先日のテレビ番組のゲストに歌手の小林幸子が出演していて、その中で、『わたし、
永遠の声を得たの~』というくだりがあり、すぐに「ボーカロイド」であると説明され
ていました。
かって、初音ミク が歌っているのを知っていたので、“もしかして、アレかな?”と
思って調べてみることにしました。
ウイキペディアに詳細な記述がありましたが、ここでは、簡単に紹介程度に整理して
みたいと思います。
ボーカロイド(VOCAOID)は、ヤマハが開発した音声合成技術の名称で、略してボカロ
ともいうそうですが、どちらもヤマハの登録商標だとありました。
メロディーと歌詞を入力することでサンプリングされた人の声を元にした歌声を合成
することができるというソフトです。 その歌声合成技術は「素片連結型」と呼ばれる
人の歌声の録音から切り出した 歌声の素片を、周波数ドメイン(領域)で接続、加工
することで歌声を合成するというものだそうです。
合成の際、強弱やビブラート・息つぎなどの表情の情報を加えることでリアルな歌声
が作られ「周波数ドメイン歌唱アーティキュレーション接続法(Frequency-domain
Singing Articulation Splicing and Shaping)」というのだそうです。
この技術が、その人らしい声の特徴や微妙な節回しなど“声の表情”が得られるとい
うのです。 難しいけど、そうなんですね。
そういえば、かなり昔の話ですが、カラオケなどで、マイクで歌う時に、“美空ひば
り”を選択して、自分が歌うと、ひばりの声で歌っているようになる・・ そんな話を
していたことがありましたが、これとはちょっと違いますが、ボーカロイドに取り込ん
でおけば、本人が歌えなくなっても、メロディーと歌詞を入力すれば、永遠に本人に成
りすました歌声が作り出されるということなんですね。
2000年にヤマハとスペインの大学とで開発をはじめ、2003年にVOCALOIDの発表が行われ、
翌年には、パソコン向けパッケージソフトが発売されたとあります。これ以降日本でも、
声優、俳優、歌手などいろんな人の音源対応の製品が発売されているそうです。
初音ミクは、2007年に発売され、その後もネット上を中心にVOCALOIDをメインボーカル
に起用した楽曲が数多く発表されるようになり、人気楽曲も現れるなど、一つの楽曲文化
が形成されつつあるようです。
初音ミク
(ネット画像より)
こんな風に考えてみると、すでにこの世に存在しない人の、録音があれば、それから
音源を作り出せるわけですから、いやはや、何が何だか分からなくなる時代になるかも
しれませんね。
冒頭の小林幸子は、「Sachiko」の名で、2015年に発表されていました。いくつかの
曲がありましたから、再生してみますと、確かに本人の声ですが、どこかちょっと違っ
たような部分も感じられました。 末尾には、天城越えを歌ったボーカロイドを張り
付けておきました。
最近、アプリソフトの広告に、パソコン入力したスクリプトを、5つの音源から選択
できて、発声させるというソフトが、2000円くらいで出ていました。 “関西なまり
も可能”などもありました。 自作の映像作品などにナレーションを付けるなどには
便利かもしれません。