中間玲子のブログ

仕事のこととか日々のこととか…更新怠りがちですがボチボチと。

『教育コミュニケーション論』

2011-08-04 12:47:42 | 授業日記
2010年3月に、教育コミュニケーションコース
社会学の先生であられた杉尾宏先生が退官されました。

それを機に、コース看板授業である
「教育コミュニケーション論」のテキストを作ろう!
ということになりました。

退官記念の本としてではなく、大学院の授業のテキストに
耐えうるものを作ろう!ということで、
当時の教員たち6名
(杉尾先生、安部先生、渡邊先生、宮元先生、大関先生、私)
が、その授業で論じていることをそれぞれまとめました。

それがこの度、ようやく出版の運びとなりました。

コースのホームページでも
紹介させていただいています。



個人的には、このカバーデザインが大変気に入っています。
暑い季節にぴったりの涼しげなデザイン。
手に取ったときの感触もよい感じの紙質で、
ソフトカバーのよい作りになっています。

というわけで、来年度からは、前期授業「教育コミュニケーション論」で
このテキストを使うことができます♪

目次は以下のとおり:
序章 近代学校の権力構造とコミュニケーション(杉尾宏先生・社会学)
一章 日常的行為としての教育コミュニケーション(中間玲子・心理学)
二章 対話としての教育(大関達也先生・哲学)
三章 教育コミュニケーションの規定要因としての時間割(渡邊隆信先生・西洋史)
四章 教室という場におけるコミュニケーション(宮元博章先生・心理学)
五章 日本的コミュニケーションの特質と様相(安部崇慶先生・日本史)
終章 「言語ゲーム」としての教育コミュニケーション(杉尾宏先生・社会学)

うちのコースの教員構成が、社会学、歴史、哲学、心理学、と(当時)
学問領域ばらばらなので、かなり多彩な議論になっています。

執筆の際には、
それぞれテーマをはずれていないか、
全体としてのまとまりが損なわれないか、はチェックされましたが、
互いの学問領域を尊重してか、
かなり好き勝手に書かせてもらった印象があります。

自分の部分について言うと、
担当章タイトルは「日常的行為としての教育コミュニケーション」。
・教育というのは、学校に限らないということ、日常生活の
 色々な場面で教育行為を指摘することができること
・教育においては、いずれか一方だけが変わるということはあり得ない、
 教える側も実は教えられているということ
が論旨です。
心理学的知識のおまけとして、
ロジャーズが非指示的療法を打ち出した際に行った、
それまでの療法の相対化の作業についてのまとめもあります。

というわけで、興味のある方は是非お買い求めください。

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