胡弓と三味線が奏でる 何とも哀調に満ちた調べに、しっとりと、しかし底に力強いものを
感じる優美な踊りとともに夜通し坂の街を練り歩く・・いつまでも心に残るお祭りです。
毎年、9月1~3日のお祭りで、8月下旬あたりからその前夜祭がおこなわれ、本番を盛り上げ
るのですね。 言葉ではなかなかこの雰囲気を伝えることは難しいので、文末のu-tube画像で
味わってみてください。
越中おわら風の盆
(ネット画像より)
富山県八尾(やつお)町に伝わる民謡行事で、300年も続いているという。 二百十日の風
封じを行い、五穀豊穣を願った農作業の所作を取り入れた踊りで 男踊りと女踊りに分けられ
ています。 この時期、八尾町は“おわら風の盆”一色に包まれ、観光客で賑わうほか、
地元のみんなもお祭りムードに溶け込み、前夜祭から練習を重ねたり,街中が音色と歌の響き
が流れています。 もう30年も前になりますが、北陸勤務時代に地元の知り合いに誘われて
“にわか参加”でしたが、とても印象深い想い出が残っています。 数年前に、東京の知り
合いが、1泊2日の“おわら風の盆”バスツアーで行かれた話を後日聞いたところ、私が当時
感じた印象とは似ても似つかない“素っ気ない”ものだったようでした。バスは、現地から
かなり離れたところの宿を起点として、送迎の形であったとのことでしたが、そのために、
そそくさと時間を気にした見物するにとどまり、確かに胡弓と三味線の音色、とてつもなく
高い音で歌う唄、踊りは見たことは見たが、人ごみの中、慌ただしい見学では、情緒も何も
感じられなかった。おまけに費用が数万円も、だったとかで、あまり良い印象が得られなかった
そうです。 阿波踊りや鳴子踊りのような賑やかな祭、ねぶたや竿灯のような出し物もなく、
静かな哀調漂うお祭りは、観光で“ちょっと見”では味わえない部分があるのですね。
1987年に出版された、「風の盆恋歌」(高橋治、新潮文庫)で、ここ八尾町が舞台となった
大人の恋物語を通じて一気に全国的に知られるようになったとか。石川さゆりが歌う同名の
演歌もありましたね。
新潮文庫
話は、急に無粋な方向になってしまいますが、当時、この祭りに参加した私の印象から、
たまたま電話を通じて録音された音楽やメッセージを聴く“テレホンサービス”というのが
あったのですが、その音源に、ライブの演奏、この時は、各町内が次々と披露する、
“舞台踊り”の音楽部分のライブを、このテレホンサービスの音源に取り込んで、実際に
サービスしたところ、いろいろな反響がありました。 この祭りに参加したことが無い人は、
“あまりグッと来ない、というか殆ど興味がわかなかった”との印象でしたが、かって、
この祭りを知っている人からは、“大変良い、懐かしい想い出を聞かれて良かった。”との
反応で、まずまず成功・・と思っていましたら、“中でも良かったのは、踊りの合間に
「迷子」の放送が入り、何とも臨場感がありました。”という下りで、喜んでよいのやら・・
複雑な思いでした。この、ご意見を下さったのは、茨城県のかたでした。
当ブログに、5年前の2011.9.1記事に「越中おわら風の盆」として記事アップしていました。
この時も、記事から台風12号が接近していたのです。そして、その記事のmakのコメントに、
天声人語から引用された、“新首相誕生とともに震災後の『特別な夏』が行く”とありましたが、
これは管直人首相のことなんですね。
もう一つ・・(6:30~男踊り、9:47~女踊り)
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