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好事家の世迷言。(初代)

※はてなブログ『好事家の世迷言。(続)』へ移転計画中。

調べたがり屋の生存報告です。

物語にルールなどない。面白ければ。

2019-08-17 | 物語全般

『邪眼鳥』(by筒井康隆)、読了……したつもり。

因みに1997年作。
ところで筒井氏は、話せば長い事情から、
1992~1996年は断筆状態にあった。
つまり本作が書かれたのは、言ってみれば断筆明けの時代。

だからなのか、違うのか。
とにもかくにも本作は実験的かつ難解である。

差し当たっての筋書きは、亡くなった富豪の遺した
謎のレコードをきっかけに、
一族の子供たちが時空の混乱に飲まれていく、というのか。

場面転換の際、「行あき」どころか「行替え」さえ、
意図的に(←ここ重要)行わず、
ある人の台詞が途中から別の人のト書きにすり替わった辺りから、
申し訳ないが、私の頭は理解を拒絶した。

うん。なんも分からん(笑)。

併録されている、同年の『RPG試案――夫婦遍歴』も、
語るに及ばず、というより及べず。
つくづく、ギャップの激しい作家と思い知った作品である。

それでは。また次回。


不条理世界の言葉遊び。

2019-08-14 | 物語全般

『串刺し教授』(by筒井康隆)、読了。

全17話の短編集。

いわゆる不条理系作品が多い印象。

表題の作品も、教授本人の話題は(本題でないため)中途半端に終わる。

『きつねのお浜』や『追い討ちされた日』は、
時代劇と思わせていつの間にか現代が混ざり込んだりする。

『春』は、かつて読んだ『読者罵倒』の逆バージョンと呼ぶべきか。
脈絡も読点もないマシンガン文章?に頭がくらくらしてくる。

『妻四態』と『座右の駅』は、ずっと前に漫画版で見た記憶。
文章の方が寧ろ分かりやすいね。

個人的なお気に入りは、『言葉と<ずれ>』と『句点と読点』。
こういう言葉遊びの作品が私は好みだ。

それでは。また次回。


昭和の物語は現代へ通ず。

2019-08-07 | 物語全般

『おれに関する噂』(by筒井康隆)、読了。

昭和49年作。全11話の短編集。

表題の作品は、比較的有名だろう。
「日本中のマスコミが自分について報道している」。
当時でも現在でも、妄想の典型的症状の一つとされるが、
この作品では、それが実際に起こっているという異常事態。
主人公以外の医療関係者の方が現実を認められずに狂う流れには、
真っ黒な笑いが満ちている

『心臓に悪い』も、精神的病理がテーマ。
今で言うパニック障害を当時、既に書いている事に恐れ入る。

『幸福の限界』は、書かれた当時の時代性を痛烈に感じる。
昭和50年代くらいまでは、レジャーと言えばまず海だった印象。
21世紀のソシャゲレベルで全員が海水浴行ってた。

『講演旅行』の序盤には、にやにやしてしまった。
作品にかこつけて、奥さんにのろけまくる筒井さん、可愛いです(笑)。

それでは。また次回。


ジャズと共に任侠を。

2019-07-31 | 物語全般

『男たちのかいた絵』(by筒井康隆)、読了。

昭和49年作。全8話の連作短編集。
ただ、連作といっても厳密にはテーマが揃っている。
そのテーマとは、「やくざ」。
つまるところ、当時流行った任侠ものである。

組の構成員たちで繰り広げられる切った張った、
しかしながら筒井作品の登場人物となれば、
あらゆる意味で真っ当でなく。例えばいわゆる趣味性癖が。

個人的に気に入ったのは、『二人でお茶を』。
兄貴と舎弟、あるいは同格の男同士がぶつかり合うのは、
やっぱりロマンですな。うん。

因みにこの作品群のタイトルはどれも、
有名なジャズ曲だそうで。勉強を兼ねて動画を列挙。

夜も昼も
https://www.youtube.com/watch?v=o-mDkLIqcQg
恋とは何でしょう
https://www.youtube.com/watch?v=Az3gcwzmh1c
星屑
https://www.youtube.com/watch?v=ZWEBIFwRy4s
嘘は罪
https://www.youtube.com/watch?v=ZWEBIFwRy4s
アイス・クリーム
https://www.youtube.com/watch?v=_wsX_wcTpD0
あなたと夜と音楽と
https://www.youtube.com/watch?v=FkiFlz6h44k
二人でお茶を
https://www.youtube.com/watch?v=M5l7juyUxRo
素敵なあなた
https://www.youtube.com/watch?v=BF4TQ8pveF4

