KOFUKUの家から

演劇的体質の自由人
大きな愛にいだかれて
チワワたち猫たち
南のちいさな森の家にて
芸術的田舎暮らし真っ最中

水の精

2006-01-28 | KOFUKU日記
皆さんは「永遠の愛」を信じますか?
それは恋愛の愛とも言えますし、親子愛でもあり、友愛でもあり、すべてに対する愛のことでもあります。
それが(自分の持った愛が)永遠に変らないことを誓えますか?
このところ、そんな話を友人としたりしてました。
わたしの周りにもいろんな方が居ます。
長い年月をたった一人の愛する人として仲むつまじく暮らしている方、
かと思えば、一緒の姓を名乗っていても、実は憎しみあっている人々、
家族を愛している人、そうでない人、振り向かれなくても一人を愛し続けている人、
愛したはずの愛してくれる人がいるのに他にも愛する人を作ってしまった人、
過去に愛した人を愛し続けている人、いろいろです。
で、あなたは「永遠の愛」を信じるわけ?と聞かれたら、
答えは「信じる」です。
理由は別にこれと言ってないけど、永遠の愛はあると想っています。
ジャン・ジロドゥと言う劇作家の書いた「オンディーヌ」と言うお芝居があります。
某有名劇団でよく上演されているのでご覧になった方も多いかもしれませんね。
その某劇団出身の私は研究生時代からオーディションでこのオンディーヌの台詞をしゃべり、
お稽古でオンディーヌを取り上げたりと切っても切れない、忘れられない作品です。
私はこの「オンディーヌ」のお話が大好きです。
お芝居のポイントになるのは「永遠の愛」です。
人間に育てられた水の精オンディーヌは15歳、旅の途中で彼女の家を訪れた騎士ハンスは
天真爛漫で純真無垢なオンディーヌに惹かれ、二人は恋に落ちます。
彼と結婚すると言うオンディーヌに水界の王は
「人間の魂とはおろかなものでその心はすぐに移り変わる。水の精のように永遠の愛は持たない」
と二人が結ばれるのを反対し何とか諦めさせようとしますが、
ハンスを愛してしまったオンディーヌはそんなことはない、ハンスの愛を信じるといい、最後に水界の王と約束をします。
「もしハンスがオンディーヌを裏切ったなら、ハンスは命を奪われ、オンディーヌはその愛の記憶をすべて失う」
それから人間のお決まりの世界へなじまないオンディーヌにハンスが嫌気をさして浮気をし、裏切られたにも関わらず、彼の命を奪われまいとするオンディーヌがそれはそれは涙ぐましい努力をするのですが、最後は約束どおり、死と忘却が訪れる…と言うお話です。
途中、ハンスを助けようと自分の方が不義の罪を犯したとして裁判を受けるシーンがあります。
そこでオンディーヌはハンスを愛していないと言うのですが、
「じゃあもしハンスが走ったならお前はどうなる?」と聞かれて
「私の息が切れます」と答えます。
同じような数々の質問にすべて愛で答えてしまうのです。
私はそういうオンディーヌが大好きでした。
生きるのならば彼女のように嘘なく自然に生きたい、
人を愛するのならオンディーヌの様にと想ったものです。
某有名劇団の代表作には「永遠の処女テッサ」などなど、これまたオンディーヌのような女性が多く登場しますが、
時にこんな女性たちと純粋な永久の愛の世界に漂ってみるのもいいんじゃないかななんて思います