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好事家の世迷言。(初代)

※はてなブログ『好事家の世迷言。(続)』へ移転計画中。

調べたがり屋の生存報告です。

生活リズムは大事。惨劇の世界でも。

2021-08-04 | 物語全般
書きそびれていた話。

映画『シャイニング』を劇場へ見に行った。

有名すぎる作品なのに、恥ずかしながら初見である。
人が殺されまくるホラー作品を一人で見る事に、まず抵抗があった。
グロテスクには慣れてきてる、と自分に言い聞かせながら突撃して。
見終えた時は満たされていた。
雪の迷路の頭脳戦、素晴らしかったですとも!

おかげで、『GTO』や『はめフラ』などアチコチで使われてる場面、「斧で遮蔽物を破壊する」の元ネタをついに拝めた。
バラエティ番組で聞き知ったあのBGMも、本当はショッキング&シリアスなんだという真実を知った。

ただ、思い返すと、そもそもあの惨劇は、一家の父親が仕事にのめり込みすぎて、食事も睡眠も取らなかったのが発端に思える。
自然な生活リズムを壊してしまったから、悪霊に狙われたし、妄想に染まったのでは。
……って、どこか身につまされる話で。
私も気をつけよう。

それにしても、例の感染状況が悪化する前に見に行けたのは、つくづく幸運だったと思う。
こういう感じで、同じく書きそびれている作品について載せる日が、もう何回かある予定。
感想を書くまでは、鑑賞した余韻に浸り続けていられるからね。

それでは。また次回。

古典SF映画に酔う。

2021-07-24 | 物語全般
映画『夏への扉』を劇場へ見に行く。

見に行くか否かで二転三転。
コロナで長く延期され、他の見たい作品に埋もれかけて諦めそうになっていたら、朝イチの時間帯に入ってくれて滑り込み。

端的に言って、懐古趣味&原作小説ファン向けの手堅いSF作品。
私としては、とても好ましく感じられた。
1990年代の報道に、さりげなく架空の事件を差し込んで、空間転移装置、コールドスリープ、人型ロボットの普及してる世界観を自然に描いているのは巧み。

逆に言えば、今時の感覚で見ると、ストーリーラインはまさに古典的。
タイムマシンが使われるのは、歴史を「変える」ためではなく、「完成させる」ため。
散りばめられた伏線がパチパチとハマっていくのは快感だ。

主人公が大切な人を救おうと奔走する展開は、人によっては「何だ、○○と同じゃないか」と思うかもしれない。
○○は、ドラえもんだったり、BTTFだったり、シュタゲだったり、色々だろう。
ご承知の人には自明だが、そういった他作品の原形こそが、この『夏への扉』なのだ。

個人的に気に入ったのが、人型ロボット達の、自然すぎる不自然な動き(←日本語おかしい)。
ロボピートの言動はどれも今も忘れがたい。
原作小説も久方ぶりに再読しようかな。

それでは。また次回。

「2001年」は未だ褪せない。

2021-07-17 | 物語全般
映画『2001年宇宙の旅』を劇場へ見に行く。

恥ずかしながら初見である。

子供の頃からタイトルだけは無論知っていた。
ただ、世の評判には「怖い」「つまらない」というネガティブな単語ばかりが目につき、敬遠していた。

私が把握していたあらすじは、「黒い板が何かして、猿が骨を投げたら宇宙船になって、その宇宙船のハルってコンピュータが壊れて殺人事件する話」という感じ。
(↑だいたい合ってた)

それで、午前10時の映画祭で巡ってきたチャンスに突撃した結果。
今の私には、寧ろ好みの作風でした。

丁寧なCGだなと無邪気に思ってたのが、ことごとくアナログ&ローテクと知って驚愕。
1968年公開と知って更に驚愕。
『スターウォーズ』よりも古いのか!(←不勉強な私)

その一方、ストーリーが分かりにくい、というのも、ごもっともなところ。
私も、HALがおかしくなった事情などは解説サイトでやっと理解。
真相を知ってから思い返すと、可哀想だわHAL。
嘘を強要されて疑心暗鬼で病んだだけだったのか。

で、ラストの展開。
どのレビューでも曖昧な表現が多い印象だったが、アレは確かに言語化できない。
『幼年期の終わり』のオーバーロードとかに取り込まれて、ブレイクスルー(上位への進化)したって事なのか?

