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好事家の世迷言。(初代)

※はてなブログ『好事家の世迷言。(続)』へ移転計画中。

調べたがり屋の生存報告です。

恋愛依存が純愛を得る物語。

2021-05-11 | 物語全般
映画『ティファニーで朝食を』を劇場へ見に行く。

恥ずかしながら、タイトルしか知らず未見。
平日の「午前10時の映画祭」なら人は少ない……と思ってたが、日頃の平日午前よりは若干、人が来ていた印象。
10:00時開始と思い込んだか遅刻して駆け込んで来たグループに正直閉口。
本編始まってる中、「○列ドコですかッ!?」と、あわあわされるのは、しんどかった。
が、見終わった後は、あまり気にならなくなってた。
……大した内容じゃなかったから。

絵面は確かに美しかったが、逆に言えば、それだけ。
ストーリーは、王道と言えば王道だ。
一見ド派手な美女・ホリーが、実は様々な生きづらさを抱えていると判明していく。
女性版『グレイト・ギャツビー』というレビューに半分納得。

ただ、ギャツビーと比べると、ホリーの闇の部分──ブラコンに基づく恋愛依存と社会生活不適応ぶりが、どうにも生々しくて痛々しくて見てられない。
彼女については、遠目から眺めてる分にはまだいいが、お近づきにはなりたくない。

で、そんな彼女と純愛に至る相手も……悪い意味でお似合いというか。
作中当時って、あんなに倫理観ゆるゆるだったの?
何だか勢いで結ばれた感だったが、将来すぐ破綻しそうで頭痛いのは私だけではないと思う。

で、更に調べたら、原作小説が別にあって、そちらの方が自分は好みに感じた。
いずれ読みたいと覚書。
……予定が増えてくなぁ……。

それでは。また次回。

法廷バトル in 禁酒法時代。

2021-04-30 | 物語全般
映画『アンタッチャブル』を劇場へ見に行く。

緊急事態宣言&蔓延防止の今だが、早い時間帯の映画館には行かせてほしい。
午前10時の映画祭だから面白いのは保証付きだし。

内容は或る種、タイムリーと言えなくもない。
舞台は、禁酒法時代のアメリカ。
主人公は捜査官、エリオット・ネス。
彼は、街を支配するアル・カポネを検挙するため、ベテラン警官マローンらの仲間と共に戦いに挑む。

恥ずかしながら私、この作品については、おおまかなあらすじしか知らなかった。
ケビン・コスナー、ロバート・デ・ニーロ、ショーン・コネリーと言った大物が出てる事さえ知らなかった。
おかげで、物凄く濃厚かつゼイタクな時間を過ごさせていただいた。
何度もハラハラした後、終盤は、まさかの法廷バトルまで楽しめた。

血の舞う殺し合いを見るのは少々刺激が強かったが、どんなに危機でも、次に打つ手を探す捜査官たちの強さに心が震えた。
歴史に残る作品は、やはり名作ですね。

それでは。また次回。

実写映画は原作を広めるためにこそある。

2021-04-10 | 物語全般
実写版『銀魂』のDVDを見る。

豪華な俳優陣を集めたB級作品。
全体的な印象を端的に言うとこうなる。

ストーリーは三つに分かれてると言うべきだろう。
新八と銀時の出会いと、基本設定の説明。
カブトムシを追っかける小話。
そして本題──紅桜編。

公開当時ヒットしたのも納得。
原作・アニメ共に昇り調子の頃の、人気エピソードじゃありませんか。
これだと私の場合、原作やアニメ版の思い出語りになりかねないので、実写ならではの部分に絞る。

俳優陣は皆さん体張って再現してた。
一方、SF面の演出は今一つ。
空飛ぶ船が舞台のわりには、足場が全く揺れてないとか。
あと、斬られたエリザベスがパッと消える謎現象は何だったのか。

原作踏まえると不自然に感じる場面は少なくない。
源外にアイテムねだる銀時とか。
シャアとかナウシカとか、見入って笑ってしまったから文句言えないけれど。
小栗旬氏の出演作ネタも、どれも笑った。
GTOパロディは、調べて初めて気づいた。
改めてアニメ版の『新訳紅桜編』見よう。

