炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

毒ユーカリを食べてるコアラ?           NHK「地球・ふしぎ大自然」

2005-04-05 | 人災社会学!
昨夜、放送されたNHKの「地球・ふしぎ大自然-赤土が作ったコアラの楽園- 確かに、不思議でした。
番組ではこの地域が、かつての火山地帯であるために、土壌の栄養分が豊富で、樹木の生育がよく、コアラに木の葉を食べられても、木々は葉に毒素を出さないというものでした。

問題は、火山の溶岩の中に豊富な、窒素と燐が含まれ、その風化した土壌にも窒素が残っていると言うものでした。そこで、いろいろ火山岩の成分を調べてみましたが、火山岩中に窒素が含まれるものを見つけることは出来ませんでした。火山岩の栄養分としては、葉緑素を構成するマグネシウムが比較的豊富です。こちらの誤りではないでしょうか。

そのほか、カルシウムも含まれますが、燐、カリウムは微量しか入っていません。肥料の要素の代名詞、窒素と燐を、強調したかったのでしょうが、科学性にやや欠ける番組となってしまいました。

コアラは、もともとは、こうした抗体毒の少ない、肥沃な森に住んでいたのでしょうが、開発により毒入りユーカリを食べざるを得なくなったというのが、本当の処でしょうか。

子どもに、科学を逸脱した番組を見せるのは、理科嫌いを助長することでしょう。オーストラリアのコアラと日本の子どもが、二重写しに見えるのは私だけでしょうか。
火山噴火時に、結晶体の窒素分が析出することは、まれにありますが、火山岩中に、豊富な窒素が含まれるという話は、初耳でした。

画像. Credit: Bundan sikou blog.
-ご参考- 拙ブログ 「火山と土壌の肥沃度」

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