炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

火山と土壌の肥沃度.

2004-12-16 | エコロジー
 世界の土壌を見ると、堆積岩の風化土壌よりも、火山岩を基盤とする土壌の方が肥沃であるとされ、その中でも、玄武岩地帯が、最も肥沃で、安山岩地域がこれに続くとされています。玄武岩、安山岩、泥岩に含まれる、おもなミネラルを比較してみます。

・ 植物の葉緑素に必要な、マグネシウムは、
玄武岩には、 約  7.8%
安山岩では, 約  3.7%.
堆積岩の、泥岩では、約 2.6%

・ カルシウム.
玄武岩に、約11%
安山岩に、約 7%
泥岩に、 約  2%

・ カリウム.
玄武岩に、約O.5%
安山岩に、約1.3 %
泥岩に、   約3.6 %  

・ 燐分
玄武岩に、約O.3%
安山岩に、約0.2 %
泥岩に、  約0.16 %

・ 鉄分.
玄武岩に、約10%
安山岩に、約 7%
泥岩に 、 約 6%  * 国立天文台編.『 理科年表 』より.
(掲載の写真の畑には、安山岩の砕石のズリ(砂状)を散布してあります。堆肥を沢山入れた場所で、生育良好でした。)

 以上のように玄武岩が、カリウム以外のミネラルに富んでいることが解ります。
もちろん、植物が直接岩石から、こうしたミネラルを吸収することは、出来ませんから、風化した土壌が必要です。

 古代ローマ時代『博物誌』Historiae Naturalis.を著した、プリニウスはイタリアの農産物の品質を称え、その由来を「健康的な森林や、道の通じている山々」「その豊富な水の供給」「豊穣な土壌と牧場」にあるとしています。
 そのイタリアの中でも、Vesuvius火山にい抱かれた、ナポリ周辺のカンパーニア地方の、オリーブ油、ぶどう酒、挽き割りの麦は、「インドの伝統的な驚異的事物」を除くと、最高水準のものだと絶賛しています。
 Vesuvius火山は、玄武岩と安山岩からなり、プリニウスが『博物誌』を著した時代には数千年の間、大きな噴火がなく、深い森林に覆われ、火山であることさえ忘れられていたそうです。

「 ヴェスビウス火山噴火の背景 」へ >


-ご参考- 

☆国立天文台編.『 理科年表 』 丸善.「おもな火成岩の化学組成」.「おもな堆積岩の平均化学組成」

☆プリニウス『 博物誌 』 Historiae Naturalis. 紀元77年.第三巻.第七十七巻.
☆(筆者は、世界の穀倉「チェルノーゼム土壌」、「プレーリー土壌」について、その母岩は、何か更に、知りたくなりました。)

+ ブログ内リンク +
インドの土壌 参考
植生の復活 2 へ. > (35年前の火山噴火現場)
植生の復活 3 へ. >
オーストラリアの火山風化土壌とコアラ>
桜島大根収穫へ. >

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