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SENgoKU anD VISIon -乱世を追う-

戦国・江戸時代 武将 甲冑・刀剣・茶道具 博物館・美術館・城・茶室などを巡る拝見記。その他の雑記もあり。

1301 埼玉県立歴史と民俗の博物館 「埼玉歴史街道Ⅰ」

2013-03-29 | 探訪
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埼玉県立歴史と民俗の博物館

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企画展 「埼玉歴史街道Ⅰ-『新篇武蔵風土記稿』の世界-」
期間:1月2日(水)~2月11日(月・祝)

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足利政氏所用 縹糸威最上胴丸具足
六間筋兜で具足の各所に足利氏の桐紋が蒔絵で施されている。この具足は「新篇武蔵風土記稿」に図入で紹介されており、政氏が建てた甘棠院に伝来した。
足利政氏は初代古河公方・足利成氏の子で二代目古河公方となった人物。北条早雲や太田道灌と同時代の人、どころか両者と争った事もある。そんな人物の甲冑であるが、どうも時代の下るものらしい。後の時代に政氏の名で寄進されたのであろうか。
足利政氏所用 十文字槍
室町時代の道憲作。政氏の遺愛品として甘棠院に伝来した。具足と同様に「新篇武蔵風土記稿」に図入で紹介されている。

1301 東京国立博物館 松永耳庵の茶道具 ほか

2013-03-24 | 探訪
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東京国立博物館

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東京国立博物館140周年特集陳列 松永耳庵の茶道具
期間: 2012年11月27日(火) ~ 2013年2月24日(日)

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竹茶杓 蒲生氏郷作
利休七哲のひとり蒲生氏郷作の茶杓。やや短めで櫂先は折り撓。

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大井戸茶碗 有楽井戸
織田有楽が所持したことから有楽井戸と呼ばれる。穏やかな表情の井戸茶碗。

その他の展示から

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佐竹本三十六歌仙 絵巻断簡(住吉大明神)
現在最古の歌仙絵(鎌倉時代)。元は絵巻(下巻)の先頭部分にあったもの。

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大燈国師上堂語 一休宗純筆
大徳寺開山である大燈国師の法語を一休が書いたもの。落款には一休の号「狂雲子」と見える。

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豊臣秀吉所用 朱漆金蛭巻大小
朱漆塗の鞘に金の薄板を巻きつけた大小の拵。豊臣秀吉の死後に形見分けで溝口家に与えられた。

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黒田高政所用 黒糸威胴丸具足
兜は銀箔押し一の谷形。これは破損をしていたものを近年復元修理したものだそう。
黒田高政は父黒田長政より形見分けとして一の谷兜と具足を譲られているが、これがその具足なのか写なのかは不明。
黒田高政は福岡藩初代の黒田長政の四男で父の遺言により東蓮寺藩を興し、島原の乱に参陣して戦功をあげている。

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刀 江義弘 (名物 北野江)
前田利常が京都・北野で試し斬りを行なったところから北野江と呼ばれる。加賀藩前田家に伝来した。

1301  根津美術館 新春の国宝那智瀧図

2013-03-20 | 探訪
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根津美術館

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コレクション展「新春の国宝那智瀧図 仏教説話画の名品とともに」
期間:1月9日(水)~2月11日(月・祝)
「根津美術館では、新たな年の始まりに国宝「那智瀧図」を展示いたします。熊野・那智山の南壁を落ちる那智瀧を描くこの作品には、日本人の自然に対する敬虔な思いが込められています。千手観音が姿を変えた神体・飛瀧権現を図絵した礼拝画として、また一筋の瀧のすがたを描いた風景画として、那智瀧図は日本絵画を代表する名品のひとつと謳われています。」(公式より)

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那智瀧図
国宝。熊野の大瀧を礼拝するために制作された本尊画像だったそうです。「展示室2」にはこの作品しか展示していない特別扱いです。

展示室6 寿ぎの茶会から2点。
瓢花生 銘 狙公 千宗旦作
細長い瓢箪の首に藤葛を巻いて釘掛けにした花生。銘の狙公とは猿まわしの事で、首に藤葛を巻いた形からの銘。晩年の作だそうで宗旦の心の余裕が感じられる。井上世外の旧蔵品。
竹茶杓 共筒 銘 玉ぶりぶり  織田有楽作
櫂先は丸撓め、節は中程よりやや下で節上がすうっと長く感じられる。銘は子供が正月等に遊んだ「振々毬杖(ぶりぶりぎっちょう)」からだが、なんか変だw。
三井の茶杓が武将なら、こちら根津のは茶人らしい形と感じました。

BOWIEで食べる?

2013-03-17 | 音楽
デヴィッド・ボウイ10年ぶりの新作「The Next Day」発売を記念してCAFEとBARが期間限定でオープンしています。
今回は両店舗を訪ねてみました。



ソニービル1階「パブ・カーディナル」

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DAVID BOWIE CAFE

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新丸の内ビル7F 「TOKYO SOUL STATION」

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BOWIE'S BAR -The Next Day-

両店舗ともボウイの音楽がエンドレスで流れ、アルバムのジャケット等写真も満載。
ボウイの世界に浸りながらお茶やお酒をいただくのも一興。
CAFEは70・80年代の曲が流れていましたが飲食中のWarszawaはちょっと・・・どうでしょうw
BARは新アルバムをランダムで流していてコンセプトにぴったりです。
(選局は行った時間にもよると思いますので参考までに)

