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SENgoKU anD VISIon -乱世を追う-

戦国・江戸時代 武将 甲冑・刀剣・茶道具 博物館・美術館・城・茶室などを巡る拝見記。その他の雑記もあり。

1701 京都国立近代美術館 茶碗の中の宇宙

2017-02-19 | 探訪
今回は京都
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平安神宮の近くに有るのは
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京都国立近代美術館
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茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術
期間:2016年12月17日(土)~2017年2月12日(日)
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千利休像 長谷川等伯筆
表千家不審菴蔵。文禄四年(1595)九月二十四日と記されており利休没後5年を経た遺像で、春屋宗園賛によれば(田中)宗慶の依頼で制作されたと分かる。
田中宗慶は樂家二代・常慶の父。利休も田中姓であり2人が近しい関係であった事が伺える。 
黒樂茶碗 銘 大黒 長次郎作
利休七種のひとつ。典型的な利休形の茶碗で、無駄を一切省いたその姿は利休の美意識を具現化したかの様だ。
利休所持の茶碗で、その後は少庵・宗旦・後藤少斎より江岑宗左へ伝わったと内箱蓋裏に表千家の江岑宗左が伝来を書き付けている。
赤樂茶碗 銘 一文字 長次郎作
非常に均整のとれた姿で長次郎の赤樂のなかでも特に薄く削られている。今はよく見えないが見込みに利休が漆書きで「一」の文字と花押を書き付けている。
伝来は利休・宗旦。近代には井上世外・益田鈍翁と伝わった。
黒樂茶碗 銘 太夫黒 長次郎作
北村美術館蔵。腰が低く横に広がった姿で「俊寛」に似る。作行きは胴部や口部が強く強調されており上記の「大黒」「一文字」とは明らかな違いが見られる。
蓋裏に宗旦が「伊勢落合より来」と書き付けているが詳細は不明。伊予・松平久松家旧蔵。
黒樂茶碗 銘 本覚坊  長次郎作
全体にやや厚作で胴部を締めた変化のある茶碗。非常に黒々とした黒釉は光沢がある。
銘の本覚坊とは三井寺の僧で利休と親交があり茶会にも参加している。蓋裏書は宗旦筆。 

初見の長次郎の茶碗は他に赤樂「二郎坊」、特集展示の黒樂「万代」が有りました。重文の長次郎茶碗はもう一碗あるので是非そちらも展示して欲しかったところ。
光悦、のんこう辺りはいつものラインナップって感じで別の茶碗が観たかった。それ以降の代は余り展示数も多くなかったのですが、最後に当代の作品がてんこ盛り・・・、おもわず長次郎に戻って口直ししてしまいました。


1612 古田織部美術館 古田織部の実像

2017-02-12 | 探訪
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古田織部美術館
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古田織部の実像
期間:9月17日(土)~ 平成29年1月15日(日)
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本家系譜 古田氏
本史料は豊後岡藩の家臣古田家の系譜を記した「古田家譜」を分家(植木古田家)が写したもの。
古田織部の伝記が記されており興味深い記述も多く見られる。
本家本「古田家譜」を閲覧した故桑田忠親氏の記述「(豊臣)秀吉が織部に命じて利休の町人茶を武家流に改めよ」とあるが、分家本には織部に命じた人物が(徳川)秀忠だったと記されており、これにより桑田氏の読み違いだった事が判明した。
他にも中川清秀より婚姻の引出物として三原の刀を贈られたとある。織部所持の茶道具は多く知られるが武器・武具は殆ど知られていないので珍しいところ。
細川幽斎書状
里村昌叱宛、霜月十四日付。吉田の草庵で暇にしている幽斎が、連歌を行いたいので人を遣して欲しいと里村昌叱に連絡している。
織部は茶の湯以前から連歌に親しんでいるが、細川幽斎の影響が大きい様だ。



 

1612 表千家北山会館 而妙斎宗匠喜寿の茶事を訪ねる跡見展

2017-02-02 | 探訪
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表千家北山会館
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特別展「而妙斎宗匠喜寿の茶事を訪ねる跡見」展
期間:11月1日(火) ~ 12月14日(水)
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黒茶碗 銘 天狗 田中宗慶作
歪のある姿をした茶碗で胴部を箆をまわして強く締めている。高台内に樂印が捺されており「宗慶印」と呼ばれているもので豊臣秀吉より拝領したと伝わるものがこの印とされる。
箱裏には久須美疎安が兄弟子の山田宗偏から聞いた話しとして「宗旦が長次郎作の赤楽茶碗に「太郎(坊)」「次郎(坊)」「僧正坊」と銘を付けたが、黒楽茶碗にはそれらに匹敵するものが無く銘を付けていなかったが、この茶碗を見て感激し「天狗」の銘を付けた」
赤茶碗 樂道入作
落着いた形の茶碗。赤楽であるが所々に白抜けのところが有る。高台内に宗旦の直判があったが今ではほとんど消えているそう。
元伯宗旦乱菊棗
宗旦が黒棗に朱漆でさらりと菊の絵を描き、蓋裏と底に花押を記している。侘び宗旦らしい意匠となっている。