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バックロードホーンのスピーカーを、FE-208NSに交換しました。

2020-10-27 00:14:42 | オーディオ

バックロードホーンのスピーカーを、フォステクスのFE-206EnからFE-208NSに交換しました。FE-206Enと同レベルの低域の音量を確保できると判断したからです。交換してから1ヶ月経ち、FE-208NSの音質を、FE-206Enと比較して評価しました。

経緯
FE-206Enは使い込むうちに、低域の音圧レベルが上昇し、出過ぎではないかと思えるくらい低域が出るようになった。
しかし、スピーカー表面の汚れが目立つようになり交換を考えていた。そして交換に際し、1ランクアップした製品としたい。
ただ、スピーカー交換の条件として、低域のレベルは、十分に聞こえる現状の音圧レベルを維持したい。

低域音量の確保
そんな中、フォステクスから新しいスピーカー"FE-208NS"が発売されました。
FE-208NSの製品説明を見ると
1. 「質と量のバランスのとれた低域」との記述がある。
2. Q0が0.22と、大きい。
3. 周波数特性を見ると、50Hzから85Hzぐらいまで水平に近く持ち上げている。50Hzから85Hzの水平部分の音圧レベルは87dBで、平均音圧レベル(SPL) :94dBとの差が7dBと小さい。

上記の3点から、低域の音量を確保した製品だと判断しました。FE-208NSを早速購入です


FE-208NSの音質の評価
スピーカーの交換から1ヶ月経過したので、FE-206Enと比較しての、FE-208NSの音質の評価です。
・低音域
過不足ないレベルだ。
最初は中高音域が中心の音だったが、徐々に低域のレベルが上ってきた。コーン紙も含め全体がほぐれてきたようだ。今後、FE-206Enと同じレベルまで低域音量が増えるかも。

・中高音域
FE-206Enと比べ、混変調が減ったのか、スッキリした音となった。また、音の定位もしっかりしている。
きれいに明快に聞こえるこの音は、強力な磁気回路を駆動するバックロードホーンでなければ、味わえない音だ。

スピーカーの取り付け

FE-206Enの取り付けはネジが4本だったが、FE-208NSは本体の穴径Φ6mmに、8本のΦ5mmネジ取り付けとなっている。
穴開けに精度が必要で、手作業ではまず不可能だと思う。
代わりに、トラス形状Φ4mmのタッピングネジを用いた。頭の経は付属のΦ5mmネジと同じだ。(板の穴径はΦ3mm)



バックロードホーン関連
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バックロードホーン(BH)スピーカーの製作

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金属タワシを用いた仮想アースを製作し、フォノ・イコライザーアンプのグラウンド端子に設置しました

2020-10-12 16:20:59 | オーディオ

ステンレスタワシ、真鍮(黄銅)タワシ等の金属タワシを用いた仮想アースを自作し、、フォノ・イコライザーアンプのグラウンド端子に接続して、クリアで密度の高いなめらかな音質を得ることができました。金属タワシ仮想アースの原理、製作方法、エージング、メンテナンスについて紹介します。

経緯
ファイルウェブコミュニティでは、2019年の秋頃から金属タワシ仮想アースについてたくさんの記事が投稿されている。
金属タワシ仮想アースにより、音がクリアになり、さらに、利用する金属の種類により音質の変化が生じるので、個々の方々が、金属を独自の配合で組み合わせ、好みの音質に仕上げている。そして、原材料が安価なことも魅力の一つとなっている。

当方も、真空管イコライザーアンプの自作品に金属タワシを用いた仮想アースを設置したところ、レコード再生に効果のあることが分かった。.

金属タワシ仮想アースの原理
周囲の電位を持つ物体から、静電誘導により、金属は表面に電荷を帯びます。
しかし、V=Q/C の式から、電荷Qを帯びても、容量Cが大きいと金属表面に発生する電圧Vは減ります。

金属タワシ仮想アースにより容量Cを増やし、周囲からの雑音成分により発生する電圧Vを減らします。

金属タワシ仮想アースの製作
ファイルウェブコミュニティの住人の"ビジヤン"さんの記事を参考にさせていただきました。
金属タワシの種類(スチール、銅、ステンレス、真鍮)による音質の変化、金属タワシを入れる容器の材質による音質の変化等、素晴らしいレポートとなっています。


