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モネ展

2015-09-22 20:09:47 | 美術[ま]
「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」@東京都美術館

 印象派の呼称の由来となった「印象、日の出」が21年ぶりに東京に来たそうで、この絵だけスポットライトが当たってオレンジに輝いていた。小船の浮かぶのどかな朝の海ではあるけれど、背景にはガントリークレーンみたいな産業機械が立ち並ぶ、ぜんぜん田舎ではない活気あふれる直前の港町。

 当時は正確にきっちり描くのが常識だった絵画。モネだってそのことは痛いほどよく知っていたはず。最初はタイトルを付けてなかったようだが、記者に問われたモネは困った。このぼんやりした風景画を「これはル・アーブルの港の朝の景色である!」と、胸を張ってきっぱり言い出しそこねて、「えっ?あ、う~んと、ねぇ・・・あ、そだそだ、い、い、印象! 港のね、日の出のね、朝のね、い、い、印象だぉ!」と言ったかどうだか知らないが、それで「印象、日の出」というタイトルが付いた。

 それを聞いた記者はモネがあっちのほうへ行っちゃうと、「印象だとよ!聞いたかよ?印象、物は言いようだよなぁ。夢だとか想像だとか印象だとか、適当な事言っちゃってさ、こんな下書きみたいなものをwww」と物凄くバカにして笑ったのだろう。これがきっかけで下書きみたいな作品を描くこいつらのことを「印象派」と揶揄して呼ぶようになったというのだから、今思えば重要な作品だったのだ。

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