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蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

羅生門効果  (bon)

2021-12-26 | 日々雑感、散策、旅行

     例年にない北国に大雪が続く中、クリスマスは終わりました。子供や孫がまだ小さい頃は、
     クリスマスは楽しい一つのイベントとして、ツリーや窓に電飾を付けたり、食卓も普段より
     華やかにしたりしたものですが、傘寿を過ぎた二人暮らしには、クリスマスは遠い存在と
     なりました。  
 テレビでは表参道はじめ各地のイルミネーションが美しく報じられて、
     そこには多くの人出が見えますが、コロナの新しい変異株がじわ~ッと、拡大しそうな気配の
     中、一気に爆発的な感染拡大につながらないよう願うばかりです。

 

 羅生門効果。 初めて目にする言葉なんですが、世界で Rashomon effects として、
心理学、犯罪学、社会学の分野で、用語として有名なのだそうです。
 あの、黒澤明監督、三船敏郎、京マチ子主演の映画『羅生門』から生まれたそう
ですが、その内容は同じ作者の芥川龍之介の『藪の中』がその由来だそうです。

        (ウイキペディアより)

 映画の中で、ある武士が殺される。この殺人事件について被害者、被害者の妻、
加害者の盗賊らが三者三様の証言をして事件の捜査が行き詰まってしまう。つまり、
「ひとつの出来事において、人々がそれぞれに見解を主張すると矛盾してしまう現象
のこと」をこの映画の内容から『羅生門効果』と呼ばれているのだそうです。(ウ
イキペディア)
 逆に考えれば、ある現象(真実)をそれの見方(捉え方)によって結果が違う、
真逆にもなりうるということのようですね。

          (ネット画像より)

 なぜ、この言葉に出会ったかといえば、手元にある会報記事「ストレス、細胞老化、
腫瘍」(笹野公伸氏、東北大学大学院医学系研究科教授、東北大学病院病理部長)
を読んでいた中で出会ったのでした。

 内容は難しいのですが、理解した部分の概略を述べれば、細胞の老化と腫瘍(癌)に
係る内容で、癌治療に当たって、がん組織の中にある細胞老化は、善玉にも悪玉にも
なりうるということで、このことを医学界でも「Rashomon effects」と呼ばれている
とありました。

          

 細胞は分裂を繰り返して増殖して行きますが、細胞分裂が出来る回数は決まって
いて、細胞分裂できなくなった細胞を老化細胞と呼び、高齢化による個体の老化と
関連していますが、ストレスなどの外的刺激(例えば、活性酸素や過剰な紫外線など)
によって細胞老化が起こることから、一般には個体とは一体的には扱わないように
なってきているそうです。
 そして、細胞老化と種々の疾患との関係も明らかになり、とくに外部刺激を含む
ストレスによる老化細胞は腫瘍/癌化の可能性もあることから、免疫細胞などの働
きで生体系から除去される現象があるそうです。

 例えばこの老化細胞を組織系から除外しようとする働きが強くなりすぎると、老化
細胞周囲の組織/細胞が傷害され疾患が発症し、この働きが弱いと老化細胞がどんどん
蓄積し組織の機能低下につながり個体加齢化とともにフレイル等として表れてくる
のです。

 一方、癌に進展する可能性のある細胞を老化させて細胞を死に陥らせ、免疫系の
作用で組織から退出させて癌化を防ぐ場合の細胞老化は“善玉”とみなされるので
すが、癌細胞に放射線治療や抗がん剤治療で新たな遺伝子の欠損などが加わったこと
により老化していない細胞よりも細胞増殖が活発になってしまい、細胞老化したこと
がかえって悪性度を加速させる結果となりこの場合の細胞老化は“悪玉”となって
しまう。

 このように、細胞老化が、処置の捉え方によって善玉にも悪玉にもなりうるとい
うことで、「Rasyomon effects」と呼ばれているのです。そしてこのような効果が
認められる原因は、癌細胞は生体内で、それだけでは生きて行けず、血管内皮細胞
などとの相互作用を通して初めて増殖・進展が可能であるという事実が影響している。
したがって、治療に当たっては、腫瘍/癌細胞だけに注目するのではなく腫瘍組織
全体を検討する必要があると述べられています。

      (ネット画像より)

 理解が出来ていないため、分かりにくいと思いますが、「羅生門効果」と捉える
ところなど面白いと思いました。
 鬼籍にいる芥川龍之介はどんな気持ちでしょうね。

 

 

記事内容と全く関係がありませんが・・
Louis Armstrong - Hello Dolly

 

 

 


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