1リットルガラス容器の中に、1本のアース棒(当方は屋内配線材:1.6ミリ2芯電線の被覆を除去した銅単線)を通し、金属タワシを押し込む。
下からステンレスタワシ3個、真鍮タワシ3個、ステンレスタワシ4個の3層にした。タワシ層間の分離は必須で、不織布を利用した。

なお、1リットルガラス容器は西友(517円)、タワシはAmazonで購入した。

エージング
最初は荒れた音から始まり、1日経つと落ち着いて、密度の高い、なめらかな音質に変わっていきます。

メンテナンス
ステンレス、真鍮は長期間空気に触れていると、表面に酸化皮膜を形成する。その被膜が絶縁体として作用し、仮想アースとしての機能を失わせる。
密閉されたガラス容器の中に入っているので酸化の速度は遅いが、"高域が荒れた音になる"、"低域が出過ぎる"、等の音の変化を感じたらメンテナンスが必要だ。

ガラス容器から金属タワシを全部取り出し、再度押し込めば良い。金属タワシ間、金属タワシとアース棒間に新しい金属接点が生まれ、仮想アースが復活する。

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コンデンサーの誘電正接(tanδ)を正しく理解する

2020-10-03 00:29:37 | オーディオ

真空管フォノイコライザープリアンプの自作で、"音質向上のために誘電正接 (tanδ)の小さいコンデンサーの採用"を記載したが、「誘電正接」をWEBで検索すると、ほとんどの説明がどうもおかしい。

ウィキペディアで誘電正接 (tanδ)が説明されているが、その内容がおかしいので影響が広範囲に及んでいるようだ。

ウィキペディアの誘電正接の説明を見ると、コンデンサーの等価回路として、容量成分Cに抵抗成分Rpが並列に接続されている。
これだと、コンデンサーを電位差のあるところに接続すると、電流が流れてしまう。コンデンサーの機能としては欠陥品で、あってはならない事だ。
また、誘電正接tanδの式(Ir/Ic= 1/ωCR= tanδ)もおかしい。


そこで、誘電正接を正しく理解したいと思う。

コンデンサーは固有の損失値(抵抗成分R)を含有し、コンデンサーの等価回路は、以下の容量成分Cと抵抗成分Rとの直列回路となる。

(実際にはインダクタンス成分Lも含んでいるが、本編には不要なので省きます。)

伝達関数で表現すると、
1/jωC+R

コンデンサーの誘電正接(tanδ)の定義は、抵抗成分値Rを容量成分のインピーダンス(リアクタンス)値 1/ωC で除した(割った)式となる。
誘導正接(tanδ)= 抵抗値/容量成分のインピーダンス値= R/( 1/ωC)= ωCR= 2πfCR

抵抗成分値Rが小さいほど、誘電正接(tanδ)値つまり角度δが減り、コンデンサーとして理想の進み位相90度の角度に近づく。

例として、真空管フォノイコライザープリアンプのカソードに用いた、PSGシリーズ 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ-16V/470μFの誘電正接(tanδ)を求めてみる。

日本ケミコンのPSGシリーズ 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ-PDF: https://www.chemi-con.co.jp/catalog/pdf/al-j/al-sepa-j/002-cp/al-psg-j-2020.pdf

コンデンサーの等価抵抗が、16mΩとなっており、周波数f=120Hzで
tanδ= 2πx120Hzx470μFx16mΩ=0.0057

普通の電解コンデンサーの等価抵抗は80mΩ程度で、tanδは0.028ぐらいだから、電解コンデンサーとフィルムコンデンサーの中間の特性値だ。

コメント (1)
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E88CCを使った真空管フォノイコライザーアンプ 電源回路の紹介

2020-09-09 00:38:13 | オーディオ

真空管フォノイコライザーアンプの電源回路部の紹介です。

使用電圧と電流
・B電源(回路用電源): 200V 37mA (3.5mAx6、7.8mAx2)

・A電源(ヒータ用電源): 6.3V 1.2A (1個の真空管に、2回路の6.3V150mAヒータ回路)
参考にした単行本では、ヒータ電圧を6.3Vではなく、6.0V(実際にはヒーター2個をシリアルにして12.0V)が、当たり前のように採用されている。当方は、何台も作るわけではないので、冒険せずに正規の6.3Vでいくことにした

そして迷ったのが、「ヒーター用の6.3Vをどうやって作ろうか?」
結局、トランスの6.3Vを2回路直列にして、12.6Vからブリッジ整流して、14V-15Vの電圧から6.3Vに落とすことにした。1.2Aと電流値が大きいので、大きなヒートシンクが必要となる。

