不祥事知らずのAIタレント CM席巻、知財対策なお課題(日経記事2025.6.14)
デジタル人材の育成に向けてスキルの可視化が重要になっている
経済産業省は2027年度までにIT(情報技術)スキルを認定する国家試験「情報処理技術者試験」にデータマネジメント(管理)などの区分を新設する方針だ。
デジタル人材のニーズの多様化に対応し、企業の不足感が強い人材の育成につなげる。
近くまとめるデジタル人材育成についての報告書案に盛り込む。政府は26年度までの5年間でデジタル推進人材を230万人まで増やす目標を掲げる。2年目にあたる23年度時点で84万人にとどまる。
新設を検討する「データ管理」区分は、データの活用目的に応じて現状を評価したりデータを整備したりする人材を想定する。
生成AI(人工知能)の開発には学習用データの収集や加工が必要になる。
高い技能を持つデータサイエンティストの業務がデータを整える前処理に費やされているとの指摘があり、専門人材の育成ニーズがある。
「デザインマネジメント」も新区分の候補に挙がる。
IT分野の製品やサービスの構想・開発段階から関与し、ユーザーが使いやすいシステムにつなげる技能を持つデザイナーやマネジメント人材を育てる。
入門編にあたる「ITパスポート試験」の出題内容も改める。偽情報などのリスクへの理解を促す。
情報処理技術者試験は1970年ごろに始まり、レベルや専門に応じて複数の試験を組み合わせる。
経産省と情報処理推進機構(IPA)が2027年度までに試験区分の新設や改廃などの詳細を詰める。枠組みの大規模な改定は09年以来になる。
IT系唯一の国家試験とされ、合格すると採用やキャリア形成で有利になるとの期待がある。
手当や一時金を出す企業もある。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進を背景に応募者は増加傾向にある。24年度は74万人が応募し、国家試験として最大級の規模を持つ。
報告書案はスキル習得が個人のキャリア設計に直結する「スキルベースの学習、育成、雇用の実現」が重要と明記する。
生成AIの普及により求められるスキルの変化が激しくなっていると指摘し、トレンドに応じた「ものさし」が必要と説く。
経産省は22年に策定した人材育成指針「デジタルスキル標準」を25年度中に改定する。
新たな職種としてデータ管理やデザインマネジメントを加え、必要なスキルなどを明記する見通しだ。
政府が24年に決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」は試験でスキルを可視化し、個人の継続的な学びと目的を持ったキャリア形成を目指す方針を記載した。
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石破茂首相は18日、量子研究の国際的な共同研究を推進するため2025年中に新たに5カ国と連携協定を締結すると表明した。欧州などの同志国を念頭に置き、中国への対抗を意識する。
茨城県つくば市内で記者団の質問に答えた。すでに締結済みの米国とは「システム開発やサプライチェーン(供給網)の強化など具体的な連携を進める」と語った。
これに先立ち産業技術総合研究所の新たな拠点「量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター」(G-QuAT、同市)を視察した。
開発に関わる企業関係者と会い、人工知能(AI)との連携についての意見を聞いた。
産総研の研究拠点に導入された富士通の量子コンピューター(茨城県つくば市)
拠点は25年度から本格的に稼働を始め、同日は本部棟の落成式だった。
富士通初の商用機や米国のスタートアップが手掛けた量子コンピューターなど最新の研究環境を整備した。
米エヌビディアの画像処理半導体(GPU)を2000基以上搭載したスーパーコンピューターも導入した。
日本は量子分野で19年に共同声明をまとめた米国に続き25年1月にデンマーク、4月に英国、5月に欧州連合(EU)と協力覚書を結んだ。
関連政策の当局者が話し合う多国間の対話も半年ごとに開いている。参加するオーストラリアやカナダ、フランス、ドイツ、オランダ、韓国、フィンランドなどと個別の連携を検討する。
量子コンピューターは「量子力学」と呼ぶ物理学の理論を応用した次世代の計算機だ。スーパーコンピューターにとっても困難な問題を超高速で解ける可能性がある。
