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今週の一枚:「Bill Monroe and Doc Watson」 1993

2008年02月11日 | Fuku-music
【Fuku】

今週の一枚:「Bill Monroe and Doc Watson」 1993

大体、大御所の共演というのは、両雄並び立たずで、どっちかにウエイトが偏ったり、バランスがとれなくて企画倒れに終わったりして、そのせっかくの夢の競演の意味がなくなってしまうってことが多いのですが、ここで紹介するのは、まさに"ブルーグラスの父"と"マウンテンミュージックの若き天才"という二人のレジェンドの夢の競演ですが、両者まったくひけをとらないスリリングでかつ両巨頭の魅力を最大限に発揮したパフォーマンスが聴ける夢の競演盤「Bill Monroe and Doc Watson, live duet recordings 1963-1980 off the record volume2」です。

ビル・モンローとドク・ワトソンについては、もう説明は不要かと思いますが、ブルーグラスという音楽を確立したアメリカ国民の誰もが認める大御所と、北アパラチア地方でオールドタイムミュージックがフツウに歌い聴ける環境に育ち、その音楽をアメリカ国民のみならず後世に伝えるべく超人的なギターピッキングと伝統的な古謡で、NYの都会の若者達を魅了した若き巨人、其の二人ががっぷり四つに組んでデュエットで、数少ないライヴパフォーマンスと私的にレコーディングしたコレクションを収めたのがこの貴重なる名盤です。

最初のトラックの「Foggy Mountain Top」から、最後のジミーカーター大統主催のホワイトハウスでのパーティで演奏された「Paddy on the Turnpike」まで、全く予断を許さない夢の競演。おそらくどれも殆どリハや打ち合わせ無しでアドリヴ満載で演奏されるブルーグラスの珠玉の名曲の数々。リラックスした雰囲気のもあれば、まさに激突するかの如くのマンドリンとギターの緊張感溢れるバトルもありで、まさにブルーグラスとマウンテンミュージックの融合の真髄を聴かせてくれます。

寒い冬の夜に、全盛期のハイトーンヴォイスを聞かせるBill Monroeと、強烈なる早弾きギターの真髄を聴かせるDoc Watson、まさに"両雄並び立っている"素晴らしい競演です。


Live Recordings 1963-1980: Off the Record Volume 2
Bill Monroe and Doc Watson

1 Foggy Mountain Top
2 What Would You Give in Exchange for Your Soul?
3 Watson's Blues
4 Soldier's Joy
5 Where is My Sailor Boy? (What Does the Deep Sea Say?)
6 You Won't Be Satisfied That Way
7 Kentucky Mandolin
8 East Tennessee Blues
9 Midnight on the Stormy Deep
10 Lonesome Moonlight Waltz
11 Banks of the Ohio
12 Fire on the Mountain
13 Chicken Reel
14 Turkey in the Straw
15 Memories of You
16 Have a Feast Here Tonight (Rabbit in a Log)
17 Paddy on the Turnpike

Smithsonian Folkways Recordings - SFW40064 1993