トランプ政権は対中関税で大幅に譲歩をする一方、自動車関税などは譲歩しない構えだ=AP
【ワシントン=八十島綾平、北京=塩崎健太郎】
米中両政府は日本時間14日午後1時1分に、相互に課していた輸入品への追加関税を115%引き下げた。
米国の対中関税は累計145%から30%、中国の対米関税は125%から10%になった。
スイスで10〜11日に開いた米中閣僚級協議での合意に基づいて実施した。一部の追加関税は90日間の一時停止とし、2国間で協議を続ける。
トランプ米大統領は12日に署名した大統領令で、14日から下げるよう政府に指示した。
米国が中国からの輸入品にかける追加関税は30%になる。
これは「相互関税」の基本税率10%と、違法薬物対策の名目で中国にかける20%の追加関税を足し合わせた税率だ。
中国からの800ドル(約12万円)以下の小口貨物にかける120%の関税も54%に下げた。
自動車や鉄鋼・アルミニウムなど分野別は、中国との合意では対象外となった。トランプ氏は12日、ほかの国との交渉では分野別関税を譲歩するか問われると「そんな話はしていない」と交渉対象にしない考えを強調した。
トランプ氏は13日放送の米FOXニュースのインタビューで今後の米中交渉について、最終合意段階で習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談が必要になるかは「わからない」と述べた。
米国は相互関税の10%の基本税率を巡り、8日の英国との合意と12日の中国との合意いずれでも譲歩しなかった。今後も他国との交渉で譲歩することはないとみられる。
中国は2〜3月に発動した米国産の液化天然ガス(LNG)や大豆などへの最大15%の追加関税は維持する。
トランプ政権は4月2日に相互関税を公表して以降、中国が報復措置に動いたのを理由に最終的に税率を145%に上げた。中国も米国への追加関税を125%にした経緯がある。
- トランプ政権の関税政策の背景について教えてください
- 米中閣僚級協議の内容とその影響について教えてください
- 分野別関税が交渉対象外となった理由を教えてください
- 中国からの輸入品に対する関税率の変遷を教えてください
