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KOFUKUの家から

演劇的体質の自由人
大きな愛にいだかれて
チワワたち猫たち
南のちいさな森の家にて
芸術的田舎暮らし真っ最中

4年目

2015-03-11 | KOFUKU日記


2011年3月11日
私は数ヶ月前に相方さんを亡くし、小さな犬2匹と一人で暮らしていた
その区域では一番古いマンションで、あの地震を経験しました。
公表された震度は5強でしたが、地盤の悪かったマンションの震度計は7を指していました。
7回建ての100軒近く入ったマンションで、犬と貴重品を抱え、
3階から降りてこれたのは私が一人だけでした。
それ以外の方は激しい揺れに誰も降りてこられず、叫び声だけが聞こえました。
お隣の大きなスポーツジムの全面ガラスがまるでとけた飴の様にグニャグニャと揺れて、
スパのボイラーが爆発するかもしれないと、みんなで支え合いながら離れた駐車場まで逃げました。
その後、揺れがおさまって部屋に戻り、崩れたものを片付けて
やっと座れたその時に、目に飛び込んできたのは、本当にリアルタイムで襲う津波の映像。
まさかの事態に、声を枯らして逃げてくださいと叫ぶアナウンサーの声。
東京で震度7に遭遇したことは、被災地の皆様に対する気持ちを大きく変えました。


あれから四年が経ちました。
心よりお祈り捧げたいと思います。
一日も早く、すべての人々の心安らぐ時が訪れますように。
合掌






《亡くなられ帰天された方のために》

私の魂の愛が、あなたへと向かいますように。
私の愛の想いが、あなたへと流れていきますように。
私の魂の愛と、私の愛の想いが、
希望の高み、愛の領域で、
あなたを支え、あなたを助けますように。

「死者のための祈り」ルドルフ・シュタイナー







《愛する方を天に送られた方へ》


「人間は、お互いに愛し合えるかぎり、
またその愛し合った気持ちをおぼえているかぎり、
死んでもほんとうにいってしまうことはない。
つくり出した愛はすべてそのまま残っている。
思い出はすべてそのまま残っている。
死んでも生きつづけるんだ
この世にいる間にふれた人、育てた人すべての心の中に」 

「モリー先生との火曜日」より ミッチ・アルボム著







わたしの いちばんすきなひとに
つたえておくれ

わたしは むかしあなたをすきになって
いまも すきだと

あのよで つむことのできる
いちばんきれいな はなを
あなたに ささげると  

「しぬまえにおじいさんがいったこと」より






《この出来事を超えて生きるすべて人達のために》


平和を求める祈り 

主よ わたしをあなたの平和の道具としてお使い下さい

憎しみのあるところに愛を

いさかいのあるところにゆるしを

分裂のあるところに一致を

疑惑のあるところに信仰を

誤っているところに真理を

絶望のあるところに希望を

闇に光りを

悲しみのあるところによろこびをもたらすものとしてください

慰められるよりは慰めることを

理解されるよりは理解することを

愛されるよりは愛することを

わたしが求めますように

わたしたちは与えるから受け

ゆるすからゆるされ

自分を捨てて死に

永遠の命をいただくのですから

アッシジの聖フランチェスコ

十三回忌

2015-03-07 | KOFUKU日記



《セサミプレイスにて》


今日は祐木鎧くんの12回目の命日。十三回忌です。

法要は明日。川崎市中原区う武蔵新城の安養寺にて11時から。
鎧くんを知る、どなた様もお気軽にお立ち寄りください。


《ご実家の安養寺まえにて》

ありがたいことに青春の時をともに走ってくださった仲間たちが
この数日、密接に鎧ちゃんはモチロン、私や鎧ちゃんのお母様に、
今も当時と変わらぬ熱き友情を向けてくれております。
みなさま、本当に本当にありがとうございます<(_ _)>


