goo blog サービス終了のお知らせ 

ラグランジュ・ポイント

日記帳です。トップページからは写真も見られます。全て私個人の見解で、所属団体の立場・戦略・意見ではありません。

まんが

2017-06-18 22:21:47 | まんが・アニメ

超改造!!病的ビフォーアフター(同人誌)

正直、グッバイキッソシリーズの方が好き。
やはり僕は、どうも東方漫画には感情移入できない。
今回主役はどうやら にとりのようで、
ドヤ顔のコマは可愛かった。
表紙はグッドデザイン賞。

暁星記

風の谷のナウシカと似た展開。
世界設定はよく練られているが、ストーリーは
若干薄味。風呂敷をただ広げるだけじゃなくて
一つ一つのエピソードをもっと掘り下げたら
良かったんじゃないかと感じた。

カメレオンのようにジッとしてたら土日が終わってしまった。
最近毎週こんな調子だ。


レストー夫人

2017-06-16 23:45:26 | まんが・アニメ

三島芳治、単行本出してたんや。
てっきりコミティアでしか発表しない人かと思ってた。

心地よい読後感。静かで豊かな余韻を楽しんでる。
本作を明確に言葉で説明するのは難しい。一見すると
思春期の少年少女の自意識を描いただけの群像劇に
見えるが、人間の内なる精神世界の果てしなさ、宇宙のような
茫洋さを捉えた傑作だと思う。まだ精神が凝り固まっていない
少年時代だからこそ触れられる領域。

今年読んだ中では、屈指の良さ。

ところで、本作が連載していたアオハルという雑誌、
かなり冒険的だったのだと思う。ほとんど同人誌っぽい。
事実上廃刊してしまったようだが、近頃の何でもござれの漫画界ならば
ひょっとすると受け入れられるのでは。世に出るのが早過ぎた感。
こういう雑誌こそ漫画図書館とかで読みたいなあ。


百日紅~Miss HOKUSAI~

2017-06-16 21:55:53 | まんが・アニメ

葛飾北斎とその娘の話。
Production I.G作品なので
文句なしに美麗な絵だが、画風と話が
全くかみ合ってない。明るく抜けきった色調の絵
からは表情を何も感じ取ることができず、表面的だった。
これといったストーリーもなく、断片的なシーンを
ただ並べていっただけという印象。

おそらく、江戸っ子的なこざっぱりした気性の若い女が
天性の鋭い感覚をもって、市井の侘しさなどの中に様々な美を見出す
という筋書きだと思うが、もうちょっと何とかならなかったのかなと思う。
あまりに淡々とし過ぎていた。もっと良く作ることもできたはず。
惜しい気がした。


ツバキ文具店 その2

2017-05-29 20:53:50 | まんが・アニメ

一見すると愛想のよい人間達も
それぞれに闇を抱えていて、
愛憎入り混じった感情と共に
二人三脚で生きていく。

普通、人間は感情を殺して
理性だけで生きられるものではないから
その気持ちはよく分かる。
それは自己矛盾となり、さらに自らを苦しめることに
なるけれども、仕方なしとして暮らすより他ない。

こういうテーマに真正面から立ち向かう作品は案外少ない。
地味だし、はっきり分かり易く物語を着地させるのが難しいからである。

人間からにじみ出る出汁のようなものを調理せんとした本作は
素晴らしいと思う。
絶対面白いから、腕のある作家に漫画化してもらいたい。


戦中派不戦日記

2017-05-28 14:40:03 | まんが・アニメ

不戦とあるが、出征しなかっただけで筆者は
むしろ強烈な愛国青年である。
戦中とはいえ、人々の心中までは統制されておらず、
各々が比較的自由にものを考えていたことがうかがえる。
市民が普通に戦中戦後を生き抜くという事それ自体が
大抵の小説よりもドラマチックに感じられた。
物質的には未曾有の困窮時代だったはずだが、
波乱万丈の日常を誰もが送っていたことを考えると
退屈しない人生という意味においては、案外悪くないもの
だったんじゃないかと思われた。(後になって振り返れば)
誰もが、死と隣り合わせの生を実感していた時代だったようだ。

本作で、一般市民の目線から戦中戦後を観察した作品に
初めて触れたと思う。この時代の事は表面的には誰しも習うけれど、
その本音の所は不明な点が多く、発見が多かった。
人間はたくましい。

それから、敗戦により日本人の精神的なところ、プライドは
徹底的に打ち砕かれて、それは70年以上経った今でも、
外交的な弱腰姿勢などにはっきり残っていることを確信した。