全部は分からないが、凄い物を見た事だけは分かった。
許されるならもう一回、スクリーンで見たいなぁ。

それでは。また次回。

剣劇の惨劇。

2021-07-13 | 物語全般
映画『るろうに剣心 最終章 the
BEGINNIG』を劇場へ見に行く。

(※私には合わない作品でした)

この感想を書くのは気が重かった。
心身がふるわない時に見る作品じゃなかった。
数週間前に見てから、どん底に落とされたダメージが治らない。

もちろん、この『BEGINNIG』が陰惨な悲恋である事は覚悟していた。
見て辛かった理由は寧ろ、単純に面白くなかったから。
今までのシリーズでの回想シーンで疑問だった点たちが解消されるのを期待していたから、我慢して見たのに。

大半が今までの作品での映像そのまんま。
巴が剣心に本心を打ち明けなかった事情も、戦いの場に瞬間移動してるのも分からずじまい。

最後の展開も、ごめんなさい、理解不能。
剣心のケガ治るの早すぎ&巴の遺体の保存良すぎ。それから家ごと巴を焼き捨てて(!)カッコ良く去る(!!)剣心でトドメ。
……あんなんじゃ半端に焼き肉なって獣に荒らされるんと違う……?

そして何が悲しいって、今までのシリーズどの作品も、根底にはこの『BEGINNIG』が食い込んでるから、この映画好きでない私はもう、他のエピソードも楽しめなくなったという事。
正直に言いまして、原作読むのも苦しいです今。
全く違う映画や小説に触れて、速やかに忘れたいのが、本音です。

それでは。また次回。

続々々・明治チャンバラ活動写真。

2021-07-02 | 物語全般
映画『るろうに剣心 最終章 the Final』を劇場へ見に行く。
(過去作の感想も当ブログにあります)

日記に書くのが遅れた。
実際に行ったのは数週間前だ。

もっと言えば、この映画を見るか見ないかの時点でかなり迷っていた。

『るろ剣』原作については、主に前半の方が好みで、後半に行くに従い、流し読みになってしまって記憶が薄いのだ。

特にこの「人誅編」の連載当時、薫の惨殺の下りに、理解も納得も追いつかず、ジャンプを読む事自体が苦しくなってしまった覚えがある。

そんな私だから、実写版で原作が大幅に縮められているのは、個人的には歓迎した。
剣心と縁のアクションシーンは一見の価値がある。
が、分かりやすさを重んじた結果、逆に剣心らの掘り下げが足らない点も否定できない。
剣心以外のキャラ(例:弥彦)の活躍も、もっと見たかったとも思う。

さて。今度は『Beginning』の方を見に行くべきなのは分かるが……個人的にはもっと苦手な、OVAのあの悲劇的展開を見なきゃいけないのはキツイなぁ。
いっそ『Beginning』を見てから『Final』を見れば良かったのかも。

それでは。また次回。

日本ぶっ飛びタイムスリップ!?

2021-06-18 | 物語全般
『タイムスリップ大戦争』(by豊田有恒)、読了。

時間移動SFの良作を探していてタイトルを知った。
因みに、昭和54年、つまり1979年作。

架空戦記の源流にあたる作品だそうだ。
……という触れ込みを知らずに読んだら、もっと驚いたかもしれない。

舞台は、恐らく1980年代前半。
アメリカ大統領がニコルスンからウェールスを経て、日本の自衛隊が国防軍に変わっているという基底の世界。
(実際の当時の大統領は、カーター→レーガン)

そんな状況下で何故か、日本だけが1941年の世界へタイムスリップする。
日本という国が、である。
当世風に言うなら「現代日本、第二次世界対戦当時に行って最強!無双!勘弁しろと言われてももう遅い」みたいな状態になる。

ただ、私が素直に楽しめたのは、最初の混乱、第1章の中頃まで。
結局、基底の歴史は変えられないようで、
米国が東京湾に攻撃し、日本はその反撃として、原爆でホワイトハウスを消す(!)。
そこから先は、少なくとも私にはホラーに感じて仕方なく。
和田誠氏の挿絵さえ怖く見えてくる。

なお、まだ時間論が世に広まる前だからか、タイムパラドックス関連は清々しくスルー。
プロ野球監督とコーチが元寇倒す辺りは、悔しいが吹いた。
最後までこのノリで、ハッピーエンドになってほしかったなあ。

それでは。また次回。

七色の声の少女スパイ(志望)。

2021-06-15 | 物語全般
『セクシーボイスアンドロボ』(by黒田硫黄)、読了。

職場の縁から知った穴場の喫茶店、そこの本棚で見かけて。
確か昔、松山ケンイチ氏主演でドラマ化してた記憶はあるが、漫画は初見のため興味深く読んだ。

主人公・ニコは、いわゆる七色の声と、並外れた度胸を持つ14歳の女子中学生。
そんな彼女が裏世界の御前様みたいな人から様々な依頼を受けていく。
そこに更にお人好しの男性・ロボが巻き込まれる。