《すみれちゃん(ぴーちゃん)と宝塚ショーの前にぱちり》

がいちゃんへの想いは元より、こうしてこの世に残された家族たち、
愛する者に仲間がいまも変わらずに心寄せてくださることは
鎧ちゃんが何よりも何よりも喜んで、安心していることと思います。 
先に逝った人は、愛したものの行く末を何より案じていると思うから。



《仲間たちは永遠》


それにしても、どの人と鎧ちゃんの話をしていても、
あっという間にあの頃に戻れるんです。
それだけ、近しかったし、深い仲間だったんだなぁ。
再確認。
今も心が絶対に忘れない大事な仲間たちです。

しかもみんな笑顔なの。
みんなメールでも鎧ちゃんの話をすると笑顔になるの。
鎧ちゃん、あなたって本当にすごい人だよ。
私も死んだらこうありたいよ。


こうして12年が経っても、環境が変わっても、何も変わらない。
鎧ちゃんが亡くなってからの私の人生を誰よりも応援してくれて、
今も自分の娘の様に私を案じて愛してくれる鎧ちゃんママにも心から感謝です。


《がいママ(笑)》

鎧ちゃんがキューピッドになってくれて、ママも応援してくれて、
相方さんをガイちゃんみたいに愛してくれて大事にしてくれたのに、
相方さんはガイちゃんのお仲間になり、私はまた一人になってしまって、
未だに心配ばっかりかけ続けていてごめんね。

私はガイちゃんと出逢って、この世でのお別れをしたからこそ、
次に相方さんと歩むことを決めたとき、ガイちゃんの時以上にすべてをかけて生きようと決めました。
そんな夢の中に、いつかガイちゃんママたちの面倒を見たい。
相方さんのご家族のサポートをしたいという、家族の夢がありました。

だけれど、相方さんがいなくなったとき、彼との日々以外のことは
私は全て出し尽くしてしまって、何もなにも残らなかった。
ガイちゃんママにもおばあちゃんにも、相方さんご家族にも
一文無しになって、何も持っていなくて、
それなのに昔みたいにガムシャラに働くこともできずで。
ご迷惑おかけして、ご心配をかけるばかりで、何もできないまま。

でも、でもね、私は気持ちだけは全然変わっていません。
今は何もできないけど、出来ることしかできないけど。
わたしは一度でも家族のご縁を持った人、仲間のご縁を持った人たちのことは一瞬も忘れない。
その愛情やご恩は決して忘れません。
みんなへの感謝が私を今も生かしてくれてるんです。
だから、いつか、みんなにご恩返しをするのが夢です。
ママたちの先生きの不安を受け止められる様になりたいと今も変わらず思ってます。



《仲間を命より大事にした人》



だって、だってさ、やっぱり家族だからね。
血はつながらなくても魂の家族。
どう思われようと、私はそう思ってる。

鎧ちゃんにも、相方さんにも安心して欲しいから。
だから必死に願って、できる努力を全部するよ。
だから長生きして待っててね。


《レミの楽屋で差し入れ持って一枚》

皆が懐かしい写真を届けてくれたりしたので、私も探して見ました。
肖像権もあるので、当たり障りのないトコで。
ちょっとだけ、ガイちゃんメモリアルです。
いやいや、こんなに表情の豊かな人もなかなかいないよ、鎧ちゃん(笑)


《カラオケは生命の源》



《鎧ちゃんといえば時代劇。某アクションクラブ師範出身ですからね》


明日は安養寺にて11時から法要です。
よろしければお心お合わせください。


祐木鎧くん13回忌のお知らせとお願い

2015-03-01 | KOFUKU日記



3月になりました。
7日は敬愛するソウルメイト祐木鎧くんの12回目の命日です。 

さて、祐木鎧くんが皆様に送られて天国にまいりましてから、早くも12年の月日が流れました。
私には長いようで短く、短いようで長い、不思議な時の流れの12年でした。
途中、相方さんとのお別れもあり…。
未だに昨日のようで、永遠に遠い日のような。
おかげで一向に実感がわかないまま、思い出にならないまま、今日を迎えております。
鎧くんはといえば、この12年、向こうで、そして、この世界のあちこちを飛び回りながら(笑)
相方さんなど早くに向こうに行った仲間たちと皆様のご活躍を心から応援していたことと思います。

