伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る

伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」の22年間の足跡を通じて、日本の歌謡界が最も輝いていた時代を振り返ります。

【改訂版】歌謡曲黄金時代と夜のヒットスタジオ-曲目リスト(35) 1974年7~8月

2008-04-29 | 夜ヒット/曲目(改訂・増補版) 73~74年

<1974年7月1日(第295回)>
君は特別 郷ひろみ
 詞:岩谷時子 曲:筒美京平 R:1974/06/21 HC:6位
 ※デビュー曲「男の子女の子」より8作連続で岩谷・筒美が作詞・作曲を担当(このコンビでの郷のシングル作品は同曲が最後)。
・小さな寝顔 橋幸夫
 詞:愛 なみ 曲:風間史郎 R:1974/05/25
・愛がはじまる時 風吹ジュン
 詞:有馬三恵子 曲:平尾昌晃 R:1974/05/01 HC:21位
 ※70年に上京し、モデルハウスのマネージャーなどをしながら、73年、イギリスの写真家、デビッド・ハミルトンに日本人としては最初のモデルに抜擢され、ユニチカのマスコットガールに。これを契機として74年5月に同曲で歌手デビュー。しかし、わずか4ヵ月後の同年9月に、事務所独立に関するトラブルを原因として、フジテレビでの特番収録中に当時の所属事務所が雇った暴力団関係者により彼女と担当のマネージャーが突如連れ去られるという事件が発生し、一時芸能活動が自粛。復帰後は「寺内貫太郎一家2」「岸辺のアルバム」(ともにTBS系)など女優としての活動へと移行。79年公開の東映映画「蘇える金狼」では娼婦役を演じ、その体当たりの演技が評価され、実力派女優としての地位を確立した。
・花嫁は泣いていた 江川ひろし R:1974/04/01

<1974年7月8日(第296回)>
・幸せ振り 宗田まこと R:1974/05/-
・熟れた果実 平山三紀(みき)
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1974/06/01
黄色いリボン 桜田淳子
 詞:阿久 悠 曲:森田公一 R:1974/05/25 HC:10位
 ◆第25回(1974年)NHK紅白歌合戦出場曲(初)
浜昼顔 五木ひろし
 詞:寺山修司 曲:古賀政男 R:1974/06/20 HC:5位
 ◆年間チャート(74年)21位(36.9万枚)
 ◆第5回(1974年)日本歌謡大賞放送音楽賞受賞曲
 ◆第25回(1974年)NHK紅白歌合戦出場曲(4回)
 ※1936年に日活映画「慈悲心鳥」の主題歌として発表された「さらば青春」(詞:佐藤惣之助、歌:藤山一郎)のリメイク版として発表。74年、古賀メロディーの代表的作品を集めたオリジナルアルバム(LP「影を慕いて」、同年7月発売)を制作した際に、五木の後見人でもあった作詞家の山口洋子初め関係者が古賀にオリジナルのシングル曲の作曲を打診。しかし、当時レコード業界に存在していた「専属作家制度」により、コロムビア専属の作曲家であった古賀が徳間音工所属の五木に正規の新譜の作曲を行うことは認められなかったため、その代替措置として、コロムビアの管理外にあった「さらば青春」のメロディーに新たな歌詞を付けるという形で同曲が製作されることとなった。その新たな歌詞は当時アングラ劇団「天井桟敷」を拠点に幅広く創作活動を展開していた人気劇作家の寺山修司が担当。強力な作家陣を擁したという話題性もあり、この曲は発売直後より好セールスを記録。最終的には同年のオリコン年間チャート21位を記録するヒットとなった。
・海がみたいの 小川知子
 詞:なかにし礼 曲:筒美京平 R:1974/06/05

<1974年7月15日(第297回)>
・愛のいさかい 三善英史
 詞:阿久 悠 曲:三木たかし R:1974/07/15
・私の場合 今 陽子
 詞:荒木とよひさ 曲:加瀬邦彦 R:1974/07/10
ひと夏の経験 山口百恵
 詞:千家和也 曲:都倉俊一 R:1974/06/01 HC:3位
 ◆年間チャート(74年)15位(44.6万枚)
 ◆第16回(1974年)日本レコード大賞大衆賞受賞曲
 ◆第5回(1974年)日本歌謡大賞放送音楽賞受賞曲
 ◆第2回(1974年下期)FNS歌謡祭・音楽大賞 最優秀歌謡音楽賞受賞曲
 ◆第7回(1974年)日本有線大賞大衆賞受賞曲
 ◆第25回(1974年)NHK紅白歌合戦出場曲(初)
 ※衝撃的ともいえる歌詞の内容が話題となり、「青い果実」以降3作連続で10万枚台の売上セールスで推移していたものが、この曲で初めて40万枚台のセールスを記録。この作品のヒットによって山口は女性アイドルの筆頭格へと大躍進を遂げた。
 