一話完結の連作短編のため読みやすくて好み。
『さわって青空』の回が一番好きかな。

今になって読むと、2000年前後の時事風俗も知れて懐かしい。
そもそもニコとロボの出会いからして時代を感じる。

ドラマ版も、調べると評判良いので、いずれ改めて見てみたい。

それでは。また次回。

巨大化ヒーローは非情な現実でどう生きるか。

2021-06-08 | 物語全般
『ΑΩ』(by小林泰三)、読了。

このタイトルで「アルファ・オメガ」と読みます。

毎回、読みごたえのある小林作品。
本作はその集大成にあたる大作との事。

あらすじを調べればすぐ分かるが、コレは巨大化する特撮ヒーロー、要するにウ○トラマンが元ネタになっている。

本作で活躍するのは、私たち地球人より遥かに高次元のプラズマ生命体。
まず、その生態についての説明の丁寧さに圧倒される。
私は難しい話はよく分からないが、徹底的に科学的に描かれる様子には説得力がある。

そのプラズマ生命体たちの戦う舞台に、地球が巻き込まれ、人類社会は否応なしに、新しい段階へ変化させられていく。

小林作品である以上、描写はかなりグロテスクなため、読む人を選ぶが、読後感は寧ろ爽やかなのが不思議。
これから読む人は『玩具修理者』など他作品を読んでから挑む事をオススメする。

それでは。また次回。

月蝕のもたらした、ある世界線の物語。

2021-05-30 | 物語全般
映画『おとなの事情』のDVDを見る。

本家本元、イタリア版を購入してじっくり見た。
序盤は、幕版洋画の恒例、「登場人物の名前が頭に入らない現象」で少し手こずる。
そのため、一旦ビデオを止めて自分なりにメモを書き留めて再挑戦。

見終えて実感。
このキャラやシナリオの設定はイタリアこそ似合う。せめて欧米じゃないと合わない。

子供の頃からの幼馴染みの男性4人が、自分らの家族ぐるみで開くホームパーティ。
酔った勢いと話の盛り上がりから、何となく始まったスマホ開示ゲーム。
はじめは笑えるレベルだったのが、やがては参加者の心の闇や、家族問題、ゆるすぎる下半身などが暴露されていき、最終的に全員の関係が瓦解してしまう。

が……それは、あくまで月蝕の夜がもたらす狂った夢。
彼らは、開示ゲームを「しなかった」。
謎は謎のままに閉じられる。

ただし、ラストのこの解釈は私の個人的な物。
見る人によっては混乱してしまってるようで。
その人なりに想像するのが、この映画の楽しみ方ではないかと思う。

それでは。また次回。

不倫を悪いとは敢えて言わない、が。

2021-05-19 | 物語全般
映画『マディソン郡の橋』を劇場へ見に行く。

私が映画祭で見る作品の基準は二つ。
一つは、スクリーンで見たい傑作の予感を持つ場合。
もう一つは、スクリーンでもなきゃ集中できまい苦手な作品(←今回)。

公開当時は、要は不倫の話だと聞いて拒絶。
しかしながら名作と今も伝えられてるなら、食わず嫌いもいかんだろうと見てみた。

自分なりに期待はしていた。

本当は不倫というより撮影を巡る趣味の関係なんじゃ……→酒めっちゃ飲んでる
いや、本当はプラトニックとかでさぁ……→キスしちゃったよ
いやいや、まさか一線は超えないだろ……→やってる(何度も)

これほどまで、最悪の予想が当たる映画見たの、初めてかもしんない。

まぁ、不倫そのものがどうこうとは敢えて言うまい。
ただ、私としては、女サイドに都合よすぎる展開に、いっそ寒気がした。
私の好きなミステリなら、絶対アレいい人じゃないもん結婚詐欺野郎だもん。

それに、個人的に、あのおばさんを好きにはなれない。
結局、自分自身では何も具体的に決断してないから。
拒む男にわざわざ告白させてから、それを断るとか。面倒くさい人だ。
しかも、家族のせいで夫や子供の駆け落ちをあきらめたとゆー、聞き苦しい言い訳を、遺言でペラペラ言われても。
遺族としてはもう、怒りも嘆きも、ぶつける相手がいない。……ずるいよ

以上、自分の目と耳で確かめて書いた素直な感想です。

それでは。また次回。