暗号解読は機密情報の窃取につながり、センサーによる感知技術を使えば潜水艦の位置の特定などが可能になる。いずれも軍事転用でき、安全保障とも密接に関わる。
米マッキンゼー・アンド・カンパニーによると、中国政府は25年までに最大150億ドル(約2兆1900億円)を量子技術の研究に投じる。
首相は「5月末に政府の量子戦略を抜本的に強化していく」と明言した。
25年を「量子産業化元年」と位置づけると説明した。
産総研の拠点を核として「地方から世界に通じる次世代産業を生み出していく」と述べた。
スタートアップや中小企業の入居社数を5倍以上に増やす目標も掲げた。
量子コンピューター利用企業とのマッチングも促すと強調した。
政府は30年に量子技術を生かしたサービスなどの利用者数を計1000万人に増やす目標を掲げる。生産額は50兆円規模をめざす。
首相は「日本の高い技術力を生かした国際ルールづくりを加速し、量子コンピューターの性能評価の指標など標準化に向けた議論を主導していきたい」と話した。
国際電気標準会議(IEC)と国際標準化機構(ISO)は5月末に量子技術の標準規格を議論する国際会議を日本で開催する。
日経記事025.5.18より引用
NTTは9日、7月1日付で正式社名を現在の「日本電信電話」から「NTT」に変更すると発表した。社名変更は1985年の民営化以来40年ぶり。
また取締役に初めて外国人を選任する。8日にはNTTデータグループ(データG)の完全子会社化を発表した。一連の施策で、海外に照準を合わせた攻めの経営姿勢を鮮明にする。
「海外顧客にも通じる社名や字体を採用した。
グローバルな市場を意識して企業ブランドを高める」。9日、東京都内で開いた記者会見でNTTの島田明社長は「コーポレート・アイデンティティーの刷新」という言葉を使って、社名変更などに踏み切る理由を説明した。
社名変更や外国人取締役の起用は2024年のNTT法の改正に伴い可能になった。
民営化後、NTTの事業は固定電話から携帯電話、IT(情報技術)サービスに広がった。音の長短で文字を表す「モールス符号」などを使う電信サービスは2000年代前半に終了するなど軸となる事業は刻々と変化する。
年月を経るごとに正式名称と通称の「NTT」とのイメージのギャップが拡大していた。
新しいコーポレート・アイデンティティー(CI)を発表したNTTの島田明社長(9日、東京都千代田区)
「ダイナミックループ」と呼ぶ青色の会社ロゴはそのまま使う。NTTドコモでも採用することにした。
ただドコモのコーポレートカラーの赤は定着しているため、ロゴを赤色に寄せる。社名に付ける字体は「海外でなじみがある」(島田社長)として、NTTやNTT東日本などで丸みを帯びたデータGのほうに統一した。
人事体制でも変化がある。8日に完全子会社化を発表したデータGのパトリチオ・マペッリ取締役がNTT本体の取締役に就任する。
NTTはマペッリ氏の起用理由について「データGの海外事業の知見を持つ点」とした。国内事業の核になるNTTデータの社長は、金融部門に精通する鈴木正範副社長が昇格する。兼任していた佐々木裕社長は、データGの経営に専念する体制にした。
長距離通信を手掛けるNTTコミュニケーションズやシステム開発のNTTコムウェアはそれぞれ「NTTドコモビジネス」「NTTドコモソリューションズ」に社名変更するとも公表した。
NTTの社名変更や取締役人事は6月に開く定時株主総会で承認を得る。
大がかりな策を打ち出したのは海外展開を広げるためだ。9日は決算記者会見も開いた。すでに業績面でも海外目線が現れている。
26年3月期の連結純利益見通しは前期比4%増の1兆400億円とした。
けん引役はデータGが手掛けるデータセンターの建設・運営事業やITサービスだ。稼ぎ頭のドコモは振るわない。販売促進や通話品質の向上に関わる費用が先行する。
ITサービスで国内外の顧客開拓や深掘りをする。目先も需要が見込めるデータセンターの建設・運営事業では海外で大規模な投資をしていく方針だ。
データGを本体に取り込むことで次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」の投資もしやすくなる。
光技術を活用するアイオンは、電気による通信よりも高速で大容量、低消費電力となる特徴がある。
データGとの連携で、アイオンの開発を加速したり顧客網を拡大したりするつもりだ。
NTTが独自で展開している大規模言語モデル「tsuzumi(つづみ)」を基盤とする生成AI(人工知能)についても拡販できる可能性が高まる。
