段々と高さが増してきます。 
 

 序二段くらいでしょうか。    これでも右側は川底まで何もありません。
 

 前後の人たちは(僕も入れて)お互いをカメラで撮りっこしています。    モデルの気分です。(爆)
 

 巨大な万年雪。
 

 スノーブリッジ。    右の人と比べればその大きさがわかるでしょう。
 

 皆さん歩くの早いです。   僕はいつになくスローペースで写真撮りまくりです。 (爆) 
 

 自然はスゴイ!   ここに来ると人間なんて小さい小さいを実感。  空、 川、 斜面、 全部を満喫中。

 おっとこんなとこで擦れ違いです。    今朝阿曽原小屋から来た人たちでしょうか。
 

 お互い気をつけて!  と声を掛け合います。

 先は長いですね。  よくもまあこんな道を作ったもんです。
 

 振り返ります。   美しい黒部川、  素直に感動中。     後続のモデル者が近づいて来ますね。
 

 左手の針金は絶対外さない。    この辺りは伝え歩きです。
 

 高巻きの場所到着。    
 

 右に続く路面の状況が悪いため、 ここはハシゴを登って高巻きするよう指示看板あり。
 路面悪いって・・   この水平歩道において良い路面ってあるのでしょうか。 (笑) 

 前者登攀中。   間違って落ちてきた時に巻き添えにならぬよう登りきるまで下で待機。
 

 んで僕の番、 一番高い所で下激写。    背中ムズムズお尻モニョモニョ、  いい感じっしょ♪
 

 まだまだ続きます。    でも段々お腹一杯にもなってきました。 (爆)
 

 と、 そんな甘い気持はすぐに無くなります。  気合いを入れ直します。
 

 振り返ればこの景観。   ああホントここに来て良かったなあ、 と改めてそう感じる瞬間。
 

 ここを歩ける幸せ、 と同時に絶対無事に帰る!  という強い意志を再確認。

 ここは前頭三枚目というところでしょうか。。
 
 
 ここは道上周辺がチョー危険なので前頭筆頭にしました。
 
 
 早くここを通過せねば、 と本気で思いました。     左上はもっとスンゴイ岩々がありました。

 以前山の本で読んだことがある。  阿曽原小屋の方たちは夏の間、 県から委託され登山道の整備もしている。
 危険な場所は懸垂下降しながら上から落ちそうな岩を前もってハンマーその他で叩き割り落している。
 そしてシーズンを迎えた時に登山者が安全に歩行できるよう努めていると。  頭が下がります。

 
 たぶんその現場の一つがここだと直感した。   
 
 前出写真の上斜面。   きっと上の危険な岩を事前に叩いて下に落としたんだと思う。

 今回は青空よりも頭上の岩々がいつになく気になった山行でもありました。  岩が落ちてきたら
 今被っているヘルメットなんて意味ないだろう。   ここはそんな道、 自己責任で入る場所。
 (実際富山県警のHPでは ここ下ノ廊下は今も通行可とはしていない)

 先へ進みましょう。   高さ20mから30mくらいの狭路が続く。
 

 多くの巨岩が落ちている。     今は落ちないでネ♪
 

 色からして白竜峡に入ったようです。   (サイトで見ていた景観になったため)
 

 ここから  小結、 関脇、 大関  三役揃い踏み。

 緊張します。    ゆっくりゆっくり。。
 

 際どいですぅ。    細い針金の存在がスゴイありがたい。
 
 (でもズルッといったら持っている針金なんか意味ないんだろうけど・・   と思うと体が凍りつく)

 やぱり白竜峡でした。
 

 ここまで9キロ、  そしてこの先宿まで入れると約8キロ強。。   ずっと緊張しっぱなし。 (泣)

 それでもどんなに強く頑丈なワイヤーでも切れることがある、 なのでここは一つワイヤー(心)緩め休憩しましょう。

 そう、  景色を眺めながら・・
 

 自家製おにぎりくんの登場です。   (^^v
 

 景色を眺め、  おいしい空気を吸い、  十分ストレッチをしました。
 パワー回復!  力が湧いてきました!!     気持ちを入れ替え出発です。

 ここは尾瀬の常滑の滝に似ていてとても綺麗でしたよ。
 

 こんな穏やかな顔の黒部川もあるんですね、  しばしボーッと眺めまったりしました。。

 と、 と、 と、、   そんな気持ちと裏腹に例の現場着です。    これ見てスグに分かりました。
 

 昨年悲しい事故があった場所、 その後通行止め、 そして今年やっと再開。    ここがその現場です。

 このお陰で私たちは歩けることができるんですね、 感謝です。    と同時に合掌。
 

 中ほどで真下を覗き込む。      写真じゃ分かりずらいけど落ちたら・・。
 
 (実は下より上の岩の状況の方が気になり怖い)