Radio Lady

2017-05-11 20:55:51 | まんが・アニメ

前から気にはなっていて、
試しにコミックス買ってみた。

薄いし、加筆無しやし、書き下ろしも
皆無に近かったけど、やはり作品としては
面白い。

special thanks欄で気づいたけど、
「リスナーのお便り」というネタ、
フィクションではなく、本当にこのWEB漫画の
サイトに寄せられたメッセージを元に
漫画描いてるんだなと。
お題箱の発想に近い。

そもそも、この漫画の発行者がレコード会社の
ポニーキャニオンだし、なかなか実験的な
作品で、その点も興味深い。


正解するカド

2017-05-07 20:38:28 | まんが・アニメ

やはり野崎まど作品は一味違う。
野崎作品の登場人物は皆、何かこう個人の意思で動いていない
ような所があって、それが独特の味を醸し出してる。
個人の主義主張を超えて、人類代表の一人として
振舞っている、というか。

個人としての自分を殺しつつも、決して悲観的に
ならず、まっすぐな眼差しで物事を見つめるような、
そういう作風なのだと思う。

カドは展開遅いし、1クールでどう落とすか、結末次第な
所あるけど、少なくとも野崎まどの空気はとても良いと思う。


響 ~小説家になる方法~

2017-04-18 22:49:23 | まんが・アニメ

柳本光晴節全開。勧善懲悪な話。
日本人こういう明快な主人公像好きそう。
これがウケるなら、「女の子が死ぬ話」も
ついでに売れて欲しい。
この人の作品のキャラクターは、どうも性格と行動の間に
ちぐはぐさがうかがえる。慣れていない役者による演目
を見てるみたいというか。

持ち味の一つである、死を最上の美と崇めるセンスは、
それはそれで成立してはいるけど、やっぱり現実の人間というのは
もっと複雑で綺麗なもんじゃないから、そういった辺りが感じ取れると
一層物語に深みが出そう。

天才小説家を描いたストーリーやけど
肝心の小説部分には一切触れないという構成を取るならば、
キャラクターの性格をより一層掘り下げる必要がある。
破天荒な若き天才という設定は分かったけど、それをどう
描写するかが物語なんじゃないのか。

絵も下手な方やと思うし、この人独力では自ずから限界があるのかも
しれん。いっそ、原作者に専念して、構成力のある
作画担当とコンビ組んだら、もっと面白いもんできるかも。

4巻以降、一気にエンターテイメント作品臭が強くなってきた。
ゴールデンタイムにぼーっと観る2時間ドラマみたい。
これ面白いなあとは思うけど、観終わった後には綺麗に
内容忘れてしまっているような感じの。

柳本さんは、小説で言うなら純文学みたいなスタンスの作風やと
思うし、エンタメ作品を描くのはちょっと違うような気がする。


青い花

2017-04-02 21:57:33 | まんが・アニメ

アニメ版は見た事あったけど、原作ちゃんと読んだことなかった。
やはり志村貴子は少女漫画家だとあらためて感じた。
恋愛を中心に人生が回っているという作品世界は
少女漫画ならではであり、独特のもんがある。
行動・しぐさの一挙一動から、相手の心理を無限に慮る。
そういう風に振舞えるというのは、少女達が学校と家庭という
保証された身分の中に居るからこそであり、多くの場合
人生において限られた期間だけの夢物語のようなものだ。

考えてみれば、恋愛は、余暇があるから生まれるもので、
そのような世界は理想的な平和郷なのかもしれない。

とうとうと月日は流れ、花の高校生活は呆気なく終わりを迎える。
卒業式のシーンの清々しさは、まさに青い花の世界そのものだった。
凛とした美しさと強さを感じた。
全体的に、思春期の子供の話にしては、理性的過ぎるような印象を
受けたが、それが作品全体の美意識を高めているようでもあった。

百合は、フィクションの中にあってこそ映えるというか、
一種、理念的な愛情の形なのだと思う。


春と盆暗

2017-03-31 23:25:56 | まんが・アニメ

http://www.moae.jp/comic/harutobonkura/1?_ga=1.5883955.1429153015.1440416863

初連載作だそうだ。
紛れも無く天才なのは認めるが、
大々的にヒットするような作風では決してない。

集団の中で浮いてしまう、不思議ちゃん達による
一風変わったラブコメ、というジャンルだと思われる。

主人公は皆、一見脈略が無いような間接的な方法でしか
自らの感情を表現できないというもどかしさを抱いており、
しかしそれこそが個性やその人らしさなんだという事に
気づかされる、という建て付け。

