午後からゆっくりと天気は悪くなり３時過ぎから大雨になった。
雨の音が急にバラバラと大きくなった。
大きな氷あられがあたり一面に降りだした。
わたしは子どものように歓声をあげながら外をみていた。
少し遠くに高校の玄関が見える。
２０人くらいの高校生が横なぐりの雨やあられが降る中、外に立っていた。
男子も女子もいた。傘をさしていない子もいた。
何か話をするでもない。
少し異様な光景だった。
「何があったんだろう。何かの罰かしら。それにしてもこんな雨の中でねぇ～」
スタッフと心配で見ていた。
結構な時間が経った。
急に高校生達が動き出した。
黒い車がゆっくりと通用門から出てきた。
（あっ・・・。そうか・・）
車の助手席には遺影写真を持った人が乗っていた。
彼らはその先生を見送るためにびしょ濡れになって待っていたのだ。
車が通りの角を曲がって見えなくなるまでずっとその場に立ち尽くしていた。
合掌
