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ChatGPTの顔アルトマン氏、突如解任 開発・提携で溝か

2023-11-18 14:37:27 | AI・IT・ソフトウェア・サイバーセキュリティ・メタバース・NFT・ゲーム、


            オープンAIのCEOを退任したサム・アルトマン氏



【シリコンバレー=渡辺直樹】生成AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を開発した米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が17日、突如退任した。

同社は2015年に設立し、生成AIブームで企業価値は13兆円に急拡大する中、開発や提携をめぐり取締役会と溝が生じたとの見方が出ている。米アップルのスティーブ・ジョブズ氏など、米テック企業では過去にも創業者が解任された例がある。




「オープンAIで過ごした時間が大好きだった。私個人にとっても、できれば少し世界にとっても、変革をもたらすものだった」。アルトマン氏は退任直後にX(旧ツイッター)でこう投稿した。チャットGPTが22年11月に公開され世界に衝撃を与えてから、わずか約1年での退任となった。

今回の解任の決定を下したのは、同社の取締役会だ。共同創業者でチーフサイエンティストのイリヤ・サツキバー氏、質問サイトを運営する米クォーラのアダム・ディアンジェロCEOなどのメンバーで構成している。オープンAIはアルトマン氏に関し、「オープンAIを率いていく能力をもはや信頼していない」と厳しく批判するコメントを発表した。


暫定の後任は技術担当役員


後任には最高技術責任者(CTO)のミラ・ムラティ氏が暫定CEOに就き、新たなCEOの人選を進めるとしている。


                      ミラ・ムラティ氏は11月の技術者会議に登場した

 

ムラティ氏は航空部品の仏ゾディアック・エアロスペースや米テスラで技術開発を担当した機械エンジニアで、18年にオープンAIに入った。22年にCTOとなり、チャットGPTや画像生成AI「DALL-E(ダリ)」を担当し、直近ではアルトマン氏とならんで技術イベントなどに登場する機会も増えていた。

今回の退任決定ではアルトマン氏に近く、共同創業者で社長のグレッグ・ブロックマン氏も退任し、自らオープンAIを離れる意向を示している。

 


                                       グレッグ・ブロックマン氏

 

アルトマン氏の部下のオープンAIの社員も突如オープンAIから解雇されたとXに投稿した。「アルトマン氏本人も解任を知らされていなかったようだ」と近い関係者も明かす。退任劇は突然の通告だったようだ。

アルトマン氏はオープンAIが22年11月にチャットGPTを公開し、世界中で生成AIの称賛と批判が巻き起こると、世界ツアーを敢行し、4月以降20カ国以上の各地の規制当局や大学などを飛び回ってきた。



CEOで経営を管理する立場ながら、米議会や欧州の当局などことあるごとに証言や会合に出席し、本社のあるサンフランシスコ市を離れることも多く、「アンバサダー(大使)」「アルトマン外交」と呼ぶ声も多かった。

もともとアルトマン氏は非常勤で参加したスタートアップ支援の米Yコンビネーターで頭角を現し、社長に上り詰めた経歴を持つ。生粋の技術者というよりは起業家・起業支援のプロという側面が強く、研究開発を中心にAIの革新を進めるオープンAIの中で温度差が生まれていった可能性がある。



オープンAIから創設メンバーが離れるのは初めてではない。15年の設立当初は利益を追求せず、非営利の純粋な研究法人としてスタートしたものの、19年には米マイクロソフトの投資を受け入れた。創設メンバーだったイーロン・マスク氏はオープンAIを離れ、自らAI開発の新会社xAIを設立した経緯がある。



米テック企業、「創業者追放」の歴史

米テック企業で自らが創業した会社に解任されるケースは珍しくない。代表的な事例がアップルのスティーブ・ジョブズ氏だ。1985年に経営方針を巡る対立が原因で自ら引き抜いた社長によって会社から追放され、その後映画会社ピクサーの設立などを経てCEO復帰を果たした。

ツイッターも共同創業者のジャック・ドーシー氏が08年にCEOの座を追われた。15年に復帰したが収益が低迷し、その後イーロン・マスク氏による買収へとつながった。



アルトマン氏の退任劇について、あるシリコンバレーの金融関係者は「オープンAIはスタートアップから、より『企業』としての側面が大きくなってきたのではないか」と分析する。

オープンAIの企業価値は860億ドル(約13兆円)と半年で3倍になった。マイクロソフトはオープンAIに21年と23年にも巨額投資し、金額は1兆円以上にのぼる。



今後、提携戦略の行方も焦点になる。チャットGPTで先行したオープンAIだが、ライバルの米グーグルがAIシフトを加速し、新たなAI基盤の開発も進めている。米アマゾン・ドット・コムも、オープンAIのライバルである米アンソロピックに最大40億ドルを投資すると発表した。

生成AIがさらに性能を高めていくには大規模なデータセンターや半導体調達・開発といったハードも必要になり、投資競争になる。マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは「スーパーコンピューターへの投資がなければオープンAIはマイクロソフトを(提携先に)選ばなかっただろう」と話す。



マイクロソフトは投資回収のためオープンAIの技術を独自に囲い込む戦略を加速している。オープンAIは今後、独立した形で経営を維持していくのか、新しいCEOは今後こうした難しい決断を迫られる。


 

 

 

日経記事 2023.11.18より引用

 

 


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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CCSCモデルファン (ストライベック)
2025-05-17 06:58:33
最近はChatGPT(LLM)や生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術とは違った日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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