学校や職場の中で、その日常に埋没しているように見えて、
実は20億光年の孤独を感じて生きているというような設定は、
真新しさこそ無いものの、普遍的なテーマである。

この種の変人、奇人にスポットを当てた漫画作品は
あまり例が無いように思う。
後々まで残したいと思える作品なのは確かだ。
しかし買って、自分の本棚に置いておきたいかと言われると
必ずしもそうは思わないという、本作は風変わりな魅力を持っている。

ところで、変人というのは、周囲とものの見方が違うから変人
なのであるが、今の時代、ネットに当たれば、ほとんどいかなる
趣味・趣向の人であっても、同好の士を見つけることができる。
本作のように、偶然の出会いに頼らずとも、その種の悩みであれば
解決できてしまう。考えてみれば、凄い世の中になったものだ。


金剛寺さんは面倒臭い

2017-03-29 21:09:39 | まんが・アニメ

http://leedcafe.com/webcomic/exmanga014a/

安定の、とよ田みのる節。
氏の、思春期少年少女を切り取る
手腕は鮮やか。拙い絵柄と
未完全な子供の様がよくマッチしてる。
氏の作品はいつも、キャラクター同士の
心の距離感を意識した作りになっている。

今日は体調が悪くダウンしていた。
朝方、寒気と頭痛と少しの吐き気で目が覚めた。
かぜだろう。体がだるい。
会社に行かず、部屋でゆっくり、けものフレンズを観ている。
職場の飲み会も欠席した。
結果的に、ちょうどよいタイミングで休暇が取れてよかった。


木根さんの1人でキネマ

2017-03-21 22:40:34 | まんが・アニメ

第7話のジブリ話には笑った。作者が楽しんで描いている作品は
読み手にも伝わってくる。

ぶっちゃけ、作品自体のクオリティは大したことないが、作者氏が、
「好みなんて人それぞれと言ってしまえばそれまで。人と違う意見を
ぶつけ合うことが映画を語るということだと思う。『仲良くけんかしよう』が
裏にあるテーマ」
と書いていたのが印象的だった。

オタク的座右の銘と言えるかもしれない。
大変良い。


小学館新人コミック大賞

2017-03-19 23:36:35 | まんが・アニメ

『はくし病』
可愛らしい絵柄でグロをやるというギャップは良いが
救いがなさすぎる。作者のサディズムのようなものを感じる。
投稿時点で、画力もストーリーもプロ級だと思うが、
こういう人も平然と混じっているのが同人界隈の面白いところ。

『鉄壁女子』

オーソドックスな話ながら、絵も構成も上手い。
青春ラブコメとして普通にどっかの雑誌に載ってそう。
作者、これが描けるなら、他のテーマでも汎用的に
高レベルな作品が作れそうな気がする。

『宇宙人吉田の背徳儀礼』

一応SFというくくりにはなりそうだが、シモネタ要素の強いラブコメ。
週間少年誌に載せるようなライトな作風ながら、心の機微を
なかなか巧みに描き出している。

『雨男晴れ女』
投稿作品、ラブコメ多いな。王道ながら描きやすいのか。
僕が単にラブコメ好きなだけか。選者もコメントしてるけど、
確かに心がほんわかする。あんまり人生過酷な目に遭ってない作者
だけが描くことのできる性善説に立った優しい世界。
そういう漫画家が一定数は居るべきだと思う。
てか作者、東大文学部卒か。天は何物も与えるんやなあ。
連載作品、軒並み面白い。天才と呼ぶのは違うと思うし、
アホみたいに何でも器用にできる超人なのかな。何なんだこの人は。

『ハッピーニューイヤー』
良い。コンパクトかつ澱みなくストーリーが纏まっており、
他愛無いような会話にもスパイスが効いている。
化粧と素顔、本音と建前、低賃金のバイトと売春、
鋭い二項対立が人生の本質を炙り出している。

『ミサキ』
自らをも騙す多重人格っていう設定はありきたりだと思うが、
淡々としていながら、ウィットのあるやりとり、非情なラストシーンなど、
ウチヤマユージっぽさが見られて好き。あっと驚く意外性のある作品は
読んでいて楽しい。

あと、山本崇一郎の投稿作も読めて楽しかった。(駄作だったけど)

ところで、選者である漫画家の先生方、優秀作であっても
けっこう「佳作」としか取り上げてないし、漫画が描けることと
漫画批評が出来ることはあまり関係ないのだなあと。
出版社の予算の都合かもしれんけど、明らかに他より抜きん出ているのに
佳作という率が高すぎる。大勢に売れる商品としての価値と
作品の面白さは必ずしも一致しない、という事かもしれんけど。