ということで第三弾。
Singapore Airlines International C.(SIN G1 T2000m:シンガポール航空国際C)を自分なりに展望してみようかと。
まずは正直な感想を言うと、アドマイヤグルーヴ、クラフトワークがいればなぁと思うわけです。やはりここに来てるのは一流馬とまではいかず、一流半位のお馬さんなわけですよ。数字で言うと、Alexander Goldrunの116が一番上(牝馬なので補正を考える)になるのかなと。というよりも、インパクト的に「凄いのがきた!」ではないわけなんです。よっぽどHong Kong C.(HK G1 T2000m)のPowerscourtが来たのが凄い、という感じか。
まぁこうなってしまったのも、最近流行の「適材適所」を心がけたレース選択というものが根底にあるわけでしょう。なんというか、一流にはちょっと足りないお馬さんが、勝つためにレースを選んだというところでしょうか。一番わかり易いのが昨年のEpalo辺りか。ドイツのお馬さんなんですが、国内で走るのは次のレースへのステップ的なものだけ。そして、英・愛・仏などには一切遠征をせず、芝馬のレベルが少し落ちるアジア・北米辺りに狙いを定めて好成績を残してます。勿論、芝への適正という辺りが効いてくる部分はあるとは思うのですが、そんなこと言い出したらキリがないか。一昨年のカナダ遠征でCanadian International S.(CAN G1 T12f)を制したPhoenix Reachは、昨年は秋まで欧州でつかわれていましたが泣かず飛ばず。意を決してアジア遠征に打って出ると水を得た魚の様に活躍を始めました。これは比較的堅い芝が合っているということなのかねぇ。香港・ドバイと連勝しているわけですが、どちらも2400mのもので、2000mでどうこうという程ではない気はしますが。これは多分、個人的にSt. Leger(GB G1 T14f132y:英セントレジャー)での3着の印象が強く残っているので、中距離に対応する姿というのが思い浮かばないわけですよ。
これとはまた別になりますが、今年はAlexander Goldrunも参戦しています。この参戦というのは、Hong Kong C.(CAN G1 T2000m)を制したということがかなり利いてるかと考えます。この時期だと、古牝馬限定のG1が6月終わりのPretty Polly S.(IRE G1 T10f)まではありませんし、欧州の牡馬とやり合う位なら遠征というリスクを冒してもアジアに来る方がいいと踏んだわけでしょうし。Samandoしかり、欧州から牝馬が来るという流れはVallee EnchanteeがHong Kong Vase(HK G1 T2400m)を制してからだと思うのですが、要するに欧州においては牝馬限定G1といえども熾烈な争いを繰り広げなければならず、そこで勝ち負けになるようならば、少し早く始動してアジアで一旗あげてみるかといったところかと。
Epaloはちょっと特殊として、Alexander Goldrunは牝馬なので省いたとして、Phoenix Reach, Right Approach辺りを見ていれば何となく「アジア専用機」的な雰囲気が漂っているわけでして、
暮れの香港國際賽事のHong Kong C.(T2000m), Vase(T2400m), Mile(T1600m)
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春のDubai International Racing CarnivalのDubai Duty Free(T1777m), Sheema Classic(2400m)
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香港のQueen Elizabeth II C.(HK G1 T2000m)
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シンガポールのSingapore Airlines International C.(SIN G1 T2000m)
なんていう、さながらウイニングポストで一押し足りないお馬さんに再現されるローテーションが現実のものになってきているということですよ。そしてこれを構成するメンバーというのは、
欧州での大舞台には手が届かないけど、そこそこやるお馬さん
例:Phoenix Reach, Warrsan, Ange Gabriel, Fair Mix
ドイツ・イタリア辺りから遠征してくるお馬さん
例:Epalo, Paolini, Silvano, Luso
「再生工場」ことM de Cock先生率いる南アフリカ勢
例:Right Approach, Greys Inn, Excalibur
欧州の中長距離適正のある古牝馬
例:Vallee Enchantee, Alexander Goldrun, Bright Sky
豪州からのお馬さん達
例:Elvstroem, Grand Armee, Fields of Omagh
なぜかアメリカから来ちゃうお馬さん
Star Over The Bay, Denon, Sarafan
さしづめこういった感じになるかと。そこに地元のお馬さん達が加わるという図になります。だから、欧州から一線級のお馬さんが来てしまうとガツンとやられてしまうわけです。といっても、最近は香港もレベルがアップしてますので、地元のお馬さんが好成績を収めてはいますが。
ガツン!の例:
香港でのFalbrav, Fantastic Light(本格化前か微妙なのでガツン!とは言い難いか)
ドバイでのSulamani
さて、それを踏まえた上でレース展望をしますと、今回のシンガポール勢は、昨年のWorld Thoroughbred Racehorse Rankingでシンガポール内での3位(109)であるMayo's Musicと7位であるRaul(105)が出てきてます。いつの間にかシンガポールに移籍していた(私が知らなかっただけか)Surveyorが引退したかどうかはわからないのですが、それを除くと少なくとも「昨年終了時点」でのシンガポールの代表級のお馬さんは顔を揃えているわけです。それでいても、なおかつ海外からのお馬さんに桧舞台での活躍の機会を与えてしまいそうな辺りは、どうしても「競馬先進国レベル」とは言い難いものがあります。また逸れそうなので、本題に入りましょうか。
日本の競馬ファンとしては「結局、シーキングザダイヤはどこまでやれるのか」というところではなかろうかと。私個人の考えでは「勝つまではどうかなぁ」といった感触です。元々2000mを得意とするわけじゃない(AAPには"stayer"と書かれていてびびりましたが)ですし、ましてやその距離をこなしたのは川崎記念だけということで、距離適正をはかるのは非常に難しいわけです。でもまぁGlen Bossが何かやらかしてくれることを期待してはいるのですが。意外と芝中距離でめちゃめちゃ強かったりして。
じゃあ何が勝つんだと言われなくもないでしょうが、それもわからん。こういう時は無難にランキング上位のお馬さんを推すべきなんでしょうけれども、そうするとAlexander Goldrunということになりますか。まぁこれが一番強そうな気はしますが。Epalo, Right Approach辺りも遠征で強いという特徴を持ってますし、Phoenix Reach辺りも気合いがあれば2000mをこなすこともあるかもしれませんし・・・。
ということでまぁ、混戦です。
追記:シンガポールの状況などについてもうだうだ書きましたが、結局私程度の知識ではどうにもならんわけでして、zetonさん辺りの降臨を願っていたりするわけです。勿論、どなたでも結構なのですが・・・。海外に競馬を観に行ったことがないような私ごときが海外競馬語るのもおかしいのかな、とか思ったり。よくわかんなくなってきましたが、今から勉強しますです。