敵味方をはっきり線引きすることなく、主義主張の違う相手とも
うまく利用、協力してやっていくという所が戦国時代のようだと感じた。
作者の故郷北海道は、銀の匙でも描かれていた通り、自然環境が厳しく、
各々が最大限に働き努力し、かつ他人の力も借りなければ生存が難しい
という土地柄である。当然、そりの合わない他人ともうまく工夫して
やっていく事が求められる。
嘘と本音を巧みに使い分けて、他人の協力を仰ぎ難題に立ち向かっていく。
こういう描写は少年漫画にしては珍しいと感じた。
本作はSFであるが、作者の最も描きたかったものは、そのような
様々に異なる人間の生き様、群像劇だったのだろうと思う。
キャラクター達は、割合多くの名言めいたセリフを残す。
初期ガンダムのようでもある。印象的なセリフのシーンが
漫画をより印象的なものにしている。
14巻末の、ありし日のエルリック家の漫画、超良い。
23巻の家計図を見ると、世界を巻き込んだ壮大な話のようで、
実はエルリック家内の内輪もめなのかよって気づかされて面白かった。