この表題は、科学雑誌Newton(ニュートン)別冊のタイトルから拝借したものですが、
今年(2025年)は、量子力学が誕生してから100年となるそうです。 国連はそれを記念
して、今年を「国際量子科学技術年」と定めています。
この15,16日にはお台場の日本科学未来館で「量子フェス」が開催され、講演や解説が
行われたそうです。
量子とは何か? 物質をどんどん細かくしていくと、原子で構成されていますが、
原子を形作っているさらに小さな電子・中性子・陽子といったものを量子と言います。
また、光を粒子としてみたときの光子やニュートリノやクォーク、ミュオンなどといった
素粒子も量子に含まれます。 ああ、そうですか! というのですが、この量子には
(何度聞いても理解できない)不思議な現象があるのです。
(ac-illust.comより)
「量子」という概念を始めて提起したのは、1900年のプラトンという科学者で、それを
ボーアやアインシュタインらが発展させてきた理論なんですね。 量子とは、粒子と波の
性質をあわせ持った、とても小さな物質やエネルギーの単位のことなんですね。
そして、この「不思議な現象」とは、量子には「量子もつれ」と「重ね合わせ」の
理論とよばれる2つの現象があるのです。この2つの現象を超簡単に言えば次のように
表現されています。
量子もつれ: 2つ以上の量子の間の、特別な「つながり」や「相関関係」のこと。どれ
だけ離れていても、片方の状態が変わると、もう片方の状態も瞬時に変わる。双子の
テレパシーのようなもの。
重ね合わせ: 1つの量子が、観測されるまで、複数の状態、たとえば0と1が同時に存在
していること。シュレーディンガーの猫のモデルように、「生きている」と「死んでいる」
が重なった状態。(このモデルは、箱の中に猫がいて、その箱に50%の確立で毒ガスが
注入されるとき、箱の中の猫は生きているか死んでいるかの2つの状態があるというもの。)
(yahooニュースより)
(リコーより)
ここで、手元にある会報の随想『量子力学百年に秘められていること』(佐藤文隆氏、
京都大学名誉教授)に、当初この(ボーアらの)理論にアインシュタインが「疑念」を
出していた下りが面白く述べられています。
当初はこれらの理論が明確でなく、ボーアらが提起する理論にアインシュタインは
「疑念」を呈し、長い間この理論的な問題は解決されないまま、どんどんと現実的には
開発が進められ、あの原子爆弾の開発やその後のトランジスターやレーザーの半導体
産業を基本に飛躍的な発展を遂げ社会経済生活に大きな変化をもたらしてきているのです。
アインシュタインの「疑念」は、後に判明する「量子もつれ」であったのです。つまり、
量子の持つ性質「量子もつれ」は、どれだけ遠く離れていても「双子のテレパシー」よろ
しく、相手の情報が瞬時にして特定する(こちらと反対の事象)のは、この両者に情報の
伝達があったと解釈すれば、それは光速を超えることにもなり、一般相対性理論に反する
・・というものです。
しかし、この考えは後に実験により否定されるのです。双子のテレパシーは、一方
から情報が伝達されているのではなく、そのような性質であるためだと判明するのです。
物理学などの世界では、常に理論が解明され唯一の解のもとに発展し続けて来た世界で
あるのに、「疑念」が解明されないまま、『黙って計算しろ』で、次々と大きな技術の
進展があったことに現実的な姿を見る思いがするということなんですね。
今日これらの疑念が解明され、更に新しい技術、つまりその特徴を利用した「量子
コンピューター」や「量子テレポーテーション」,「量子暗号通信」など,最先端の技術に
発展し続けているのです。
物質、我々人間も含めてすべて、これらの量子で構成されている‥といわれても、
私の頭ではストンと落ちないのですが、その根本の量子に、このような「量子もつれ」
「重ね合わせ」などの性質があるとは、さらに驚きですよね。
現代では、物理系の世界では、量子力学は最早一般科目として扱われておりその昔の
「黙って計算しろ」ではなく、理論を解明しながらさらに深いところに進んでいるの
ですね。なんだか、SFの世界のようにも思えてきます。
(十分理解していないままの記事投稿で、甚だご迷惑かと思いますが、平にご容赦を
お願いするばかりです。)
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