それでは。また次回。


成長期ヒーローの、葛藤。

2019-07-12 | 物語全般

映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』を劇場へ見に行く。

MCU映画をリアルタイムで見に行くようになった自分に正直驚いてる。
『エンドゲーム』の後の世界がどうなってるか、どうにも気になったから。
事実上、トニーさんの後を継ぐ事になったスパイディの葛藤を見るのは胸が痛かった。

ストーリーについて説明するのは、実は非常に難しい。
スパイディことピーターは、フューリーに命じられ、
新ヒーローのミステリオと共に、異世界からの不定形のモンスターを
打ち倒す……という予告編の筋書きは、フタを開ければ
何もかも違ってたわけで。
自分の知る中で、コレを超える「ウソ予告」は無い。

だから、初見時はとにかく予想外の展開に仰天し続けたが、
逆に言えばコレ、繰り返し見る作品じゃないな、と。
スパイディとミステリオが頑張ってる場面は、
ことごとく前座の茶番劇、本番はその後なんだと
知ってしまってると没入できない。
更にエンドロール以降までも、「実は……!」と、
どんでん返しが続くと、話に付いて行けなくなりそうになる。
作中の描写を何一つ信用できなくなったら、物語は成り立たなくなる。

ラストシーンがまたも不穏に終わった不安を振り払うべく、
『ヴェノム』と『スパイダー・バース』を押さえたい。
見たいビデオもどんどん溜まっていくなあ。ゼイタクな悩みだ。

それでは。また次回。


最後のX-MEN、2周目プレイ。

2019-07-07 | 物語全般

映画『X-MEN:ダークフェニックス』を劇場へ見に行く。

内容は、想像の範囲内に収まっていた。良い意味でも、悪い意味でも。

端的に言えば、『フューチャー&パスト』で回避されたはずの、
『ファイナルディシジョン』の2周目プレイだ。
フェニックスことジーン・グレイの能力が暴走し、惨劇が巻き起こる。
最終的には、またも登場人物たちの命があっさりと失われ、
「恵まれた学園」の形態も変わってしまった。
画面のインパクトなら、『ファイナルディシジョン』の、ウルヴィーが
体を壊されながらもジーンを助けようとする場面の方が勝ってる。

もしや、契約の関係で、MCUの世界観とすぐにでも合流させるため、
性急にシリーズを終わらせた?……という憶測さえ浮かんでくる。
ジーンもそうだが、ミスティークとクイックシルバーは、
救いがなさすぎる。
特にクイックシルバーは、ハッキリ言って、雑。
いつの間にか退場して安否さえ不明の状態で終わった。

こんな形で終わるなら、いっそ誰かがもう一度タイムトラベルして、
ジーンの両親を救うところからやり直してもらいたい。
行ってきてくれないかな、サイク?

そろそろ、世間でよく取り上げられてる『ローガン』見てみますか。
コレもまた悲しい話らしいですがね……。

それでは。また次回。


善と悪との外見チェンジ!

2019-06-26 | 物語全般

映画『フェイス/オフ』のDVDを見る。

「失われた20年の大空白」を取り返す一環。

本作は、1997年作のサスペンスアクション。
ジョン・トラボルタ氏の演じるFBI捜査官・アーチャーと、
ニコラス・ケイジ氏の演じるテロリスト・キャスター。
宿敵たる二人は、ある事情で外見が互いに入れ替わり、
殺し合う事になる。

外見チェンジの設定は、冷静に考えたら負けだ。
拒絶反応出るだろ普通とか思っちゃいけない。

ただ、見てる内に、その突飛な設定も気にならなくなる。
トラボルタ氏とケイジ氏の演技力に引きずり込まれ、
本当に入れ替わってるとしか思えなくなってくる。
表情も仕草もカンペキな、まさに一人二役・二人一役の極地だ。

……と、字幕版を見た時点で既にそう思う作品を、
吹替版で見たらもっと凄まじい事態になる。
トラボルタ氏の声は神谷明氏。ケイジ氏の声は大塚明夫氏。
しかも本作の終盤では、ケイジ氏に埋め込まれた変声機(!)が
壊れるため、事実上、トラボルタ氏の一人芝居の独擅場
私の耳は完全にオーバーフローであります。

