Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2009年3-4月号 移動裁判所のカクマ訪問

2009年08月16日 | 最新ニュース
【写真】カクマの裁判所の建物

カクマ移動裁判所の3月期の審理に難民の訴訟は持ち込まれなかった。一方、地域住民の訴訟は毎月のように持ち込まれている。

移動裁判所の3月期の法廷がカクマで開かれたのは、2月終わりから3月の初めにかけてだった。いくつかの訴訟が裁判にかけられたが、難民が関与する訴訟はなかった。

カクマには――ロドワーやキタレjなど大きな町にあるような――毎日訴訟を審理する法廷がないので、移動裁判所が定期的にやってくる。裁判事件は集めて保管され、中部トゥルカナ地域の本部があるロドワーからカクマまで移動裁判所がやってくるのを待つ。

地元のケニア人と難民は、共にケニアの法律においては裁判権の対象であり、移動裁判所で訴訟を起こすこと出来る。

キャンプ・マネージャーのウィリアム・レナレモ氏によると、移動裁判所の体制は順調に機能しており、手際よくすべての事件を適時処理している。「すべての事件は平等に扱われている。法廷に書類が持ち込まれれば、必ず審問される。取り扱いを受けない事件は一つもない。移動裁判所は、一週間前には来るのが通例で、事前にすべての事件に目を通す事が出来るからだ」

UNHCRは弁護士を任命している。移動裁判所に持ち込む前に、手続きを円滑にし監視するためだ。UNHCRの弁護士達は、難民を弁護する仕事はしない。レナレモ氏によると、難民が弁護人に弁護を頼めるのは、弁護料を支払える場合に限られる。

ソマリア人コミュニティーの代表、ジャマ氏によると、「難民には弁護してもらえる弁護士がいない。UNHCRに弁護の責任があるが、ほとんど寄与していない。UNHCRの弁護団は話を聞いているだけだ。UNHCRの弁護団が法廷で難民を弁護するのは見た事がない」

三種類の法廷がカクマにやってきて事件を取り扱う。高等裁判所ではキタレの判事が裁判長を務め、殺人事件や反逆罪などの重要な事件を取り扱う。高等裁判所は一年に二回、カクマを訪れる。

民事裁判所ではロドワーからの判事が、レイプや暴力を伴う窃盗など、軽い事件を扱う。民事裁判所は一年に四回、カクマにやってくる。

カドヒ裁判所はキタレからやってくるカドヒ裁判官によって、イスラム教に関する結婚、離婚の争いなどを取り扱う。カドヒ裁判所は3か月毎にカクマに来る。


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