なお、トランスのヒータ用電流容量は、ブリッジ整流とすると 1.2Aでは足りず、1.2A/0.63=1.9A以上を選ぶ必要があるようだ。
(参考: 整流回路について (https://seppotl.web.fc2.com/zht03/acdc.html)

トランスを選ぶ
上記の使用電圧と電流に対応できるトランスは、1個しかなかった。:ゼネラルトランス販売株式会社 PMC-130

ヒータ電流は2Aで、ギリギリ。
回路用電流は130mAで、かなり余裕がある。良い音が出そうだ。

電源回路
回路図(部品配置のとき間違えないように、IC、FETは実体図で作成した。)


・B電源(200V)回路は、単行本の安井さんの作品を参考にさせていただきました。
安井さんの作品では低雑音ツェナーダイオード"HZ36L"が使われているが、既に廃品種なので、代わりにアメリカMicrosemiの"1N4126-1"(51V)を用いた。
最大ノイズの規格があり、40μV/√Hzとなっている。"HZ36L"は1mAで180μV/√Hzだから、雑音レベルが1/4の低雑音のツェナーダイオードだ。

定電流ダイオードで0.5mAの電流を、4個直列のツェナーダイオードに流し、204Vの基準電圧を作っている。FETのソースフォロアーを利用して、チャンネルごとに電圧約200Vの定電圧出力とした。

安井さんの作品で特徴的なのが、アンプ回路用電源コンデンサーとして、0.022μF(又は0.033μF)を1個しか使っていない事だ。
アンプ回路に生じる電圧・電流変動は、FETのソースフォロアー制御で全て対応することにより、「立ち上がりの良い再生音が得られる」とのこと。

FETは2nSのスイッチング動作が可能で、音声周波数帯域の電圧・電流制御は遅延なく行える。容量のあるコンデンサーを使うと、逆に充電時間が必要となるからだと思う。

今回の自作のアンプ回路用電源コンデンサーは、0.1μFが2個の0.2μFとしている。今のところ、問題は起きていない。今後行う改善改良で、コンデンサー容量を減らすつもりだ。

・A電源(6.3V)
ブリッジ整流して、チャンネルごとに6.3V定電圧レギュレータICで出力している。
その入力波形と出力電圧を示す。

上がブリッジ整流後のコンデンサー部分の波形で定電圧レギュレータの入力波形(1目盛り5V)、下が定電圧レギュレータの出力波形だ(1目盛り5mV)。

下の定電圧レギュレータの出力波形をみると、入力波形が上昇電圧になると、それを過制御して電圧を急下降させ、急上昇している。
1波長が50Hzの低周波の制御だから、トランジェント応答とは違う。多分こんな制御をする定電圧レギュレータなのだろう。

この出力波形がアンプ出力からの電源ノイズの原因になっていると思う。
今後、NS(TI)製の"LM317"又は"LM350"に変更予定だ。
(両方ともに廃品種なのか、価格が上がっている。秋月で、LM350Tを注文した。)

実装

プリント板はシャーシから5mmスペースがある。
5mm厚のアルミ棒を切断してヒートシンクとして利用した。IC、FETを固定するネジで、アルミ棒をシャーシに固定した。

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E88CCを使った真空管フォノイコライザーアンプ アンプ回路の紹介

2020-08-31 00:03:44 | オーディオ

真空管フォノイコライザーアンプのアンプ回路部の紹介です。

回路構成
1チャンネルの回路図です。

左の入力から順に、増幅回路、RIAAイコライザー回路、増幅回路、レベル調整回路、バッファー回路の構成となっている。

・1段目、2段目の増幅回路は両方とも同じ構成で、カソード抵抗にコンデンサーをパラにして、無帰還型(フィードバック無し)としている。歪み特性の結果から、無帰還でも充分な性能を有している。

ロードライン図を示す。

赤い線が1段目の静特性、2段目の静特性、動特性を示す。黒い線は、1段目にイコライザー回路が接続された場合の動特性だ。
3.6mAの電流を流して、歪が少ない動作点を選んだのが良い結果に繋がっているようだ。

・3段目のレベル調整回路は、1段目、2段目の増幅回路から、カソードのコンデンサーを外し、カソード抵抗を追加した構成だ。カソード抵抗による電流帰還量により、レベル調整が可能だ。
回路全体のゲインが45dB(178倍)となるように、カソードに9.1KΩの抵抗を追加して、28dBから9.4dBまでゲインを下げている。

