うまさいと

お馬さんは好きですか?

2ヵ月後にお披露目のお買い物。

2005-10-09 02:35:20 | 競馬
JRAがBagoを購入したそうな。幾らだったんだろうねぇ。

Bago to end racing career in Japan(racingpost)

これを聞いて私が最初に思ったことは「GodolphinにDoyenを買わされなくて良かったな」ということ。といっても、私はDoyenもBagoも大好きですし、どっちでもよかったわけですがIrish Champion S.(IRE-G1 T10f)でも距離的にどうかというレースをしていたSadler's Wells産駒を連れて来るというのは失敗だろうという感じだったので。

しかしNiarchos Familyがこの血を手放すとはねぇ。といっても私は血統に疎いのですが。ということで、初心者の観点からちょびっと見てみることにしますか。でも、Dixieland Bandの時ほどは長くならないようにしよう。とりあえずBagoはF2-dという牝系に属してますわねぇ。

確か叔母にPrix Marcel Boussac(FR-G1 T1600m)のDenebolaがいたよなという記憶はあります。ということで遡ってみると、2代母(祖母)Coup de Genieの半兄にはMachiavellian, Exit to Nowhereがいますか。ここからの派生では、Coup de Geninの産駒に前述のDenebolaの他にも、アメリカでG3を3つ勝っているSnake MountainやPrix de Cabourg(FR-G3 T6f)勝ちのLoving Kindnessなんかもいます。

名牝Almahmoudのクロスを持つ3代母Coup de Folieに到達すると、半弟にSilent Witnessの父El Moxieがいるわけです。余談ながらCoup de Folieの産駒であるHydro Calidoはシンコウカリドの母親なのですが、Nureyev産駒のために、さらにもう1本Almahmoudが入るのですよねぇ。合計3本。多いなぁ。考えたらエルコンドルパサーもこういう形であり、繁殖としては一種の「上がり」の形態かとも思うわけですが、私の想像など遥かに凌駕するから血統は面白いのですよねぇ。

4代母はRaise the Standardということで、泣く子も黙る稀代の大種牡馬Northern Dancerの半妹さんです。5代母Natalma、6代母Akmahmoudまで遡ってようやく気付いたわけですが、Northern DancerとHaloっていとこなのよねぇ。

ということで、Northern Dancerの半妹にHalo, Mr. Prospector, Nureyev, Nashwanとつけてきたわけで、Nashwanを抜いてしまえば日本において現在どメジャーな血脈を持つと言わざるを得ないと。Blushing Groomと言われてぱっと日本で思い出すのはサクラローレルとマチカネフクキタルなわけでして、自然と「重厚な血統」みたいなイメージが湧くと。勿論、Rahy産駒にはトキオパーフェクトやグラスワールドなんかもいるけれど、Fantastic Lightなんかもいるわけで短長どちらに転んでもおかしくないかと。そういえば、AraziもBlushing Groomの産駒でしたか。この系統は気性が良い方向に出れば一発もあるというイメージですが。さて、日本に来たらやっぱりサンデーサイレンス産駒の肌の牝馬をつけることになるのかねぇ。あまり合う気はしないですが。


今度は父系はと言われると父にNashwanが鎮座しており、このNashwanの近親には活躍馬が多数。今大流行のディープインパクトもこの牝系(F2-f)に属します。ということで、この表記ならわかるかとHighclere辺りから書いてみた。

Highclere(1000 Guineas S, Prix de Diane)
   ┣Milford(Prince of Wales's S.)
   ┣Burghclere
   ┃   ┣Capo Di Monte(Vineland H.)
   ┃   ┃   ┗Dreamticket
   ┃   ┃       ┗Magic Mission(Royal Heroine S.)
   ┃   ┣Invite
   ┃   ┃   ┗ウインクリューガー(NHKマイルC)
   ┃   ┗Wind in Her Hair(Aral-Pokal)
   ┃       ┣Veil of Avalon(De La Rose H.)
   ┃       ┣レディブロンド(4th スプリンターズS)
   ┃       ┣ブラックタイド(弥生賞)
   ┃       ┗ディープインパクト(東京優駿、皐月賞) 
   ┣Height of Fashion(Prince of Wales's S.)
   ┃   ┣Alwasmi(John Porter S.)
   ┃   ┣Unfuwain(Prince of Wales's S., Jockey Club S.)
   ┃   ┣Nashwan(2000 Guineas S., Derby S., Eclipse S., King George IV & Queen Elizabeth Diamond S.)
   ┃   ┣Manwah
   ┃   ┃   ┗Mustanfar(Lexington S.)
   ┃   ┣Wijdan
   ┃   ┃   ┗Oriental Fashion(Premio Ribot)
   ┃   ┗Nayef(Champion S., Dubai Sheema Classic, International S., Prince of Wales's S.)
   ┣Highbrow
   ┃   ┗Blueprint(Jockey Club S.)
   ┗Wily Trick
        ┗Elegant Fashion(Hong Kong Derby)


