蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

はけ  (bon)

2015-12-01 | 日々雑感、散策、旅行

 今日から12月に入りました。 今年も、カレンダーはこの1枚を残すのみとなり、ひと月後は、
もう年が改まる・・1年が、本当に早く感じますね。

 風もなく、暖かく感じられた昨日(11/30)は、ランチの会で、友人の案内で、掲題“はけ”を
散策しました。 JR武蔵小金井駅に集合して、早めのランチを済ませ、最初の目的場所「滄浪泉園」に
向かいました。

 気になる、「はけ」というのは、“古代多摩川が、次第に南西に移って行った途中で作った古い段丘の
一つに位置しており、この斜面を地形学上『国分寺崖線』とよばれ、立川市の北東から世田谷区の
野毛町まで続く”(滄浪泉園案内書より)一連の地形をいうのですね。 JR中央線にほぼ平行に、
急な傾斜が続き、それが終るあたりに1級河川「野川」が流れていました。
 「はけ」の地形では、あちらこちらに湧水があり、これを利用した庭園や、神社境内の池となったり、
さまざまに風情を変えて今に残っているのです。 ウイキペディアには、「丘陵・山地の片岸を指す
日本の地形名、日本の古語、現在の方言であり、その地形を持つ日本の地名の読みである。
国分寺崖線や立川崖線など武蔵野台地の崖線を解説する際によく聞かれる」とあり、また、
「大岡昌平が1950年(昭和25年)に発表した小説『武蔵野夫人』は、国分寺崖線周辺を舞台とした
恋愛小説であり、主人公は「はけの家」に住み、小説の書き出しは「はけ」に関する解説から始まる」
とありました。

 で、滄浪泉園は、その特徴的な地形である「はけ」とその湧水を巧みに取り入れた庭園で、
明治期に三井銀行役員などを歴任した波多野氏が、別荘として利用していたところであり、
この庭に遊んだ犬養毅首相が命名したとあり、門標の文字は氏の自筆であるという。

             
       滄浪泉園入口                
                  


 園内すぐ                            池の風情  
                

  庭園を出て、国分寺方向に少し戻ったところに、「貫井神社」がやはりハケ(斜面)に、
堂々と鎮座していました。人気はありませんでしたが、社の周りは、小さな流れが取り巻いていて、
きれいな水がキラキラと反射していました。ここにも池があり、たくさんの鯉が泳いでいました。

  神社                  紅葉
   

 

 傾斜を下って、野川沿いに逆方向に歩きました。 月曜日のお昼すぎとあり、あたりは静かな
住宅地で、のんびりとしてとても都会の真ん中とは思えない風景でした。どちらかといえば小さな川が
街の中を静かに流れ、時折、犬の散歩に来た人影を見る程度で、川原のススキは既に尾花が白く
ふやけたようになって群生していました。 晩秋の静かなお昼すぎでした。

          1級河川 のがわ
            

 

 しばらく川沿いに歩いていると、左側に、その昔、自動車運転免許証取得のために通った
「小金井自動車運転教習所」がありました。もう50年近くも前のことが急に思い出されてきました。 
ここを過ぎ、さらに先の「はけの森美術館」とその森の中にあるカフェショップを目指しました。 
目的地近くに、「はけの小路」という、ほぼ50mほどの、溝のような川に沿った小路がありました。
ここも、お目当ての一つでしたが、うっかりすると通り過ぎてしまいそうな小さなスポットでした。

 はけの小路                小路にそって・・
   

 

 ほどよい疲れを感じ始めていましたので、カフェで一休み・・と思い、近づいてみると、
あれ、今日月曜日は休館日とあり、美術館園内の森にあるカフェもお休みだったのです。美術館は、
あの「串田孫一」展をやっているようでした。  ようやくたどり着いた、カフェがお休みであり、
辺りにはそれらしいお店などは皆無でしたから、そのまま、ふり出しの武蔵小金井駅まで戻り、
やっと腰を下ろし、今日の行動を振り返ったり、はけについてひと談義をしながら、夕方前にお開き
となりました。

 駅前道路などは、多くの車が行き交い、慌ただしい光景を呈していましたが、これに反して、
我々の行動はまるで旅行者のように、これらと無関係な遊離した存在としてそこにあったのでした。

        JR武蔵小金井駅前
           
 

 

 

 

 

 

 

 

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