自分としては、心の傷が着実に治ってきてるのを感じる。
いつかまた、好きなものを素直に好きと言えるようになりたい。
今のところはまだ、どうにもひねくれてるけれど。
のんびり行きます。

それでは。また次回。


黒ずくめが地球を守る・番外。

2019-06-23 | 物語全般

映画『メン・イン・ブラック:インターナショナル』を劇場へ見に行く。

元からの信条に従い、字幕版で。

「メン・イン・ブラック(MIB)」は、元をただせば宇宙人関連の都市伝説。
宇宙人に関わった人を秘密裏に処理する謎の宇宙人たちの事。
それを映画では、地球人の組織と設定している。

ウィル・スミス氏&トミー・リー・ジョーンズ氏の過去作はリアルタイムで見た。
彼らの掛け合いは忘れがたい、実にいい思い出。

そんな今までの展開を、本作は一新。
一番印象に残ったキャラは、脇役のポーニィだ。
ちっちゃな体で、エージェントMを全力で守り抜いた、
最大のヒーローにして癒し。

そのポーニィ以外は、実を言うと難点が多い。
「インターナショナル」という題のわりに、欧米のエージェントしか出てこない残念ぶり。
最初から最後まで、Hを有能と思えなかったのも大きなマイナスポイント。
中でも、自分が記憶消去されてる可能性に全く気づかなかった事は悲しすぎる。

俳優さんに覚えがあると感じ、ソー&バルキリーと気づいた時も、
嬉しいながらも複雑な気持ちになった。
他作品を連想してしまうキャスティングは、自分としてはよろしくない。
なお、『MIB3』の感想はこちら
過去作も見返して、改めて感想書いてみようかな。

それでは。また次回。


吸血鬼ハンター・MARVEL版。

2019-06-22 | 物語全般

映画『ブレイド』のDVDを見る。

タイトルは、実写版『デッドプール』から知った。
その後、『ディスクウォーズ・アベンジャーズ』にも登場してると
知って、勉強の意味で見た……が。
やっぱり自分、猟奇的な残酷描写は未だに鬼門。

吸血鬼(ヴァンパイア)が世界の裏で暗躍している世界。
主人公・ブレイドは、母が身ごもっている時に吸血鬼に襲われたため、
吸血鬼の体と人の心を併せ持つ者として生まれ、
吸血鬼を狩るハンターとなった。

彼は銀製の武器や薬物や体術で吸血鬼を打ち倒していくのだが、
そうやって敵を滅する際の描写が、私には恐ろしすぎた。
瞬時に塵になるのでなく、骨が露出してから四散。
光に焼かれる時も刻々と熱傷を追いつつ絶命。
中でも、血中に薬物を打ち込まれ、全身が朱に染まって爆散するのは、
うん、キツかった。

ブレイドは恩人や家族を失い、孤独に戦いを続ける。
血液学者の女性と、心を交わせたのは貴重な救い。
いずれは「2」と「3」も見なければ。
デップーと(ネタの)関わりがあるのは3みたいだしね。

それでは。また次回。


怪獣映画は平和の象徴である。

2019-06-20 | 物語全般

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を劇場へ見に行く。

今回は、ゴジラ好きの友人に誘われて。
その人いわく、本作はここ最近で評判良いそうで。

ただ、実を言うと、私個人は怪獣などの「パニックもの」は
非常に苦手。
とにもかくにも、ああ建物もったいないという感情がいつも湧く。
登場人物の死を見るのも同じく。
芹沢はまだしも、エマの退場は見てて胸が痛かった。

もっとも、こういう作品が創られる事は、今の世が平穏な証拠。
現実に大災害や大事件が起こっている時は不謹慎とされるから、
企画の時点で通らない。
世界中が焦土と化す展開を描けたのは、貴重な事とも言えるのだ。

……なんて野暮な事をいったん忘れて、怪獣の格好良さに
素直に浸ればいいんだろうとも思う。
実際見てる最中は、そうやって頭のスイッチ切り替えてますし毎回。

ところでコレ、シリーズの第2作なんですよね。
第1作も近い内に確かめたい。
ファンのその人には「恐竜っぽいよ」という触れ込みが気になるので。

それでは。また次回。