『名探偵なんか怖くない』(by西村京太郎)、読了。
『名探偵が多すぎる』からさかのぼってのシリーズ1作目。
因みに1977年作。
とにかく、読みやすい文章である。
何でこの、かつての文体の方が続いてくれなかったんだろう。
量産されてる時刻表ものとは全く別物だ。
富豪が道楽で始める挑戦に、果敢に挑む名探偵たち。
ポアロ、クイーン、メグレ、明智の四人衆。
ホームズ御大は、この作品世界では既に鬼籍に入られているそうで。
その挑戦とは、世間を騒がしている強盗事件を
富豪が再現する形で展開される。
ただ、残念ながら、その強盗事件自体に関しての説明はほぼゼロ。
裏表紙に、「かの三億円事件」と書かれるのみである。
……時代が進むと、嫌でも風化していくんだなあ……。
老獪の探偵たちは翻弄され、後手に回る、と思いきや、
最後の最後の華麗にキメる。
探偵たちの経歴など、他作品のネタバレがどうしても目立つが、
4人ともそれらしい描写を繰り出してくれる事で帳消し。
結果的に作者にオススメされた作品たち、
クイーンの『ニッポン扇の謎』、メグレの『男の首』、
明智の『化人幻戯』を読みたい。
それでは。また次回。