そんな鎧くんも3月7日で13回忌を迎えることとなりました。
今年は13回忌ということで、数年前から、祐木鎧くんのお母様が
お振る舞いをとご予定しておられましたが、もともと弱いお体に、
この数年で体調をひどく崩され、手術なさったりいたしました。
そのため、とても楽しみにしていたけれど、
体力が持たないということで、お振る舞い等は御座いませんが、
ご希望の方がいらっしゃれば、どなた様でもご法事に参加下されば嬉しいとのことです。

命日は3月7日(土)なのですが、法事は南武線武蔵新城駅下車、徒歩3分、
安養寺(鎧くんのご実家)にて3月8日(日)の11時からとなります。
また、毎年欠かさずお参りにおいでくださる方もいらっしゃるとのことで、
お母様は7日の命日も終日お寺に待機なさるとのことです。
ぜひご来院の際は母屋の方にお立ち寄りくださいとのことでした。
何卒お立ち寄りくださいますようにお願い申し上げます<(_ _)> 


皆様にこの13回忌に向けて、いっちいより、ひとつお願いがございます。
この12年、皆様には鎧くんやお母様に向けて、メッセージなどをお願いしてまいりましたが、
私自身が今、体調不良で地方にて療養中のため、なかなか意思の疎通も測れず、
年々そのようなメッセージも少なくなってしまいました。
それでも、私のお知らせに応えて下さり、
お参りに足をお運びくださる方々がお母様のお心をお慰めしてまいりました。
ガイ君に代わりまして、この場を借りて、深く御礼申し上げます。
ありがとうございます<(_ _)> 

実は、ここだけの話にして頂ければ幸いでございますが、
この法事の話をお母様である横田清香ママとお話させていただきました時に、
お母様がお振る舞いを諦めようかと思うとおっしゃった理由が、体調の他にもうひとつございます。

それは、
「もうすっかり、皆様からの音沙汰がないから。
お店でショーをしていた仲間すら名前を思い出せなくなってしまうほどで。
きっと皆、忘れてしまったんだなと思って。
そこでお振る舞いをすれば催促するようだし、変な気を使わせてしまうから」
ということでした。

私は即答で、「そんなことないよ、みんな忘れたりしてないよ」、と答えましたが、
「そうかなぁ…」と、お母様の声は本当にさみしそうで悲しそうでした。

そこで、今も変わらず我こそは祐木鎧の友と思ってくださる皆様、
鎧くんの代わりにお母様に親孝行のつもりでお声かけお願いできませんでしょうか?
みんなが彼を今も愛しているとしれば、お花よりも何よりもお喜びいただけると思うのです。

下記にご実家であるお寺のご住所、お電話番号記載いたします。
本日より、いつでも結構です。もちろん命日であれば余計によろしいかもしれません。
お母様に、鎧くんに向けて、ぜひ一言、お声がけくださいませ<(_ _)> 

また昨今、スマホに切り替わり、
アドレスや住所がわからなくなってしまった方がたくさんいらっしゃいます。
お手数ではございますが、皆様の周りに祐木鎧くんを知ってる方がいらしゃいましたら、
このメールの内容をご案内いただけませんでしょうか?
何卒、なにとぞ宜しくお願い申し上げます<(_ _)> 



祐木鎧命日(3月7日)
法要日程 2015年3月8日 安養寺にて午前11時より
施主 横田清香

安養寺
神奈川県川崎市中原区上新城1-9-5
044-777-0706

南武線・武蔵新城駅から徒歩約5分
改札を出て左の道路に出る、道路をわたり、西友の脇の小道を入りまっすぐ進み、突き当たり。
地図(←こちらをクリックしてください)


