『邪眼鳥』(by筒井康隆)、読了……したつもり。
因みに1997年作。
ところで筒井氏は、話せば長い事情から、
1992~1996年は断筆状態にあった。
つまり本作が書かれたのは、言ってみれば断筆明けの時代。
だからなのか、違うのか。
とにもかくにも本作は実験的かつ難解である。
差し当たっての筋書きは、亡くなった富豪の遺した
謎のレコードをきっかけに、
一族の子供たちが時空の混乱に飲まれていく、というのか。
場面転換の際、「行あき」どころか「行替え」さえ、
意図的に(←ここ重要)行わず、
ある人の台詞が途中から別の人のト書きにすり替わった辺りから、
申し訳ないが、私の頭は理解を拒絶した。
うん。なんも分からん(笑)。
併録されている、同年の『RPG試案――夫婦遍歴』も、
語るに及ばず、というより及べず。
つくづく、ギャップの激しい作家と思い知った作品である。
それでは。また次回。