 先に進みとこれもサイトで見る滝覆いのカバー。   水が掛らないようにしてくれています。
 

 それでも左の小滝で適度に濡れますたが・・。 (笑)      それも愛嬌ってことで。 

 さっき通過した大崩落地帯遠望。  昨年の事故の規模の大きさが推測できる。    再度合掌しました。
 

 この先何故かゆっくり歩き(いろいろな思いが頭に浮かび)十字峡上の広場着。
 ここで皆さん休憩してました。  僕は事前に休憩したのでここはすんなり通過。

 

 抜きつ抜かれつのため各自暗黙の目線でここまでの安全を称え合います。
 これがいつもの登山とは違うところ。  っていうか目的場所が同じためいちいち話さずとも
 分かり合える、 そんなところでしょうか。  まさかここから槍に行く人はいないでしょうから。

 あの吊り橋の下が十字峡です。
 

 

 橋の中央から撮っています。   背中シュワシュワ中です。。  (^^;
 

 「十字峡」  手前の沢は剱沢、 奥が棒小屋沢、 左右が黒部川。   その4本が十字にクロスする場所。

 この十字峡過ぎから樹林帯に入りますがホッとはできません。    ハイ、 まだまだ続きます。

 そしていよいよ本日メイン、 この辺りから横綱が登場します。
 

 んー・・   ごちそうさまー    って感じです。。 (爆)
 

 ナンも言えねー     (by水泳選手)
 

 この辺の高さは軽く100m以上はあるかも!?    (でもこれでビビってたら到底ジャンには行けないネ)

 で、 嬉しいかな、、   これが明日も続きます。    そして明日はもっと高いんです。。

 気持ちを切り替え景観を楽しむ。   ホント綺麗な峡谷です。
 

 S字峡に入ってきた感じ。
 

 再び横綱の登場です。
 

 

 頭上も要注意です。   頭ぶつけて★が飛んで右側に倒れたら・・   笑い事では済まされませんね。 

 そして半月峡です。    
 

 阿曽原温泉小屋までは5キロくらいでしょうか、 もう少し。   また一つ気を引き締めて歩きます。

 綺麗な峡谷の上にやっと見えてきました、  これを見るのも目的の一つだったのです。
 

 こんな山奥にあんな構造物があるなんて信じられません。   また別途お見せします。

 その前に綺麗なS字峡です。       にしてもこの高さ・・・
 

 振り返ります。   急に何だかそろそろ終っちゃうような気がしたので目に焼き付けるんです。
 

 ズーム。     気を付けて!!
 

 皆さん一歩ずつ一歩ずつ先に進んでいます。    目的は温泉後のビールに違いありませんね。 (笑)

 段々近づいてきました。  例の構造物です。
 

 「黒部第四発電所」 

 

  
 あの山の中150メートル下を東京ドーム1個分くり抜き発電所を作ったそうです。
 黒部ダムの水を取水し山の中に通しここでタービン回し発電、送電している。   スゴイの一言!!


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 以下、ウイキペディア記事参考抜粋。   (営利目的ではありません)

 1958年に世界銀行から3,700万ドルの融資を受けるなどし1963年に完成。 (僕1歳)
 また、取水する黒部ダムの建設のためにつくられた「関電トンネル」の工事では冷水と破砕帯との闘いとなり、
 小説・映画・ドラマ『黒部の太陽』の舞台ともなった。 現在、発電は遠隔操作されている。

 1961年1月15日発電開始。最大出力33万5,000KW。2007年現在一般水力発電所(ダム式)
 による発電能力としては日本第4位(1位は奥只見発電所)、使用水量72.0m³、有効落差545.5m。
 
 環境保護のため及び厳冬期の雪崩対策として、この発電施設及び輸送ルートや送水管はすべて地下に作られている。

 
  (サイトより参考添付)