<1974年7月22日(第298回)>
・てっぺんまごころ 水前寺清子
 詞:星野哲郎 曲:安藤実親 R:1974/08/-
 ◆第25回(1974年)NHK紅白歌合戦出場曲(10回)
夏の感情 南 沙織
 詞:有馬三恵子 曲:筒美京平 R:1974/06/20 HC:5位
 ◆第25回(1974年)NHK紅白歌合戦出場曲(4回)
ポケットいっぱいの秘密 アグネス・チャン
 詞:松本 隆 曲:穂口雄右 R:1974/06/10 HC:6位
 ◆第25回(1974年)NHK紅白歌合戦出場曲(2回)
・君におくる愛のメロディー あいざき進也
 詞:安井かずみ 曲:穂口雄右 R:1974/07/25

<1974年7月29日(第299回)>
・涙の河 マギー・ミネンコ
 詞:橋本 淳 曲:中村泰士 R:1974/07/10 HC:23位
 ※ロシア出身の女性歌手・タレント。日本テレビ系「金曜10時!うわさのチャンネル」に片言の奇妙な日本語を話す「変な外人」として出演し人気を集めた。
・涙に微笑みを 風吹ジュン
 詞:有馬三恵子 曲:平尾昌晃 R:1974/08/01 
・ひとり囃子 小柳ルミ子
 詞:喜多条忠 曲:平尾昌晃 R:1974/06/10 HC:21位
・急げ!若者 フォーリーブス
 詞:千家和也 曲:都倉俊一 R:1974/07/21 HC:28位
 ◆第25回(1974年)NHK紅白歌合戦出場曲(5回)
 ※東宝映画「急げ!若者」主題歌。 

<1974年8月5日(第300回)>
■放送300回を記念して、大磯ロングビーチより公開放送を実施。
・銀座の恋 鶴岡雅義と東京ロマンチカ
 詞:なかにし礼 曲:平尾昌晃 R:1974/04/01
 ※「別れてきました」B面。
・花のフェスティバル 佐良直美
 詞:さがゆうこ 曲:佐良直美 R:1972/09/25
 ◆第25回(1974年)NHK紅白歌合戦出場曲(8回)
 ※「別れ話は背中にしてね」B面。7月に発売された新譜がTBS系ドラマ「ありがとう」(第4シリーズ、同シリーズでは京塚昌子と佐良のコンビが主人公の母娘を演じた)の主題歌として発売された関係からこの曲をヒットスタジオでは披露した。
うすなさけ 中条きよし
 詞:なかにし礼 曲:平尾昌晃 R:1974/07/10 HC:5位
 ◆年間チャート(74年)33位(29.5万枚)
・奇蹟の歌 山本リンダ
 詞:阿久 悠 曲:都倉俊一 R:1974/07/10

<1974年8月12日(第301回)>
・マリアの鐘 欧陽菲菲 
 詞:千家和也 曲:猪俣公章 R:1974/08/-
・花の唄 にしきのあきら
 詞:千家和也 曲:井上忠夫 R:1974/07/01 HC:98位
・ごめんなさい 朝丘雪路
 詞:なかにし礼 曲:筒美京平 R:1974/05/21
・恋愛志願 ミミ(荻原ミミ)
 詞:有馬三恵子 曲:井上忠夫 R:1974/06/-
あなた 小坂明子
 詞・曲:小坂明子 R:1973/12/21 HC:1位(1974/01/28-03/11)
 ◆年間チャート(74年)2位(164.9万枚
 ◆第4回(1973年)世界歌謡祭グランプリ受賞曲
 ◆第6回(1973年)ヤマハポピュラーソングコンテスト グランプリ受賞曲
 ◆第25回(1974年)NHK紅白歌合戦出場曲(初)
 ※16歳の時に、アマチュア演奏家のプロへの登竜門として位置づけられていた「ポプコン」に出場、グランプリに輝き、続く世界歌謡祭でもグランプリを受賞。高校在学中のときに作り上げたという小坂の音楽的才能、そして同曲の完成度の高さが評判となり、発売早々よりヒットチャートを急上昇、発売後1ヶ月でオリコン週間チャート1位に上り詰め、以後7週連続で1位の座を保守。最終的には160万枚以上の累計売上(オリコン調べ。尚、発売元のワーナー・パイオニア調べでは200万枚以上とされている)を記録し、この年の歌謡界を代表する大ヒットとなった。
 ※同年の紅白のステージではこの曲のみの指揮担当として実父でオーケストラ指揮者・ジャズミュージシャンの小坂務が特別出演、ステージ上での親子共演が実現した。