お読みくださり、ありがとうございました。
長い文章になり読みづらいところがあったかと思いますが、
現在、病のため、考えをうまくまとめられず、短い文章をかけなくなりまして、
さらに記憶欠落があるため、すべてを書き留める形にて文章を作成しております。
お読みいただくのに、ご迷惑をお掛け致しますこと、
この場をお借りいたしまして、お詫び申し上げます。
また、個別に突然お知らせ申し上げた皆さま、驚かせて申し訳ありません。
全員にのお知らせは無理なのですが、少しでも多くの方にご参加いただけたらと思いまして。
たくさんの方に交流があるのでは、という方々にメッセさせていただきました<(_ _)> 
ぶしつけではありましたが、たくさんの方への情報の拡散、重ねてお願い申し上げます。
季節の変わり目、どうぞ皆様、お体だけにはお気を付けてお過ごし下さい。

ガイズアクション 市村惠

14歳になりました!

2015-02-17 | KOFUKU日記




我が家のチワワンず長女、ぴーちゃん。
本日17日、元気に14歳のお誕生日を迎えることができました。

人間に換算すれば76歳。
我が家に迎えたばかりの時は350gしかなくて、育たないかも
といわれる程に小さかったけれど、大きさとは裏腹に、
家に来た日にお座りも待ても覚える頭の良い赤ちゃんチワワでした。

悲しいお別れを繰り返し、不治の病になったり、日本中を渡り歩いたり、
こちらに来てから手術をしたり、喘息になったり、いろんな事がありましたが、
いつもいつも皆さんに愛して頂いて、いまはワンニャン兄弟もたくさんいて、
あの動物嫌いのぴーちゃんが、いまでは犬とも猫とも仲良しになれて…。
本当に感慨深いものがあります。

12年前、ぴーちゃんを引き取らなければ、きっと私は日本にいなかったし、
日本にいなかったどころか、この世にいなかったんじゃないかなと思います。
実際、ピーちゃんと二人になってからも、何度そんなことがあったことか…。
私が今日まで生きてこられたのは、ぴーちゃんが大切な家族だったから。
神様から、大切な人から預かった、大事な大事なイノチだったから。

犠牲、とは私は思ってないし、そうは呼びたくないけど、
ぴーちゃんがいることで周りからそう言われることはたくさんありました。
犬のために自分を犠牲にしなくても…、夢を諦めなくてもいいのに…
もっと自分を大事にしないと後悔するよ…そんな風に。

でも私が彼女と生きる道の方を選んだのであって、
犠牲にしたのでも、諦めたのでもないのです。
彼女を選んだのだから、彼女がいてできないことができないのは当たり前。
それを嫌だと思ったことなんか一度もなかった。
今も彼女たちのために生きていられると言っても過言ではないけど
私はまずはそれが一番大事だと思ってる。
それを真ん中において、自分のやるべきをやればいいだけのこと。
おかげでぴーちゃんやチビ達がいる分、幸せが多いのだと実感があります(*^_^*)
本当に本当にぴーちゃんと家族になれてよかった。
ぴーちゃん、私たちのところに来てくれてありがとう。

そんな愛娘でもあるぴーちゃん、
私から見れば、歳をとったなぁと思うのですが、病院の先生や周りの方には、
ほんと若々しい、全然14歳に見えない!と言われているぴーちゃん。
まだまだ元気で過ごして欲しいものです。
高齢になり、薬の副作用で4キロまでおデブちゃんになっちゃいましたが、
写真の通り、みんなと幸せそうに、とても元気にしています。
昨日は病院にも行きましたが、特に悪いところもないとのこと。
走ったりはできないけれど、昨日も海辺を30分、一人で歩きました。
今日はワンニャン全員で大好きなから揚げと
お豆腐ハンバーグを食べてお祝いしましたヾ(@⌒ー⌒@)ノ





飼い主が心身&生活面で超不安定なのがたまにキズで
ピーちゃん始めチビ達には申し訳ないと思っています(^◇^;)
それでも幸せそうにみんなで日向ぼっこをしたりしているのを見ると、
本当に有難いなぁと手を合わせたくなる私がおります。

