先日、諏訪大社のお祭り、「御柱祭」に参加するということで、前日に蓼科浪漫倶楽部メンバーらが
集まった折、K邸での夕食の団欒で、昆布の話題が出て、突然昔の話に飛んで、そういえば昔、
”おため” 用に昆布をたくさん用意していたことがあった・・などの話が出ていたことをフト思いだし
ました。 そういえば、子供の頃に“おため”とか“おため返し”、“おため紙”などの言葉を聞いた
ことがありました。 何か、いただき物をした時に、届けて下さった人にその場でお礼として、簡単なものを
半紙か何かに包んで手渡していたようでした。 もともとは、結婚や結納でお祝いをいただいたときに、
その場で“夫婦紙”をお礼に渡していましたね。
おため(例)
(水引館HPより)
そんなことから、ここで、ネット調べで、キチット どういうものであったのかを見てみたくなりました。
weblio には、京阪地方で、使いの者に与える褒美。また、贈り物に対するお返し。と出ていましたが、
これだと少しニュアンスが出ませんので、もう少しネットを繰ってみました。
おため(お多芽)とは、結納、結婚祝いのお返しとあり、贈り物をいただいたとき、半紙に添えて
結納金、お祝の1割の金額を入れてお返しするもので「おうつり」とも言うとありました。
また、結婚祝いの時のお返しは特に「夫婦紙(めおとがみ)」といって、紙を抱き合わせて折ったものを
使います。 ま、大体このような解説ですが、その昔、京都あたりでは、交通費の意味から、誰からお祝
(贈り物)を頂いても、1割のお金を入れたり、 大阪では、丁稚さんのお駄賃と言う意味合いからで
あったそうですが、この他、何も1割にこだわることは無く、お返しに半紙(懐紙)の中に、砂糖や
ぽち袋など、最近では一筆箋、箸などを入れたりするようです。 で、この話が出た、蓼科の団欒では、
おために“昆布”を入れた・・ということなんですね。 まぁ、ちょっとした心遣いというか温かみのある
文化(風習)ですね。
ネットには、“お多芽の由来”がありました。
「昔は、お重箱にお菓子などを入れ、これを贈り物(御祝など)として頂いた際に、 『このお重箱を
きれいに洗ってお返しします。』という意味を込めて、 このお重箱に真っ白の紙である半紙などを入れて
お返ししていました。この「真っ白な紙」と言うのが、重要なポイントになります。
このようなところから、贈り物を頂くと、半紙や懐紙などをお多芽紙としてお返しするようになりました。
また、昔は、丁稚さんがこの贈り物を持って、ご主人様の御供をしたので、丁稚さんにお駄賃を渡して
いました。 このようなところから、半紙などのお多芽紙と共に、1割のお金をお返しするようになったの
です。そのため、この1割のお金には交通費的な意味合いもあります。」
また、「半紙という語源は小形の杉原紙を半分に切ったところから、半紙といわれるようになったようです。
この杉原紙とは、鎌倉時代以降、播磨国杉原谷村(兵庫県加美町)で漉かれた紙なので、杉原紙、
すぎはら、などと呼ばれています。奉書紙風でやや薄く、武家の公用に用いられ、また贈答品ともされて
いました。このような事から、お多芽に使われるようになったようです。」 とありました。 なるほど・・。
しかし、京阪あたりの風習だそうですから、全国的ではない? のかもしれませんが、 ネットには、
この“おため” の通販が各社から出ていました。
ついでに、“おためごかし”という言葉がありますが、これは、上とはまたく違っています。
「おためごかし(御為倒し)とは、あなたの“ため(為)”です などといいながら、結局はその 人を
“こかす(倒す)”こと つまり転ばせること、だますこと、という意味で、 要するに、 表向きは
相手のためであるかのように見せかけて、実際は自分の利益をはかることを いう。」 とあり、
こちらは嫌な言葉ですね。
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