<1974年8月19日(第302回)>
・昼下がりの夢 林 寛子
 詞:千家和也 曲:鈴木邦彦 R:1974/06/25
・恋愛狂時代 ヒデとロザンナ
 詞:なかにし礼 曲:都倉俊一 R:1974/09/01
・太陽は傷だらけ 江川ひろし R:1974/09/-
・じゃあまたね 浅田美代子
 詞:安井かずみ 曲:吉田拓郎 R:1974/08/21 HC:17位
 ※浅田と同曲の作曲を手掛けた吉田はこの後、約2年の交際を経て77年に結婚(83年に離婚)。

<1974年8月26日(第303回)>
・闇夜にドッキリ 山本リンダ
 詞:阿久 悠 曲:都倉俊一 R:1974/08/25
 ◆第25回(1974年)NHK紅白歌合戦出場曲(4回)
・胸さわぎ 優雅(ゆうや)
 詞:有馬三恵子 曲:筒美京平 R:1974/07/01
・この道は遠けれど 尾崎紀世彦
 詞:なかにし礼 曲:筒美京平 R:1974/03/25
 ※「許しておくれ」B面。
・ここに愛がある ~ラブ・サインのテーマ~ トワ・エ・モアファミリー
 詞・曲:芥川澄夫 R:1974/07/-
 ※73年に解散したフォークデュオ「トワ・エ・モア」の芥川澄夫がリーダーとなり、同デュオのコンサートのバッグバンドを務めていた男性メンバー3人と、新たに女性ボーカル2人を加えた6人編成で結成されたフォークグループ。シングル2枚、アルバム1枚を発表したが、わずか1年弱で活動を停止している。
※芥川はこの後、東芝EMIのレコーディングディレクターへと転身。84年には東芝EMIの製作部門の1セクションが独立して発足した新会社「FAN HOUSE」に移籍し、岡村孝子らのプロデュースを担当。98年からは白鳥英美子とトワ・エ・モアを再結成、再び表舞台での活動を再開している。 

【司会】 芳村真理・三波伸介(・朝丘雪路<不定期出演>)


(参考)この頃の主な出来事
・07/04 第53代横綱・琴櫻引退。年寄「白玉」襲名(→14日、先代佐渡ヶ嶽親方急逝により、佐渡ヶ嶽を襲名)。
・07/07 第10回参議院議員選挙施行。元・NHKアナウンサーで自民党公認候補として出馬した宮田輝が全国区でトップ当選。このほか、女優の山口淑子・山東昭子、漫才師のコロムビア・トップらも当選。選挙結果は田中内閣の「日本列島改造」路線と、石油危機後の経済政策の乏しさから自民が敗北。これにより保守系(自民など)と革新系(社会など)の差はわずか7議席まで伯仲。
・07/07 台風8号と梅雨前線の活発化に伴い日本各地で集中豪雨発生(七夕豪雨)。
・07/08 第52代横綱・北の富士引退。年寄「井筒」襲名(→77年に、先代九重親方急逝により、九重を襲名)。
・07/12 三木副総理兼環境庁長官、田中首相の政治姿勢を批判し辞任。続く16日には、福田赳夫大蔵大臣、保利茂行政管理庁長官も辞任し、田中首相の求心力低下が顕著に。
・07/24 大関・北の湖が史上最年少の21歳2ヶ月で第55代横綱に昇進。輪島と共に大相撲は「輪湖時代」へと突入。
・07/25 漫才コンビ「エンタツ・アチャコ」として一時代を築き、今日の漫才の原型を築きあげた漫才師・喜劇俳優の花菱アチャコが死去。77歳。
・07/25 日本人バレリーナ、森下洋子が、ブルガリアの第7回バレエコンクールで女性部門第1位に輝く。
・08/08 ウォーターゲート事件の責任を取る形でニクソン・米大統領が辞任表明(アメリカ大統領の任期途中での辞任はこれが現時点では唯一のケース)。翌9日、フォード副大統領が第38代大統領に就任。
・08/15 韓国・ソウル市内で行われた独立記念式典の演説中に朴正煕大統領が大阪在住の韓国人・文世光に狙撃される事件(文世光事件)起きる。この事件により朴大統領の夫人である陸英修が流れ弾に遭い死亡。文は事件発生から4ヵ月後の同年12月20日に絞首刑により処刑された。
・08/15 俳優・津川雅彦、朝丘雪路夫妻の長女(生後5ヶ月)が誘拐される事件起きる。翌16日夜に犯人は逮捕され、長女は無事救出された。
・08/27 神奈川・平塚市でピアノ騒音に激昂した男が母子3人を殺害する事件発生。
・08/29 宝塚歌劇団、「ベルサイユのばら」初上演。
・08/30 東京・丸の内の三菱重工本社ビルで時限爆弾が爆発、8人死亡。


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