アイオンの協業相手には米インテルやソニーグループのほか、マイクロソフトやグーグルといった米テクノロジー大手がいる。
データGもデータセンター事業でアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトといった有力な顧客を抱えており相乗効果がありそうだ。
NTTが危機感を強め、18年ごろから始まったグループ再編は最終章を迎えた。
23年には1株を25株に分割し、25年3月末の株主数は過去最高の268万人と分割公表前の3倍近くになった。NTT株はもはや国民の資産形成という意味でも重要な存在だ。
NTTは9日、2000億円を上限とする自社株買いや、15期連続の増配を発表した。ただ業績の停滞感から年初来で3%安と、競合のKDDI(6%高)やソフトバンク(13%高)に比べて見劣りする。
島田社長は社名変更の感想を問われて「一抹のさみしさもない。未来に向かって成長していく」と話した。NTTの海外成長ストーリーは多数の株主らの期待も背負っている。
(野口和弘)
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ビジネスに関するその日に起きた重要ニュースを、その日のうちに深掘りします。
日経記事2025.5.9より引用
米政府などが支援を縮小する中、ゲイツ氏は私財の寄付を前倒しした=ロイター
【シリコンバレー=渡辺直樹】
米マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏(69)が設立した慈善団体のゲイツ財団は8日、2045年までに同氏のほぼすべての財産を含む2000億ドル(約29兆円)を発展途上国の公衆衛生の改善などに寄付すると発表した。
米政府などが海外支援を減らす中、対応を早めたという。
寄付は主に病気や栄養不足による母子の死亡の減少、致命的な感染症の予防、貧困の解消に用いる。
ゲイツ財団は設立25周年を迎え、これまで1000億ドル以上を寄付し、今後20年で寄付額を倍増させる。
ゲイツ氏はかねて死後に私財を寄付する方針を示していたが、同日、「当初の計画よりも早く財産のほぼすべてを寄付し、45年12月31日をもって財団を永久に解散する」と述べた。
これまではゲイツ氏の死後20年後に解散するとしてきた。
財団の声明文には、政府機関の縮小などで途上国への支援を縮小するトランプ米政権の代わりに資金を投じるとの意向がにじんだ。
「米国と英国、フランス、世界中の国々は支援予算を数百億ドル削減している。ゲイツ財団のような規模の慈善団体でさえ、生じている資金の溝を埋めることはできない。
現実には、米国からの資金援助なしにポリオ(小児まひ)を根絶することはできない」と記した。
トランプ米政権は国益に合致していないとして、海外支援を削減してきた。起業家のイーロン・マスク氏が率いる米政府効率化省(DOGE)を中心に歳出削減に動き、途上国の人道支援を担当する米国際開発局(USAID)を実質的に閉鎖に追いやった。
ゲイツ氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで、対立してきたマスク氏を「世界で最も裕福な男が、世界で最も貧しい子どもたちを殺しているという構図は美しいものではない」と批判した。
政府の歳出削減に取り組むイーロン・マスク氏=ロイター
また政府による関連する予算削減によってはしかやエイズウイルス(HIV)、ポリオなどの再流行を引き起こす可能性を指摘した。
財団はゲイツ氏がマイクロソフト株式などを原資に元妻のメリンダ・ゲイツ氏とともに慈善団体として2000年に活動を始めた。
米投資家のウォーレン・バフェット氏も加わり、途上国の疾病対策や貧困、ジェンダー平等などに取り組んできた。
24年にメリンダ・ゲイツ氏は共同議長を退任した。
日経記事2025.5.9より引用
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イーロンマスクは、最近、テーラースイフトに『俺の子供を産んでくれ』とXに投稿し、大きな非難を浴びました。
何でも金に任せ、アメリカで13人の一般アメリカ人女性に子供を産ませているようですすが、籍は入れていない。財産相続しなければいけませんからね。
本当にクソのような男です。
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