晴登雨読

山と自然を楽しみ、より良き社会を望む自由人。
飛騨 鈴鹿 大峰など日本百名山から里山まで山の魅力と美しさを記録する。

師走の熊野古道をゆく 中辺路

2017-01-08 18:46:03 | 熊野古道
師走の恒例となった「熊野古道」の踏破に向かった。今年は、中辺路の「大日越え」と「小広峠から熊野本宮」のコースをめざした。3日の午後、熊野本宮を出発し、大斎原に立ち寄って、大日越えの熊野古道で湯の峰温泉に向かった。200m程の高低差を登ると月見ケ丘神社。これを下れば、小栗判官と照手姫で有名な湯の峰温泉に到着。歩行距離3,4km、所要時間約2時間。湯の峰温泉では、くずしの湯とつぼ湯につかり山道の疲れをいやすことが出来た。

2日目は、湯の峰温泉から路線バスで小広峠へ向かい、峠から古道に入り標高300mから600mの峠道を何度も上り下りし、次々と現れる「王子」を拝みつつ「発心門王子」から熊野本宮の聖域に入る。ここからようやく穏やかな歩きやすい山道となる。
 そして都から遥々と訪れた古人が本宮を望む景色に感動し、伏して拝んだと言われる「伏拝王子」でようやく熊野本宮を遠望することができる。途中、危険個所を回避するう回路もあって歩行距離約19km、所要時間は7時間30分で熊野本宮に戻ることが出来た。

熊野古道・中辺路、1日目
熊野本宮~大斎原~大日越登山口~月見ケ丘神社~鼻欠地蔵~湯の峰温泉(宿泊:小栗屋)
2日目は、湯の峰温泉からバスで小広峠へ、そして熊瀬川王子~仲人茶屋跡~蛇形地蔵~湯川王子~三越峠~猪鼻王子~発心門王子~伏拝王子~三軒茶跡~祓殿王子~熊野本宮























苔むす熊野古道 大雲取り越え

2015-12-11 14:50:19 | 熊野古道
苔むす熊野古道・大雲取り越えをゆく
 熊野古道の中でも難所と言われる「大雲取り越え」を歩いた。熊野川の支流、赤木川畔に立つ「小口自然の家」に前泊し、12月6日の早朝から熊野那智大社をめざした。
 標高900m近い越前峠をはじめ、石倉峠や舟見峠などの峠越えの14.5kmの山道、杉林の中の石畳や見事に苔むす石段、そして旅籠跡や茶屋跡など、かつてのにぎわいを残す古道を8時間余りをかけて巡った。

「小口自然の家」から熊野那智大社をめざす
かつて小学校だった「小口自然の家」、学校をリホームし風呂・トイレなども整備された立派な山中の宿泊施設。

見事に手入れのされた杉林を進む熊野古道
ところどころに残る石仏や道標は古道の佇まい。
苔むす円座石(わろうだ石)への古道

円座石(わろうだ石)
「円座石(わろうだいし)は、幅約5メートル、高さ約2・5メートルで表面に熊野本宮大社の阿弥陀仏、熊野速玉大社の薬師仏、熊野那智大社の観音仏を示す梵字(ぼんじ)が刻まれている。「わろうだ」とは、わらやイグサで編んだ丸い座布団、神社の神事に使うことがある。

苔むす石段の急登が続く大雲取り越え

大雲取り越えの最高地点「越前峠」大雲取り越えの最高地点「越前峠」手前の急登。
越前峠 この大雲取り越えには、随所に歌碑が立つ

越前峠からの下り道
大雲取り越えの古道の周囲は、どこも手入れが行き届いた植林地である。

越前峠からの急な石段を下りて少し開けた林道へ

そして再び「石倉峠」をめざして登り道に

石も倒木も、みな苔むす熊野古道
この古道の随所に、球形や楕円球をした「たまご石」と呼ばれる石がゴロゴロとしています。「コアストーン」と呼ばれ花崗岩の未風化礫で大きいときは直径数mにも達っするそうです。このたまご石の表面を苔が覆って苔むす石になっています。

「たまご石」は、まるで玉ねぎの皮をむくように表面が剥がれ落ちるような風化をすすめます。そして、この写真のように苔むす巨石となって古道の随所に現れます。

難所を超えて地蔵茶屋跡に着く、ここで昼にする
歩きだして4時間。地蔵茶屋跡に到着。ここには新築された地蔵堂と立派な休息所とトイレが完備。宿で握って頂いたにぎりめしで昼食。