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 真向かいまできました。    (自分はこういう構造物が好きなんです。 (^^; )
 

 最初1本目の送電鉄塔です、 ここから始まるんですねー。   こんなこと考えて歩いているのは僕だけかも。

 オオ!  東谷の吊り橋が見えてきました。   
 

 旧日電歩道、 そろそろが本当に終わりに近づいてきたようです。  
 ホッとして何だか嬉しいような、 寂しいような、、   複雑な気持ちです。

 でもそんな気持ちと裏腹に先に進まねばなりません。  そしてこの先にも目的の場所があんですねー  (^^;

 まずは吊り橋を渡ります。
 

 あっ、 ここで訂正です。   最初に書いた内容に誤りがありましたね、 この場所に来て気付きました。
 「欅平までずっと黒部川の左斜面を歩く」  と書きましたがこの吊り橋で右側に渡りました、 失礼しました。

 吊り橋を渡った所で一人のおじいさんがいました。
 実はこのおじいさん、 ここに来るまでに抜きつ抜かれつの方でした。 最後に抜かされて、その後僕も結構な
 スピードで歩いていたのですがこれがなかなか追いつかない。 もしかして谷底に落ちたか? なんて変な事を
 考えつつずっと気になっていたのです。 それがここでやっと再会できました。

 

 「早いですねー、  後ろから見ていて歩き慣れている感じですがこの道は詳しいんですか?」

 「もう20年は通っているよ」  とのこと。     そして、、

 「十字峡なんて昔は橋なんか無かった、 細いワイヤーは下まで垂れていてそこを下り、登りも対岸に掛った
  ワイヤーを必死の思い(川に落ちないよう)でやっと上まで登った」   だそうです。

 阿曽原温泉小屋や祖母谷温泉小屋ではちょいとした  “顔”  なんだそう。
 下ノ廊下20年。   もうライフワークですね。  御歳75以上とのこと。  完全に脱帽です。。

 橋を渡り切ったその先にちょっとした広場から本日歩いた旧日電歩道に最後の挨拶をしました。   

 峡 (今日) 一日 大変ありがとうございました、  機会があったらまた来ます!   と廊下に挨拶。
 
 橋中央の人間わかりすか?  あの人と比較すれば回りのデカさが理解できると思います。

 ここからは発電所建設当時の遺物を抜けて行きます。
 

 

 程なくして千人谷ダムに到着します。
 

 湖面は完璧なまでのエメラルドグリーンでした。

 ここからの道はダムの上を歩き 向こう側へ渡り ダムの建物施設の中を抜け  終点の阿曽原小屋まで行く、 そんな道です。

 こんな感じに抜けて行きます。
 

 至る所にしっかりとした道標があるので迷うことはありません。

 ダムを見下ろします。   吸い込まれそうでした。
 

 上を歩いています。
 

 左の女性は今日仙人温泉小屋を閉めて下りてきて今夜阿曽原小屋に泊り明日下山する方です。
 いやあ カッコイイですねー。  若い女性が山深い小屋で働きシーズンを終える。    実にカッコイイ!!

 で、 先に進みます。 (笑)    表示ありです、 問題ありません。
 

 階段を下りた所にあったドア、 ここからダム建物の中に入ります。
 

 開けっぱなしはダメよ。
 

 すみません通らせてください、  と心の中でお礼を言いました。
 

 ここで働いている人たちは1年365日、  ずっと僕らの生活を守ってくれています。
 ここにはたいした娯楽も無し、 僕の大好きな鄙びた居酒屋も無し、 そう、 コンビニなんてありゃしない。

 人間いろいろな所で働いているもんだなー   と実感しました。

 そしてこの先に・・
 

 今回の目的のひとつが・・
 

 吉村昭著の  「高熱隧道」  をこの目で見ること。

 黒部第三発電所建設のおり、 摂氏160℃以上の高熱岩盤にブチ当たりダイナマイトの自然発火等で死者300名以上を
 出した隧道。 精神に異常をきたし真冬の雪山の中に逃げた人夫も多数いた。そんな過酷な労働を強いられた場所。

 今も奥からは湿った熱風が吹き付けてきて10秒もしないうちにカメラのレンズが曇った。
 

 ジーンときました。    昔の人の苦労があって今の僕たちの生活がある。
 当時の電力不足を補うための国家プロジェクト、 数千万人を動員しての大工事、 本当に凄かったんですね・・。 

 「高熱隧道」   是非読んでみてください。    泣けます、  そしてここに来たくなります!

