ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

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山秋真『原発をつくらせない人びと-祝島から未来へ』2012・岩波新書-30年間、非暴力で闘う姿に学ぶ

2024年03月11日 | 随筆を読む

 2017年のブログです

     *  

 山秋真さんの『原発をつくらせない人びと-祝島から未来へ』(2012・岩波新書)を読みました。

 すごい本です。

 2012年に出ていたこの本を今まで知らなかったのが恥ずかしいです。

 この本も旅先の旭川の本屋さんで見かけて買いました。

 旭川と原発、あまり関係はないようですが、なぜか、岩波新書のところにこの本が平積みになっていて、本の帯の「30年以上、<非暴力>であらがいつづけて」という文章にひかれて購入しました。

 同じく、本の帯には「うちら、海を汚さないように、ずっとお願いをしているですよ」とありますが、この本のテーマは、端的に言えば、お金をもらうか、自然を守るか、という問題につきます。

 山口県上関町の原発計画地域の漁民たちが、原発による海の汚染を心配して反対をし、そこに国や県や電力会社などが地域振興を理由に賛成に回り、反対派は厳しい状況になります。

 さまざまかけひきややりとりがあり、しかし、漁民たちは、原発で自然を破壊したら元には戻せない、ということを理由に団結し、国や電力会社と闘います。

 裁判所や海上保安庁も漁民の立場に立ってくれることはなく、厳しい闘いが1982年からずっと続きます。

 そうして、2011年3月11日、福島の事故があり、県の姿勢が変わり、なんとか一息をついたところで、本書は終わります。

 しかし、まだまだ、おそらく、安心はできません。

 国の姿勢は変わっていませんし、福島のあとの原発再稼働の動きも強いですし、裁判所の判断はまだまだ甘いです。

 また、じーじはこの本を読んで、辺野古の人たちに頑張ってほしい、とさらに強く思いました。

 非暴力で、手作りの反対運動、という点で、両者は非常に似ています。

 辺野古の人たちも、根本のところは、自然を守ってほしい、ということにつきると思います。

 地元の人たちが守りたい豊かな自然を守らずに、日本を守ることはできないでしょう。

 住民を犠牲にしてはいけません。

 住民を守るためにも、自然を守るべきではないのでしょうか。    (2017.8 記) 

     *

 2022年11月の追記です

 またまた原発60年説が出てきて、危ない動きですね。

 ウクライナでは停電で苦しんでいるのに、日本の夜は昼間のようです。    (2022.11 記)

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 2024年3月の追記です

 先日のTBS「報道特集」で建設されなかった能登半島の珠洲原発のことを知りました。じーじはうかつにも珠洲原発のことはこれまで全く知りませんでした。反省です。

 いろいろ調べてみると、ちょうど新潟の巻原発が住民投票の結果で建設中止になったのと同じころのようです。

 珠洲原発も巻原発も住民のちからで建設を阻止したすごい例です。

 世の中にはすばらしい人たちがいっぱいいるんだな、と改めて希望を持てた気がします。   (2024.3 記)

 


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