それでは。また次回。

犯人当て小説に玉砕する。

2021-04-03 | 物語全般
『不連続殺人事件』(by坂口安吾)、読了。

あくまで読了、読んだだけである。
昔から、ミステリ好きなら必読だと聞き知っていた。
(連続でなく)「不連続」という語も、最初からミステリ用語として覚えた記憶。

今まで色々と、変わった作品を読んできたから挑もうと買って、やけに薄い事にまず驚いた。
そこから長らく「積ん読」していて、さて気分転換に通読するかと手をつけて。
体調の悪い時期に読んだ事を後悔した。

↑本の内容を知ってる人なら分かってくれるだろう。
とてもじゃないがこの作品、気軽に読み通せる代物ではない。
大量の登場人物、ざっと33人が、キャラ造形を極限まで削ぎ落とした形で、極限までこんがらがった関係で描かれ、あっという間に私の頭はパンクした。

コレが世に出た1948年当時における、究極の「犯人当て小説」だと知ったのは、読み終わった後だった。
いつかリベンジしてみたい。
映画版の方も調べてみたい。
映像があれば、登場人物を把握する助けになるかもしれない。

併録されていた短編『アンゴウ』の方が、私には収穫だった。

それでは。また次回。

天使の福音。(その4) そして終わり。

2021-04-02 | 物語全般
映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を劇場へ見に行く。
(過去の感想はこちら。  Q)

実際に行ったのは3月半ば。
心身ともに疲労ピーク最中。
そんな余裕のない状態で見る内容じゃないと思ったが、時間を作らないと見そびれるだろうとも思って強行。
結果、もっと疲れた。

以下、個人的感想。
とにもかくにも、遅すぎた。
待ち続けるのが、長すぎた。
せめて5年、出来れば10年早く、この映画を見たかった。

状況は『かまいたちの夜×3』や『逆転裁判5』に似ている。
前作で、手の施しようもないほど壊れたシリーズ作品を、どうにか敗戦処理してまとめるだけまとめた。
それ以上でも以下でもない。

シンジが全歴史を上位から俯瞰する身になり、最善の歴史を選択するという決着は、いわゆる「スパシン」系の二次創作で散々見たから、王道ではあるが……結局ディープファン向けになっちゃったから、残念。

テレビ放映時からリアタイで追った思い出に浸りつつ。見かけた二次創作でも、これから読みます。
こちら←読む人を選ぶと思うので注意

それでは。また次回。

絵本の映画を見てみた感想。

2021-03-11 | 物語全般
映画『えんとつ町のプ.ぺ.ル』を劇場へ見に行く。

界隈で何かと話題になってる作品。
見るか否か、上映の終わるだろう時まで迷っていた。

元の絵本は既読。
キレイな絵の無難な話という印象だった覚えがある。
ただ、とても長編に出来る容量じゃないから、どうやってかさ増ししてるのが気になっていた。

映画の話は、やはり相当の尺を足していた。
絵本では、主人公の少年とその相方との二人だけで小さな冒険を成し、物語は余韻を残して幕切れする。
それが映画だと、他キャラが大幅に増える。

その中の一つが、異端審問官などという、まるきり中世の敵役。
しかもその異端審問官たちの源流が何故か、近代以降の存在だろう経済学者というカオス。
お金の価値が云々と、炭鉱夫が歴史をまくし立てる下りは違和感が強かった。
落下ダメージとか全く描写されてない、おとぎ話の雰囲気と合ってない。

終盤、いつの間にか町全体を動かすレジスタンスめいた展開になったのは、正直なところ戸惑った。
煙を吹き飛ばして一見ハッピーエンドに描かれてるが、いや待ってくれ、曲がりなりにもバランスの取れてた環境だったのを強引に破壊したら、途端に余所から攻め込まれたりしないか、心配なんだが。いいのか?

個人的には、絵本のこじんまりとした設定での映像見たかった。
映像と音響は美しかったから、そういう意味で良い物を見れた、かな。

それでは。また次回。

名作をジュブナイルで読む。

2021-03-01 | 物語全般
『岩窟王』(byアレクサンドル・デュマ)の
青い鳥文庫版を読んだ。

近年にもドラマの原案に使われるなど、
復讐の代名詞的存在。
本来の長編ぶりに、長く足踏みしていたが、ジュブナイルの簡略版で勉強だと開き直った。

あくまでストーリーのさわりだけ、見所だけつまみ食いした状態だが。

それでも確かに面白い!

