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フランス絵画の19世紀

2009-06-28 22:07:59 | 美術[は]
「フランス絵画の19世紀」@横浜美術館

 横濱開港150周年と横浜美術館開館20周年を記念する19世紀頃のフランス絵画特集。

《ヴィーナスの誕生》 アレクサンドル・カバネル&アドルフ・ジュルダン・・・ユニマット美術館ではこれを見てなかったので、初めて見た。オルセー美術館所蔵作品をアドルフ・ジュルダンが模写して、それにカバネルが加筆しサインを入れたリメイク作品らしい。波の上に横たわるヴィーナスとその上をヒラヒラ舞っているやんちゃ坊主たちが、いい感じに納まっている。誕生したばかりののヴィーナスの目は、近くで良く見ると、物憂げな半開きで、さも寝起きのようでもあるし、大騒ぎして飛び回っているやんちゃ天使たちのやかましさに、「えぇい、鬱陶しいガキがぁ」と言い出しそうだ。

《青春の泉》 ポール=フランソワ・カンサック・・・以前、ボルドー美術館展が来た時に見た絵で、気にいって絵はがきを買ってあった。岩の上から天使がビンを傾けて流しているのは若さの水?とかいうもので、若い裸の女性がそれを受け止めている。地面には鎌と砂時計が落ちていて、戦と時間に勝ったことを示しているそうだが、そんなことはどうでもいい。今回の展覧会はやたら裸の作品が多いが、この絵の裸像は他の作品とは違い、白さが際立っている。大理石のようなクリスタルのようなイメージが、薄暗い森の中に浮かび上がるようで、ウソ臭いけど鮮烈なイメージを受ける。

《ヘベ》 カロリュス・デュラン・・・空を飛ぶワシの上に立ったまま乗っている女神が美しい。でも女神に比べて巨大でもない普通のワシが気の毒な感じ。

《死せる娘を描くティントレット》 レオン・コニエ・・・ベッドの上で息絶えた娘と、傍らでパレットを持ってそれを描こうとしている画家ティントレット。画家の魂が揺さぶられたのか、悲しみをこらえているのか、鋭い視線で物言わぬ娘を見つめている。画面全体が赤く染まっていて、二度と忘れないような強烈な印象を残している。

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