慶應義塾大学名誉博士号の授与に際したEUフォン・デア・ライエン委員長のスピーチ(2025.07.23)
慶應義塾大学名誉博士号の授与に際したEUフォン・デア・ライエン委員長のスピーチ(2025.07.23)
何が起きている?なぜトランプ政権は留学生の受け入れを禁止に?ハーバード大学の“騒動”をわかりやすく解説!
米国に滞在する留学生のビザ取り消し問題は全米の大学に波及している
トランプ米政権による不法移民の取り締まり強化が日本人留学生にも影響を及ぼしている。
米国に滞在する留学生の学生ビザ(査証)取り消しについて複数の州で起こり、自動車運転の速度違反を理由に取り消された例もあるという。
外務省によると、学生ビザを失効させられたとの相談は全米各地の総領事館に複数寄せられている。「1月のトランプ政権発足より前は、日本人の学生ビザ取り消しが相次いだことはない」と話す。
理由に心当たりがない学生もいると説明する。
留学支援を手掛ける海外留学協議会(JAOS、東京・新宿)の上奥由和理事長は「車の運転中にスピード違反を犯したり、魚釣りで規則を守らずに多くの魚を釣り上げたりしたため、学生ビザを失った人がいる」と明かす。
いずれも「これまでに聞いたことのない理由だ」と語る。出発前の学生にこれまでの取り消し事例を説明し注意を呼びかけている。
ビザ取り消しの事例は今のところ大学生らが大半のようだ。
商社や金融機関が社員を外国で勉強させる企業派遣型の留学準備を支援するアゴス・ジャパン(東京・渋谷)は「大手企業などの社員は身元がはっきりしており、取り消しの対象になりにくいようだ」と説明する。
トランプ大統領は不法移民対策を重要な公約に掲げ、合法滞在者である留学生への規制も強める。
移民局は4月、学生ビザや永住権の申請者について、SNS上で「反ユダヤ活動」を発見した場合は申請却下の理由になると発表した。
「公的な場所で意見を述べることに恐怖を感じる」。米東部マサチューセッツ州で暮らす日本人女子学生(22)は不安を隠さない。
きっかけはトルコ国籍の大学院生が3月にイスラエルのガザ侵攻を巡る抗議デモに関与したとして当局に拘束され、ビザを失ったニュースだ。
在籍する大学から抗議デモへの参加を控えるよう通知を受け取った。
ガザ侵攻について学内の新聞やSNSで発信したり、パスポートなど出入国を記録した書類を持たずに州をまたいで移動したりすると、ビザ抹消の理由になり得ると注意を受けた。
米移民弁護士協会は4月、ビザの取り消しに関する報告書を公表した。トランプ氏が大統領に就任した1月20日以降に滞在資格を取り消された留学生は全米で4700人を超えた。
ビザや滞在資格の取り消し通知のうち327件を分析したところ、半数がインド出身だった。中国が14%で続き、韓国やネパール、バングラデシュの学生もいた。
米国際教育研究所(IIE)によると、2023〜24年度に米国の大学などに在籍した留学生の数は112万6690人で前年から6.6%増えた。日本人は1万3959人で13%減った。
影響は米国留学を計画する学生にも及ぶ。JAOSによると、今夏の渡米を予定する学生のビザ申請は想定より2カ月遅れている。
東京にある米国大使館の予約がとれず、航空券の手配など準備作業に入れないという相談も寄せられている。