暮れの28日は、御用納めとか言って官公庁は今日からお休みに入ります。 お正月を挟ん
だ1週間ほどのお休みは、年末と新年の 2年にわたるため、あっという間に過ぎてしまう
ような慌ただしい印象ですね。 会社勤めをもう何年も前に終わって、いつもお休みの連続
の身であっても、周りにつられて何となく気ぜわしい感じではあります。
さて、不思議な日本語も 20回目になりますが、結構 面白い日本語があるのですね。
今回も、思いついた言葉の羅列すので、勝手に並べていて まったく順不同です。
・あたふた いきなり穏やかでない言葉で失礼します。 「突然、スピーチを求められ
てあたふたした。」などと使われ、 あたふたとは、あわてふためくの略で、うろたえて
取り乱す様子を表わす言葉ですね。「あわてふためく」の「ふためく」は、「ばたばたと
音を立てて騒ぐ」の意とあり、「ふた」は、「ばた」と同じ意味合いの擬音語だそうです。
「めく」は、~のような状態になる という接尾語なんですね。したがって「ふためく」は、
「ふたふたしている感じ」の意となります。
「あわてふためく」を略すなら「あわふた」となるところですが、語呂合わせで「あた
ふた」になったようです。 たしかに、本当にあたふたしているときに「あわふた」では、
なんだかぴんと来ないですよね。
(ネット画像より)
・瀬戸際 瀬戸内海のキワ? みたいですが、この瀬戸というのは、古くは「狭門
(せと)」と書き、陸地と陸地が接近した狭い海峡のことを指していたようです。つまり、
「瀬戸際」は海峡の境目が元の意味で、これが発展して物事の大きな分かれ目、したがって
「勝負・成否・生死の分かれ目」を指し、それを超えると大きく変わってしまう境目にい
るときに使われます。
瀬戸内海と全く無関係というわけでもなさそうです。 というのも、江戸末期から明治
の初めに成立した概念だそうで、The Inland Sea の訳語として、外海への出口がみんな
「狭門(瀬戸)」だったので、その内側の海の意で「瀬戸内海」 と名付けられたとの説が
あるそうですから、あながち瀬戸内海と無関係ではなかったですね。
(ネット画像より)
・くすぶる 炎が立たず煙だけを上げて燃えている状態を言い表す言葉ですね。 そこ
から、「志を抱いて上京したが、いまだにパットせずにくすぶっている」とか、「論争は
決着したかに見えたが、いまだに不満がくすぶっている」のように、完全に目的が達成さ
れずに火種が残っているような状態を表現する慣用語として用いられます。
『笑える国語辞典』の解説に次のようにありました。『「くすぶる」という語は、古くは
「ふすぶ」という言い方をしていたようだが、ほとんどの辞書は「くすぶる」の語源は
「ふすぶ」であると指摘しているものの、それ以上語源を追求していない。 煙を上げて
いぶっている状態を「ふすふす」と表現したのではないかと思えるが、「ふすふす」という
言葉には「過度に」「どっさり」という意味が他にあるらしく、この語の語源については
「くすぶ」ったままにせざるをえない。』 と。
・まゆつば 「眉唾」は「眉唾物」の略語で、もとは「眉に唾を付ける」という慣用句
だったようです。この慣用句は「だまされないように用心をする」という意味です。
で、なぜ「眉に唾をつける」のでしょうか? これも伝承ではありますが、「キツネは
眉の本数を数えて人をだますので、魔除けの力があるという唾を眉につけて、だまされない
ようにする」というのが通説のようです。
(日本語不思議辞典より)
しかし、誰がいつ頃このようなことを言い出したのでしょうか? そして、このような
ことがなぜ今頃まで残されてきたのでしょうか? 考えてみれば不思議ですね。
ついでに、「眉」は、いろんな表情を表すときに使われています。 怒った表情は
「眉を吊り上げる」、心配そうなときは「眉を曇らせる」、不愉快な時には「眉をひそめ」、
まったく表情を変えない時は「眉一つ動かさない」。
たしかに、人間の眉は、表情を伝えていますね。
・ありがとう 「めったにないこと」という意味の形容詞「有り難し(ありがたし)」
がウ音便化した言葉です。「有り難し」は、枕草子などには、姑に褒められる嫁、上司の
悪口を言わない部下、欠点のない人 と存在しがたいものと捉えられています。
それが、中世以降仏教思想が広まるとともに神仏による奇跡「めったに起こらない貴重
な出来事」への感謝の言葉として使われるようになり今日につながっているというのです。
今日、「ありがたい」といえば、thank you の意で、だれも「有り難し=存在しがたい」
と思う人はいないでしょう。
ネットに、『ありがとうの語源には、ポルトガル語で「ありがとう」を意味する「オブ
リガード(obrigado)」に由来するといった俗説もある。といいながら、ポルトガル人が
日本へ訪れる以前から使われていた言葉「ありがとう」が、ポルトガル語に由来するはず
はなく、「オブリガード」と「ありがとう」の音が単に近いというだけの話。』
なんちゃって!
(ネット画像より)
歌劇ホフマン物語より「ホフマンの舟歌」
しています(^^)
ありがとうございます!