【Fuku】
今週の一枚:「悲しき夏バテ」布谷文夫 1973
私は、個人的にはこの人こそがもろ"元祖"の日本のブルースシンガーだと信じている、日本が誇る孤高のブルースシンガー、布谷文夫氏のソロ名義の代表作、1973年に大滝詠一氏の全面的サポートで発表された「悲しき夏バテ」。
日本でシャウト系のブルースシンガーと言えば、古いところでは、永井"ホトケ"隆、近藤房之助、木村充輝、大御所の上田正樹なんかの名前が挙がりますが、これらの方々の遥か前に、本格的な空前絶後の本家も裸足で逃げ出す強烈なる"超"シャウトでその筋の方々を唸らせたのがこの方。一度聴いたら耳から離れなくなるほど強烈で、その圧倒的な声の存在感は唯一無二。
60年代の終わりのグループサウンズの遺産からキャリアをスタートし、ブルース・クリエイション、DEWを経て、1970年代前半はとにかくそのライヴパフォーマンスの凄さが際立っていた布谷氏が1973年に同郷の大滝詠一氏と組んで、このソロアルバムを発表。アルバムで展開されるアメリカのディープな南部と東北は岩手の南部とを掛け合わせたような超絶なるドロドロのブルースフィーリングが話題になりました。その後は大滝作品では"音頭"担当として、日本発の音頭ブルースシンガーとして「ナイアガラ音頭」をリリース、メディアにも浴衣姿でシルクハットに黒縁丸めがねというぶっ飛んだ風貌で露出し、そのレパートリーの広さ(デイヴ・メイスンからリトル・リチャード、アール・キング、そして三橋美智也まで)にコアなファンを驚かせました。
その後70年代後半からしばらくは音楽から一時期遠ざかり、日本の元祖ブルースシンガーの消息は不明となったのですが、90年代に入って、突如の大復活、地道なライヴ活動は今の細々ではありますが、続けています。病気に悩まされた時期もあったようで、今も体調が万全とは言えないときもあり、声も昔の超シャウトは少し威力が失いましたが、その活動歴の長さにはただただ敬服するばかりです。
日本人の解釈によるアメリカのブルースという視点では、70年代初頭という時期に
これだけの音を作っていたのは、この人がまさにパイオニアでしょう。
よくここでも出てくる春一番コンサートの74年のライブ盤に収録されている「夏バテ」は布谷氏の代表的なパフォーマンスとして後年まで語り継がれています。
寒い夜には、もう冷房が必要なくらいの暑っ苦しい超シャウト、いいですね。
SIDE A
1. 五番街(作詞・作曲:布谷文夫)
2. 冷たい女(作詞:千葉信行/作曲:千葉信行/編曲:多羅尾伴内)
3. 深南部牛追唄(作詞・作曲:多羅尾伴内・銀杏次郎・ジミー蘭越・布谷文夫)
4. 夏バテ(作詞・作曲:多羅尾伴内)
5. 颱風13号(作詞・作曲:多羅尾伴内)
SIDE B
6. ニューオリンズの町へ(作詞・作曲:布谷文夫)
7. ホーボー・ブルース(作詞・作曲:布谷文夫)
8. 街のブルース(作詞・作曲:布谷文夫)
9. 朝めがさめて(作詞・作曲:布谷文夫)
10. 水たまり(作詞・作曲:布谷文夫)
PRODUCED BY 布谷文夫 (1, 3, 6, 7, 8, 9, 10)/多羅尾伴内 (2, 4, 5)
ALL ARRANGEMENT BY 多羅尾伴内・布谷文夫・伊藤銀次
original 1973年11月21日 LP:ポリドール MR-5037
cd re-issued 2003年04月26日 CD: ハガクレ/ユニバーサル ISCP-1167
今週の一枚:「悲しき夏バテ」布谷文夫 1973
私は、個人的にはこの人こそがもろ"元祖"の日本のブルースシンガーだと信じている、日本が誇る孤高のブルースシンガー、布谷文夫氏のソロ名義の代表作、1973年に大滝詠一氏の全面的サポートで発表された「悲しき夏バテ」。
日本でシャウト系のブルースシンガーと言えば、古いところでは、永井"ホトケ"隆、近藤房之助、木村充輝、大御所の上田正樹なんかの名前が挙がりますが、これらの方々の遥か前に、本格的な空前絶後の本家も裸足で逃げ出す強烈なる"超"シャウトでその筋の方々を唸らせたのがこの方。一度聴いたら耳から離れなくなるほど強烈で、その圧倒的な声の存在感は唯一無二。
60年代の終わりのグループサウンズの遺産からキャリアをスタートし、ブルース・クリエイション、DEWを経て、1970年代前半はとにかくそのライヴパフォーマンスの凄さが際立っていた布谷氏が1973年に同郷の大滝詠一氏と組んで、このソロアルバムを発表。アルバムで展開されるアメリカのディープな南部と東北は岩手の南部とを掛け合わせたような超絶なるドロドロのブルースフィーリングが話題になりました。その後は大滝作品では"音頭"担当として、日本発の音頭ブルースシンガーとして「ナイアガラ音頭」をリリース、メディアにも浴衣姿でシルクハットに黒縁丸めがねというぶっ飛んだ風貌で露出し、そのレパートリーの広さ(デイヴ・メイスンからリトル・リチャード、アール・キング、そして三橋美智也まで)にコアなファンを驚かせました。
その後70年代後半からしばらくは音楽から一時期遠ざかり、日本の元祖ブルースシンガーの消息は不明となったのですが、90年代に入って、突如の大復活、地道なライヴ活動は今の細々ではありますが、続けています。病気に悩まされた時期もあったようで、今も体調が万全とは言えないときもあり、声も昔の超シャウトは少し威力が失いましたが、その活動歴の長さにはただただ敬服するばかりです。
日本人の解釈によるアメリカのブルースという視点では、70年代初頭という時期に
これだけの音を作っていたのは、この人がまさにパイオニアでしょう。
よくここでも出てくる春一番コンサートの74年のライブ盤に収録されている「夏バテ」は布谷氏の代表的なパフォーマンスとして後年まで語り継がれています。
寒い夜には、もう冷房が必要なくらいの暑っ苦しい超シャウト、いいですね。
SIDE A
1. 五番街(作詞・作曲:布谷文夫)
2. 冷たい女(作詞:千葉信行/作曲:千葉信行/編曲:多羅尾伴内)
3. 深南部牛追唄(作詞・作曲:多羅尾伴内・銀杏次郎・ジミー蘭越・布谷文夫)
4. 夏バテ(作詞・作曲:多羅尾伴内)
5. 颱風13号(作詞・作曲:多羅尾伴内)
SIDE B
6. ニューオリンズの町へ(作詞・作曲:布谷文夫)
7. ホーボー・ブルース(作詞・作曲:布谷文夫)
8. 街のブルース(作詞・作曲:布谷文夫)
9. 朝めがさめて(作詞・作曲:布谷文夫)
10. 水たまり(作詞・作曲:布谷文夫)
PRODUCED BY 布谷文夫 (1, 3, 6, 7, 8, 9, 10)/多羅尾伴内 (2, 4, 5)
ALL ARRANGEMENT BY 多羅尾伴内・布谷文夫・伊藤銀次
original 1973年11月21日 LP:ポリドール MR-5037
cd re-issued 2003年04月26日 CD: ハガクレ/ユニバーサル ISCP-1167