2016年2月号 洪水で4人死亡

カクマゾーンのナコヨ川の氾濫により4人が死亡した。

事故は2015年12月8日、カクマとロキチョキオを結ぶ道路で起きた。カクマ難民キャンプのセクション４に向かっていたトヨタプロボックス車が、氾濫している川を強引に渡ろうとし、橋の半ばまで来たときに、荒れ狂うエルニーニョの巨大な波に襲われた。

事故のとき、車には８人が乗っていた。３人が死亡し、５人が生き残った。死亡した３人は、ソマリアコミュニティに住んでいる難民だった。ファトゥマ・アブディ・ディブラエは５２歳で６人の子の母。二人の年少の男の子と一緒に車から出ようともがいたが、あえなく3人ともに犠牲になった。

不幸にも、同じナコヨ川で、流されている通行人を助けようとして、身元不明の自動車運転手も死亡した。流された二人のうち、一人の少年は見えなくなったが、その後に遺体で見つかり、１２月９日にキャンプの墓地に埋葬された。もう一人の少年は、１２月１４日まで見つからなかったが、その後見つかり、同様に埋葬された。

前出のプロボックス車の運転手は、死亡事故の関連で逮捕され、その週末までカクマ警察に拘留された。犠牲者の家族は、運転手を告発した。「運転手は、通行人たちや道路関係者が大声で止まれと叫んでいたにもかかわらず、これを無視して川に向かった。彼の責任は重大だ」　犠牲者の家族のジャマル・ファラーがKANEREに語った。家族３人を失い、嘆き悲しんでいるが、本件の裁判の行方を見守っている。

カクマでは、大雨が続くといつも水浸しとなり、キャンプ内の交通網が何時間も、時には数日の間寸断されてしまう。洪水の最中に川を渡るべきではないが、安全基準もないし、難民のあいだでも大雨に対する危険性は認識されていない。


【写真】　川を渡る場所　撮影：KANERE