蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

アート  (bon)

2022-10-07 | 日々雑感、散策、旅行

 昨日は、一昨日からの雨が続いて今朝も小雨が降ったりやんだり・・。気温は
ぐっと下がって、今朝なども長袖を着ても肌寒いくらいでした。気温の急変につ
いて行くのも大変です。

 芸術の秋・・などの流れから本題を取上げたのではなく、たまたま新聞(読売
新聞10/5朝刊文化欄)に対談記事がありましたので、ちょっと誘発された感じで
思いを巡らしてみました。 

 対談は、高階秀爾氏(大原美術館館長、日本芸術院院長、90歳)と末永幸歩氏
(『13歳からのアート思考』著者、武蔵野美術大学卒、東京学芸大学大学院修了)
による『アートにふれる意味とは』について、それぞれの思いが述べられていま
した。

          (ネット画像より)

 アート(art)は、芸術と訳され、私などは芸術(アート)といえば、もっぱら
美術(絵画、彫刻、書画)や音楽などが浮かんできますが、舞台芸術、映像芸術
もそうですね。  いつものウイキペディアには、『表現者あるいは表現物と、
鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活
動を表す。 文芸(言語芸術)、美術(造形芸術)、音楽(音響芸術)、演劇・
映画(総合芸術)などが、芸術の諸分野である。』とかなり広い意味付けである
ようです。
 『表現者あるいは表現物と鑑賞者が相互に作用しあう』つまりは、その作品な
どを見て、感動するというか心に何かを感じるということなんですね。 よく、
“絵画などを見てもわからない”とか“全然理解できない”などと、はなから否
定される人を見かけますが、それって、当を得ていないのですね。 わかるとか、
理解するということではなく、どう感じるか? なんですよね。“何も感じない”
人は論外なんです。

 対談で、高階氏は『中国には昔から,六芸(りくげい)を備えるという考え方
があり、礼儀作法の礼、音楽や舞踏の楽、武芸の射、御、文学の書、計算の数な
どがありますがそれらすべてがアートだと思います。』『自然科学とアートは同
じものに対する見方の違いです。』

 虹の例を挙げて、空気中の水滴に光が当たって屈折していると自然科学では考
えますが、虹を見て心が躍るのがアートだと。 末永氏も、自然科学では地動説
が出てくると天動説は意味を失い答えは縦方向に一つに絞られますが、アートの
世界では答えは横に広がって行きます。

 モネの「睡蓮」を観た4歳の男の子が、「カエルがいる」といったそうですが、
絵には蛙は描かれていないですね。そこにカエルがいるように感じたのですね。
表現の力、イマジネーションの世界ですね。アートは心とものの両方にかかわっ
ていて、その歴史や背景、そして作家がどのように表現しているかなど、作者の
人間性までも洞察しうる力があるといえるのではないかと・・。
 『アートは人間の生き方であって、さらに言えば生きる喜びを与えてくれるの
ではないか』 高階氏は、このように結んでいました。

                

 芸術=アートですが、アートという方が、何となく軽い感じでより身近に感じて
います。これは日本だけの感覚かもしれませんが、アートとつく言葉にはたくさ
んあり、ネールアート、ラテアート、田んぼアートなどもあります。

       田んぼアート
          (田田舎村 ネット画像より)

 因みに、英和大辞典(岩波書店、1970年)の「art」を見てみました。その内容
にはたくさんありました。①芸術、(とくに)美術 ②技(わざ)芸 ③技術、
技芸、要領 ④(複数)学術 ⑤人為、人工 ⑥技巧、わざとらしさ、不自然 
⑦(複数)術策、手管 ⑧腕前 ⑨挿絵

「artificial」では、①人為的な、人工の ②不自然な、気取った ・・
「artist」では、①芸術家、美術家 ②名人、達人、名匠 ・・・

                

 これらから、アートというのは、人間が何がしか手を加えて作り上げたもの 
という意味合いがありそうです。 美術、音楽、建築、映画、デザインなどなど
すべてそうなんですね。
 そこに人間の創作時の思い、感情、狙い、意味などなどを注入して仕上げたも
のなんですね。

 最近では、AI(Artificial Intelligence)=人工知能  Artificial grass 
人工芝  Artificial satellite 人工衛星 などはお馴染みですね。また、音楽
家、歌手などもアーティスと呼んでいますが、アーティストの中のミュージシャン
の意味のようですね。

 このような事柄を詮索するよりも、静かにアートを鑑賞する時季なんですね。

             

 

バッハ「G線上のアリア」 Bach "Air on G String"

 

 

 


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