
今回は福井

福井市立郷土歴史博物館

開館60周年記念・秋季特別展「甲冑の美」
期間:10月11日(金)~11月24日(日)

本多富正所用 紺糸威桶側二枚胴具足
椎実形兜に金箔押の日輪前立。そこには墨書で「本多孫太郎」と書かれているが、これは本多富正の孫・本多長員の幼名。孫の名前を兜に記す爺ちゃん・・・なんとも微笑ましいが、この甲冑は1612年の福井藩内で起こった久世騒動で実際に着用したと伝わる。
松平春嶽所用 白糸威陣羽織
幕末の福井藩藩主であった松平春嶽所用の陣羽織。布製ではなく革製の小札に白糸威の陣羽織形の鎧とも呼べるもの。
鉄錆地銀象嵌四十二間筋兜鉢
藤島神社蔵。江戸時代の明暦年間に発見された兜鉢。その後に新田義貞所用と鑑定された。筋兜で筋の間には神号が刻まれており鉢の内側には「元應元年八月」「相模国□□」と銘が残る。
本多富正所用 紺糸威桶側鋲打鉄五枚胴具足
兜は雑賀鉢と思われるもので上部に白毛を植えて立ている。錣は金・胴は鉄錆地・袖は朱塗と、上で紹介した富正所用の具足がオーソドックスな黒漆塗なのと比べるとかなり異風な形となっている。
今回の特別展では福井藩の歴代藩主甲冑がずらっと並んでいました。それぞれ趣向を凝らしたもので江戸時代の大名家の中でもその多彩なところは特筆もんかもしれません。