船員エドモン・ダンテスは、仕事も恋愛も幸福の頂点だったところから、策略によって転落。
そこから、幸運な助けと本人の努力と莫大な富によって這い上がり、モンテ・クリスト伯爵の名で復讐を遂げていく。

けれど、彼は決して非情になりきれず、
慕ってくれた者たちとの葛藤に揺れ続ける。

いつか、完訳版を読んでみたいという気持ちもよぎった、が、本気を出せるのはいつか……。

それでは。また次回。

漫画の実写化は難しい。子役はもっと難しい。

2021-02-25 | 物語全般
映画『約束のネバーランド』を劇場へ見に行く。

このコロナ事情でなければ、見る可能性は無かっただろう。
少年ジャンプでの紹介漫画にほだされて、物は試しと行ってみたわけで。

そもそも論になってしまうが。
どうして実写にしたのか自体が一番謎だ。

人外が支配している世界で、天才的な心身を誇る12歳の男女3名が、成人女性の監視の下から脱走する。
(因みに使用言語は英語)
ここまで現実離れ、特に現代日本と解離してる作品では、確かにそのままでは実写化できない。
が、だからと言って中途半端に変えれば、結局他の部分で破綻する。

12歳でも人によれば結構成長するのに、
15歳にもなったら物理的に勝てるだろとどうしても思ってしまったし。
クライマックスの崖を渡る時も、体重オーバーにならんのか?とも。

制作側が、売りたい役者と、売りやすい題材を強引にくっつけるこの手法は、いつまで経っても、どれだけ批判されても無くならない。
映画ではオリジナル展開でラートリーを出したりしていたが、続編はまず不可能だろう。
子役ってのは、1年過ぎただけで別物になるんだから。

それでは。また次回。

伏線回収の妙技。

2021-02-16 | 物語全般
映画『名も無き世界のエンドロール』を劇場へ見に行く。

予告編とチラシ以外、下調べは全くせずに突撃。

全体的な印象を振り返ると、シリアス度の高い『イニシエーション・ラブ』といった趣。
キャッチコピーに「どんでん返しがあります」の旨があったため、身構えて見てしまったのが、今思うと勿体ない。

一見、単純な恋愛ものと思わせて実は……の二段底の構造を見破れる人は多いだろう。
早ければ「犬を轢いた」の時点で。

ただし、その一番大きい意外性には気づけても、他の細かい部分を全部予想するのは難しいんじゃないかと。
撒かれまくった伏線が丁寧に回収されていくのは、個人的に心地いい。
クライマックスで描かれる、「忘れられるのが怖い」と語った彼女の思いを酌んだ、あの報復は、ネットの普及した今の時代だから映える手段。
この映画を(上映予定通り)クリスマスの混雑の中で見れたら、もっと興奮できたただろう。

ところでこの映画を見た後、無性にナポリタンスパゲティを食べたくなって。
以前行きつけだった、けれどコロナで遠退いてた店へ、思いきって久しぶりに出向き、トッピング無し、粉チーズ&タバスコ多めで注文。
いい思い出が増えました。

それでは。また次回。

ライトノベルが途中で切れた。

2021-02-13 | 物語全般
『イリヤの空、UFOの夏』第1巻、(秋山瑞人)、読了。

以前から、「読みごたえのあるライトノベル」としてタイトルを見かけていた。

読み始めてすぐ、確かに文章に引き込まれた。
ワンセンテンス長め、比喩表現多め、独特なボキャブラリー選択、それでいてスラスラと流れていく文体。
なるほどコレは、私が学生時代に読んでいたラノベの印象に近い。
外国と緊張関係にあるという世界観についても、設定を直接書かず、文中にさりげなく混ぜこんでいる。

中学校の新聞部に属する少年と、謎の組織と関わる不可思議な少女との出会いは、これからどうなるのかと期待して……途中でブツリと切られて唖然となった。
連作エピソードの「前編」で、第2巻へ続くって何。
連載漫画の単行本なら分かるが、小説でコレやられると興が醒める。
コレを繰り返されるとフラストレーションが溜まるため、次巻を読むのは今のところ保留です。

それでは。また次回。