こんな感じ。

さて、ではBago自身はというと、現時点では14戦8勝、2着1回、3着5回という成績。2歳時は出世レースであるCriterium International(FR-G1 T1600m)を6馬身差で圧勝。翌年のクラシックの大本命に推されます。体調不安の為に大事をとって3歳春は裏街道を進み、Prix Jean Prat(FR-G1 T1800m), Grand Prix de Paris(FR-G1 T2000m)とG1を楽々と連続制覇。はじめての古馬との対決となったInternational S.(GB-G1 T10f88y)ではSulamaniの前に3着と敗れ、Prix Niel(FR-G2 T2400m)でもValixir, Prospect Parkという同世代相手に遅れをとります。しかし、Prix de l'Arc de Triomphe(FR-G1 T2400m)では持ち前のスピードが生きる高速馬場でOuija Boardなどを一蹴。Pease師もコメントしていたように、少し重めの馬場が苦手だというのが2走続けて敗れた原因だというのが一般的な見方でした。
その後は噂のあったBreeders' Cup Classic(USA-G1 D10f)を取りやめて休養入り。今年に入ってからはPrix Ganey(FR-G1 T2100m)を勝つものの、Tattersalls Gold C.(IRE-G1 T10f110y)ではGrey Swallowに遅れをとり2着。その後Grand Prix de Saint-Cloud(FR-G1 T2400m), King George VI & Queen Elizabeth Diamond S.(GB-G1 T12f5y), Prix de l'Arc de Triompheと3戦続けて3着に甘んじ、いまいち勝てないキャラを確立してしまいました。その微妙な負けっぷりから「Longchampでしか走らない」なんて言われちゃって、古馬になってからはある意味Whipperと同じ様な「曲者」といった扱いを受けていた可能性もありますか。


Prix de l'Arc de Triompheの勝ち馬がジャパンカップに参戦するというのは99年のMontjeu以来実に6年振りでして、その年の勝ち馬がジャパンカップに参戦した例というのは

99 Montjeu
96 Helissio
93 Urban Sea
89 Carroll House
88 Tony Bin

といったところかと。では、前年のPrix de l'Arc de Triomphe勝ち馬の参戦となるとこれはもうBagoが初めてということになりますかね。間違ってたらごめんなさい。しかし、今年もいまいちながらも好走を続けていたこともあり、単なる顔見世興行では終わらないだろうというのが個人的な見解ではあります。Breeders' Cup Turf(USA-G1 T12f)、もしくは可能性は低いがBreeders' Cup Classic(USA-G1 D10f)を経由しての参戦ということですが、うまくやればAzamourをやぶるだけの力は持っていると思うので、Belmontの長い直線を利して追い込んでくる姿を想像したいです。ってか、昨年叶わなかったClassicへの出走を夢見る私はだめですか、そうですか。

大体10億前後と見積もっているわけですが、果たしてどうなんでしょう。Captain SteveにしろAlamsharにしろ、Silver CharmやRoses in Mayを輸入する(輸入先は違いますけれど)というのはそれはそれでいいことだとは思うのですが、例えば現時点での種牡馬需要を考えて輸入してるんだろうかと考えることはしばしばあります。お願いだから某Alamsharのように「2年目の種付け頭数:4頭」なんてことにならないように願います。


追記:更新後にぶらぶら巡回してたら、2日前に更新されたMARLさん@REVERY_L_ELEKTRAと同じようなこと書いてる私を発見。2日遅れた上に意味無いよorz
Niarcos Familyが種牡馬を手元に置かないとかそういった情報を新たに知ったので非常に有益な巡回だった気がするなぁ。