地蔵茶屋跡の休憩所で昼食後、ゴールの那智大社をめざします。ここでも大きな苔むす「たまご石」が。

舟見峠の「舟見茶屋跡」展望台から那智勝浦を望む
さらに「舟見茶屋跡」の尾根道の先端まで来ると那智勝浦の海岸の展望が一気に開けるようになります。

ゴールの青岸渡寺に夕方4時に到着
朝、7時30分、小口自然の家をスタートし、約8時間30分でゴールの青岸渡寺・那智大社に到着です。






熊野古道 伊勢路を行く

2015-12-09 15:12:39 | 熊野古道
熊野古道・伊勢路、鬼が城から松本峠を歩く

 世界遺産の熊野古道、伊勢路を歩いた。今回は、昨年の大吹峠から続く三重県熊野市の「鬼が城」から「松本峠」を巡った。峠道からは、太平洋の熊野灘に面した22Kmも続く日本で一番長い「七里御浜」の絶景を見ることができる。「日本の渚百選」に選ばれている。
 熊野古道は、この先、この七里御浜を通って和歌山県新宮市の熊野速玉神社へと続く。

鬼が城センターから木本隧道を通って松本峠へ
鬼が城センター前の湾内を望む

木本隧道を通って峠道へ
この木本隧道は、熊野参詣道の難所のひとつであった松本峠に1925年(大正14)に隧道を建設したもので、現在、日本土木遺産に認定されている。

松本峠への登り口

苔むす石畳の熊野古道を歩く

峠道から七里御浜を望む
松本峠は、木立に覆われ展望が利かないが、峠の手前からは、弧を描く「七里御浜」を望める。

松本峠
元気いっぱいの子供たちが、お母さんたちと一緒に遠足にやってきました

峠から暫く行くと展望台が
この展望台からは、「七里御浜」の絶景が広がる。正面に広がる山並みの向こうが、青岸渡寺や那智の滝がある那智大社。

鬼が城跡を行く
松本峠から少しそれたところに鬼が城跡が残っている


師走・熊野古道を巡った

2014-12-08 19:01:24 | 熊野古道
2014年12月08日(月)
「山の会」の年末恒例となった「熊野古道」をめぐる旅に参加した。
 初日は、三重県熊野市のJR大泊駅からスタートし泊観音ー大吹峠ー波田須神社ー徐福の宮をめぐるコースを回り、車で那智勝浦町に移動し国民休暇村・那智勝浦に宿を取った。
 2日目は、JR那智駅からスタート。補陀洛山寺から尼将軍供養塔ー市野々王子ー大門坂ー那智大社ー青岸渡寺ー那智の滝を巡った。
 今回の熊野古道めぐりで幸運にも平安時代の旅装束を身に着けた女性に大門坂で出会い、まるで「1000年前の熊野古道」を思わせる風景をカメラに収めることができた。

泊観音手前の熊野古道


熊野古道から熊野灘を望む


猪除けの石垣が続く、大吹峠手前の熊野古道


大吹峠、道の先が波田須方面への下り道


波田須神社前の徐福茶屋から熊野灘


徐福の宮
 秦の始皇帝の命により「不老不死の妙薬」を求めて渡来した徐福。この地にたどり着いて、様々な技術と文化を伝えたとの伝説が。


2日目は補陀洛山寺から那智の大滝へ
浜の宮王子


尼将軍供養塔をへて那智山へ向かう


市野々王子
市野々王子は、市野々の町内にあるが、このあたりは3年前の集中豪雨によって大きな被害をこうむった地域である。今でも土石流の痕跡をとどめ砂防堰堤の建設が各所で進められている。再建された真新しい民家とともに被害を受けた民家がそのままとなっており痛々しい限りである。



大門坂入口の夫婦杉
大門坂入口の夫婦杉で平安時代の旅装束姿の女性に偶然出会った。千年前の「熊野古道」にタイムスリップしたかの光景である。






1000段以上続く、大門坂の石畳


大門坂を登りづめれば、那智大社と西国33番札所の「青岸渡寺」
その青岸渡寺から那智の滝を遠望する。


今回の「熊野古道を巡る旅」のゴール。那智の大滝