・ゲイン配分
1段目増幅回路:27.6dB +RIAAイコライザー回路:-20.4dB +2段目増幅回路:28.4dB +レベル調整回路:9.4dB =45.0dB(177倍)  (実測値:43.8dB)
1段目と2段目の増幅回路でゲインが違うのは、1段目では後段にRIAAイコライザー回路が接続するので動特性でのプレート抵抗値が減少するためだ。

なお、本イコライザーアンプの後段にプリアンプを利用する場合は、レベル調整回路を省いても良い。2段目の増幅回路のプレート出力を、4段目のバッファー回路のグリッド入力に直接接続する。

参考にした単行本では、レベル調整回路の前に各種の信号入力、ボリューム調整を付加して、余ったゲインを利用している。今回の自作ではイコライザーアンプのみの機能として、高音質を目指している。

・4段目のバッファー回路は、カソードフォロアーで出力インピーダンスを下げている。
カソードフォロアー用には、普通、真空管12AU7が採用されるが、E88CCも同様に電流が流せるタイプで、また出力インピーダンスも下げられる。更に、同じ真空管4本を使えるメリットは大きく、E88CCを採用した。
出力のコンデンサーは2.2μFと大容量の値を選んでいる。後段のメインアンプの入力インピーダンスが10KΩでも、低周波域の周波数特性が落ちないようにした。

音質向上
抵抗とコンデンサーは、回路の一部に高音質素材を選んで採用した。目指したのは混変調の無いヌケの良い音、アタックを感じる音だ。

・抵抗
抵抗の被膜の誘電率、材料の磁性体等が音に影響を与えるようだ。理由のつかないものは採用しなかったので、以下のスケルトン抵抗のみの利用となった。
2Wのプレート抵抗、最終段のカソード抵抗: 福島羽葉電機のスケルトン抵抗 (抵抗の被膜を除去して、抵抗体上に生じる容量成分を無くしている。)

・コンデンサー
誘電正接 (tanδ、ESR)が小さく、耐電圧が高いコンデンサーを選んだ。ただ、その特性のコンデンサーを部品専門WEBサイトで探すと、非常に高価だ。また、データシートも掲載されていない。
結局、Panasonic、日本ケミコンの産業用コンデンサーを採用した。

段間の0.1μ、1.0μ、2.2μFコンデンサー: PanasonicのECQUAシリーズ メタライズドポリプロピレンフィルム
RIAAイコライザーの0.047μ、0.015μFコンデンサー: PanasonicのECHU(C)シリーズチップコン メタライズドPPSフィルム
1段目、2段目のカソードのコンデンサー470μF: 日本ケミコンのPSGシリーズ 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ

なお、入力部の220pFのコンデンサは、MMカートリッジの周波数特性改善用に付加してある。(NISSEIのポリプロピレンフィルム)

エージング
最初は高域のみの厚みのある音から始まり、徐々に低域が出始めて音が落ち着いてきた。その後、充分な量のしまった低音になるまでに、1週間以上掛かった。多分、PanasonicのECQUAシリーズ フィルムコンデンサーが長いエージング期間を要したと思っている。

実装

1チャンネルを1枚のPWB(aitendoの真空管ユニバ基板 UP-MT9P-B)に実装した。PWBにソケット用穴が空いており、真空管のソケットを挿入して金具でねじ止めしてある。PWB裏面には、ソケットの足があるので、空中配線を含む部品実装がある。

回路図から部品配置の実装図を作成したのだが、真空管アンプ特有の以下の3条件が重なり苦労した。
・2つのアンプ回路がそれぞれ真空管の円周の対象の位置にある。
・1.0μ、2.2μFコンデンサーが大きい。
・ソケットを固定する金具が大きい。

3度目の実装図作成でなんとか配膳できた。

逆作用ピンセット

ブリント板への部品のはんだ付けでは、右手にハンダごて、左手にハンダを持つと、部品をはんだ付け位置に固定できない。
そこで、逆作用ピンセットを部品固定に利用した。部品を確実に挟むために、先端にはシリコンチューブを取り付けた。
2製品(HOZAN、goot)を購入して判ったのだが、HOZANの方が先が細い。1本だけならHOZANの方だ。(1mm経のシリコンチューブ使用)
チップコンのはんだ付けには、必須だった。

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