物価が高騰している、事件のニュースはなくならない、長引くウクライナ、食糧
問題に発展、参院選挙態勢・・毎日多くの緊張すべき事案をよそ眼に、傘寿を過ぎた
もうろくした頭で、特に重要でも急ぐことでもない事柄に明け暮れている‥そんな
老人の暇つぶし?で申し訳ありません。
いえね、少し前から、フト、「先」と「後」という言葉について、混乱している
というか、不思議だなぁと思っていたのです。 少し前には、『前』というのもそう
だったんですが、いずれにしても「先」と「後」というのが、どうもこんがらがっ
てきたのです。
(ネット画像より)
辞書を見ると・・、
先は、『①位置的に前のほう。「先頭」「先陣」 ②時間的に早いほう。以前。む
かし。「先日」「先代」 ③さきだつ。さきにする。さきんじる。「先着」「先駆」
「優先」』とあります。
後は、『 ①(空間)うしろ。背の方向。②(時間)あと。のち。未来。晩い位置。』
とあります。
空間的、位置的な意味では、先頭、最後尾など位置的に最も先、一番後ろを指し
ていますから明白なんですが、「先を見て進め」「後ろを振り返るな」となると、
位置的には「前を向いて」、「後ろを向くな」ということですが、これが、何だか
「未来を見て」「過去を振り返るな」のような意味に取られることがあるのではな
いかと思うのです。 つまり、辞書には、「先」は時間的に早い方で以前、過去を
あらわしていて、「後」は、時間の後の方、未来を表すとあり、全く逆に捉えられ
るのではないかと。
また、「そんな先のことまで分からないよ」「この先、幸せが待っている」「先
物取引」「先行きが心配だ」なども未来のことを指していると思いますし、「食後
に映画を観た」「彼は卒業後、渡米した」「後になって分かったことに」などは、
意味的には過去のことを指しているとおもいます。
先を読む
(ネット画像より)
もちろん、「先月の指数は」「先日は失礼しました」は過去で、「後日お伺いし
ます」「ワクチン接種はもう少し後にします」などは未来を指しています。これら
は辞書通りの意味ですね。
「そんな先のことまで分からない」や「この先、幸せが・・」などは、ひょっと
して、空間的(位置的)な感覚の「先の方」「先端」を時間軸の先の方、つまり未来
の意味として無意識のうちに理解してしまていることから生起しているのかもしれ
ない・・などと思ったり。
「前」についてもそうでした。「前からわかっていた」「前にもそんなことがあ
った」「前回と同じ」は、過去を指していますし、「前評判からすれば」「前途洋々」
などは未来的なニュアンスのことを言っているように思います。
「前」は位置的(空間的)にもややこしい意味があると、金田一先生も仰ってい
ましたね。つまり、「彼は机の前に立っている」といった場合に、机の手前に立っ
ているか、机の向こう側に立っているか位置関係がはっきりしないというのですね。
(ネット画像より)
もう一つ、「今」というのも、面白いところがあります。「今」は現在、現時点
という意味ですが、「今度」 といえば未来のことですし、「今しがた」 といえ
ば過去を指し、「今年」といえば、今年1月から12月までを指していますね。
どうでもいいことをくどくどと、書き並べてしまいました。
(ネット画像より)
Louis Armstrong Benny Goodman Danny Kaye Laurindo de Almeida Nestor Amaral in A SONG IS BORN 2