こうして毎日をなんとか生きていられるのも、
共に歩いてくれた人だけでなく、
影になり日向になり、支えて下さった皆さまがあればこそです。
いまは何を見ても、何をしていても、一生かかっても返すことの出来ない、
深い友愛の数々に胸に浮かぶのは感謝の思いばかりです。
ピーちゃんと共に深く深く御礼申し上げます<(_ _)> 

人とは本当に一人では生きてなんていけないものなんだなって。
みなさま、本当に今日までありがとうございますm(_ _)m
私たちは一生かかっても返せないような尊いものを頂いてここまでこれたのだから
私も一生そのことを忘れず、少しでも自分の出来ることでお返ししていきたいデス。
これからもぴーちゃん(ついでに私も)をよろしくお願いいたします。
私は彼女が虹の橋を渡り、愛する人にお預けするその日まで、
自分の出来る限りで、精一杯の心込めて、お世話していきたいと思います。

ぴーちゃんを心から愛してくださる
ぴーちゃんが大好きなみなさまへ
心からの感謝を込めて
いつもありがとうございます<(_ _)> 

春はきぬ

2015-02-04 | KOFUKU日記


立春大吉!吉祥来福! 
全てのものに福よ来い来い、福よ来い!
昨日までの福に感謝を込めてありがとうございます。
今日からの福にまた感謝。
小さな小さな福に気づき幸せ生み出せるまいにちでありますように


皆様、昨日は冬の最後の一日でございましたね。
豆まきはなさいましたか?

えー、ボンびぃな我が家ではお豆は貴重品ゆえまかずに食べることにいたしまして(笑)
恵方巻きも作れなかったんですが、代わりに食パンでジャムロール恵方巻きもどきを作りました。
もちろん、恵方を向いてもぐもぐ。世界平和を祈りました。

特に豆まきはしなくてもいいかなって。鬼にも幸せになって欲しいし。
不幸せを生きてる人にこそ、幸せになって欲しいから、払うのもなんだかねぇ、って思って。
もちろん、たとえというのはわかっているんだけれども(笑)

それにうちには元より、ワン福とニャン福が11匹と実家にもたくさんいてくれますからね。
悪い人のおうちには犬猫は寄り付かないのだそうで、父や母は「犬入り、猫入り」と言って
家に来てくれる動物を邪険にすることはありませんでした。
それ自体が福なのだからって、ね。

確かに、ものはなくても、貧しくても、
寄り添って暮らせる喜びや、小さい方と分かち合える喜び
彼らの愛らしさに癒される毎日こそが福だなぁとつくづく思います。
皆が幸せでいてくれますようにと願います。



《日差しが春の光になってきました》




春はきぬ
春はきぬ
初音(はつね)やさしきうぐいすよ
こぞに別離(わかれ)を告げよかし
谷間に残る白雪よ
葬(ほうむ)りかくせ去歳(こぞ)の冬

春はきぬ
春はきぬ
さみしくさむくことばなく
まづしくくらくひかりなく
みにくくおもくちからなく
かなしき冬よ行(い)きねかし

春はきぬ
春はきぬ
浅みどりなる新草(にいぐさ)よ
とおき野面(のもせ)を画(えが)けかし
さきては紅(あか)き春花(はるばな)よ
樹々の梢(こずえ)を染めよかし



春はきぬ
春はきぬ
霞(かすみ)よ雲よ動(ゆる)ぎいで
氷(こお)れる空をあた々めよ
花の香(か)おくる春風よ
眠れる山を吹きさませ

春はきぬ
春はきぬ
春をよせくる朝汐よ
蘆の枯葉を洗ひ去れ
霞に酔へる雛鶴(ひなづる)よ
若きあしたの空に飛べ



春はきぬ
春はきぬ
うれひの芹の根は絶えて
氷れるなみだ今いづこ
つもれる雪の消えうせて
けふの若菜と萌えよかし

by島崎藤村