 話し戻って、、、

 この扉を開けて外 (熊がいる世界) に出ます。  出たら扉を閉めます。  これルール。 (笑)
 
 
 で、 この扉の左側にあるのがこれです。
 

 ???   ですよねえ。。   この奥も高熱隧道に続いています。

 そう、 2002年大晦日、 紅白歌合戦で 中島みゆきが  “地上の星” を歌った場所です。
 NHKプロジェクトXで 黒部ダム建設のエピソードが取り上げられた。    風の中のすばる~♪
 (個人的に好きだったのは田口トモロヲのナレーション、  あの喋り良かったなー )

 大分寄り道をしてしまったようですね、 元に戻しましょう。 (笑)

 外に出てからちゃんと鍵もかけましたとも。
 

 人見寮です。  シーズン中ここに寝泊まりし施設の保全に努めているのですね。  ご苦労さまです。
 
 
 こんな山の中に忽然として現れる人工物、  これをこの場で実際見ると何だかスゴイ不思議な気分だった。

 権現峠トンネルを越え、、  (フラッシュ使用、 しないと真っ暗け)
 

 そこから少しばかり歩いたあと下りになります。  この時点で終わったな、 と思えてきました。

 そして夢にまで見た  阿曽原温泉小屋着。
 

 「嬉しかったー」    やっと緊張が解放されました。      ビールのむゾー!!    です。

 簡易に造った山小屋です。
 

 一部屋12人、  それが3部屋、  皆予約客。  この時期予約しないと泊まれない、
 それほど山バカ、 あっ 違った、 山の愛好家の皆さまにこの時期人気の山小屋です。
 僕もこの小屋でお金を使おうと思い今回はキャンプを止め小屋泊にしました。 
 (突発客は皆が食べ終わった食堂に寝る、そこはスンゴイ寒い場所 ←今回も4人いた)

 

 小屋の下にキャンプ場があります。
 

 で、 当然こうなります。      プッ、、 ハーです。   (^^v
 

 今日の無事にカンパーイ♪

 本当に簡易的なプレハブ小屋です。  真冬の泡雪崩対策のため、シーズン終われば小屋解体します。
 

 本日は満員だそうです。  
 

 ポッカの自販機にポッカはなく、 その代わりと言っちゃなんだがビールのお代わりはガンガンありました。 (笑)

 楽しい夕食のお時間です。
 

 こちらもお代わり自由です。  ただし今夜は客多く2回戦のため時間区切られ30分勝負でした。
 今までの最高は5杯だそうです。  僕は3杯 (今夜3杯は僕だけだったそう )いきましたー。  (^^v

 今夜の体力回復と、 明日の力のため食べられる時に食べておきます。

 夕食後はお風呂待ち (時間割で男女入れ替え制) の間乾燥室で1時間ほど暖まっていました。
 

 皆さん寛ぎタイムです。   NHKドキュメンタリーの阿曽原小屋編ビデオを見ています。
 

 僕はそこを通り抜け真っ暗な露天風呂に向かいます。  そろそろ男子入浴の時間なのです。

 ヘッデン必須。  小屋から5分ほど急な道を下っていきます。
 

 ナンも見えねー   (by僕)
 

 フラッシュ撮影で見えたがヘッデン消せば真っ暗け。  しかし頭上には満天の星。  
 段々目が慣れてきて何とも言えず夜空を満喫しました。  ミルキーウエイもはっきり見えましたよ~。

 高熱隧道から湧いてくる正真正銘の源泉かけ流しです。  

 部屋に戻り今日最後の嬉しいお勤めです。    ぬははー (爆)
 

 おやすみなさい。。    


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 長い一日がやっと終わりました。   正直ホッとしました。

 温泉に入り体を温め その後部屋で飲んだ日本酒が本当においしかったです。
 
 疲れが取れてポカポカホンワカしました。  今夜のお酒は百薬の長でした。
 
 布団に入り今日歩いた行程を復習してみました。   

 下の廊下、   歩け (い) て本当に良かったです。

 いつのまにか眠りについていました。。。



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