さて発売されたアルバム「The Next Day」ですが、先行シングル⑤の世界とは違い、力強く自身に溢れボウイの現在の余裕を感じさせます。お気に入りは③⑨⑫ってとこでしょうか。

1301 五島美術館 「新装開館記念展 時代の美 桃山・江戸編」

2013-03-14 | 探訪

五島美術館

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新装開館記念展「時代の美 五島美術館・大東急記念文庫の精華 桃山・江戸編」
期間:1月5日(土)~2月17日(日)

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伊賀耳付水指 銘 破袋
緑のバケモノ。第一印象はこれ。古田織部が豊臣秀頼家臣の大野治房宛の手紙(関東大震災で焼失)で「今後これほどのものは出てこないだろう」としている。
焼成中に下半分が沈み割れ袋のように膨れている。普通なら失敗作として捨てられる運命だったろうが織部に見出され現代まで残った。
加藤清正 肖像画
清正の従兄弟で家臣の中川寿林が描いた、清正42歳の時(1603年)の寿像。
千利休消息 横雲の文
大徳寺聚光院に宛てたもので。東山御物であり利休が所持していた「橋立」の壷を聚光院に預けるが自分の判を持たない物には、決して渡すなとの内容。渡してはならない相手とは豊臣秀吉であったようで、2人の関係が緊迫している様子が窺えます。
武野紹鴎消息 句入文
紹鴎が31歳の時に書いた手紙で、佐久間右衛門尉なる人物よりの茶会の誘いに対する返事をしている。この佐久間右衛門尉を図録では織田信長家臣の佐久間信盛とし、展示会の解説ではその父としている。信盛から父に変更したのは年代的に信盛では不都合が生じるからだろうが、父親ならOKなのかと言うと堺の紹鴎と尾張の佐久間氏との関係が不明なように思われる。佐久間某とは誰なのか?謎の消息です。

書状ではこの他に信長・秀吉・明智光秀・織部・遠州が、直筆本ではシーボルト!がありました。
茶碗の展示も多く楽焼では楽三代(長次郎・常慶・ノンコウさん)に光悦までありますし、黒織部沓形茶碗(わらや)・松平不昧所持の志野茶碗(梅が香)に瀬戸黒茶碗(武蔵坊)と多彩。
しかしながら茶入は1点のみだし茶杓はゼロ。ここは今後に期待といったところです。

1301 江戸東京博物館  尾張徳川家の至宝

2013-03-12 | 探訪
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江戸東京博物館

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江戸東京博物館開館20周年記念特別展 「尾張徳川家の至宝」
期間:1月2日(水)~2月24日(日)
「本展では、徳川美術館が所蔵する尾張徳川家ゆかりの道具類のうち、太刀や鉄砲などの武具類、茶の湯・香・能などの道具類、和歌や絵画・楽器など教養に関わる品々など大名家の歴史と格式を示す約230件の名品をご紹介します。」(公式より)

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徳川義直所用 銀溜白糸威具足
兜には大鍬形と日の丸の前立。銀の札を白糸で威している非常に華美な具足。徳川義直は正月の度に具足を新調していたが、この具足を特に気に入り旅の際にも持ち運ばせたとされています。
白天目茶碗
大名物で武野紹鴎が所持した茶碗。徳川美術館には徳川将軍家伝来と尾張徳川家伝来の2碗の白天目があり、こちらは徳川将軍家に伝来したもの。銀の覆輪が付いている。
香木 伽羅 銘 蘭奢待
源頼政・太田道灌・東福門院和子所用が所持したもの。源頼政がどのようにして入手したのかは不明だが、その後子孫の太田家に伝来し徳川家に献上されたらしい。

その他では古田織部作の茶杓や志野菊兜香合。松花堂昭乗作の茶杓もありました。
全体の印象としては、徳川美術館こんなもんじゃないだろう。といった所でしょうか。

1301 三井記念美術館 「ゆくとし くるとし ―茶道具と円山派の絵画―」

2013-03-10 | 探訪
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三井記念美術館

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「ゆくとし くるとし ―茶道具と円山派の絵画―」
期間:平成24年12月8日(土)~平成25年1月26日(土)

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志野茶碗 銘 卯花墻
和物茶碗では光悦作の不二山と2つしかない国宝。美濃焼で作者は不明。「井」形の模様が卯の花の垣根に似ている事から銘は片桐石州が付けた。思っていたより大振りで結構ゆがんでいる。
黒楽茶碗 銘 雨雲 本阿弥光悦作
口縁と腰部の掛けはずしの景色が薄暗い雲のような見える。雨雲とはよく言ったものです。薄造りで光悦の一典型と呼べる茶碗ではないでしょうか。
赤楽茶碗 銘 鵺 道入作
のんこう七種のひとつ。赤楽の胴に黒いもやの様な部分があり、これを源頼政の鵺退治における鵺の出現する黒雲に見立てて命銘された。
粉引茶碗 銘 三好粉引
大名物。白化粧を施した上に透明釉を掛けた白茶碗で三好長慶が所持した。のちに豊臣秀吉の手に渡る。箱蓋書付は金森宗和筆。
大井戸茶碗 銘 十文字井戸
大徳寺の天祐紹杲により別銘「須弥」とも呼ばれる。古田織部が今より大きかったこの茶碗を気に入らず、十文字に割いて小さく縮めてしまった。織部独自の美学を表すエピソードです。
竹一重切花入 千少庵作
おだやかな人物であったとされる少庵らしい素朴な形の花入。
竹茶杓 歌銘 富士 織田有楽作
櫂先・露の左側がまるで刃のようで独特の存在感。茶人有楽ではなく武将有楽が顔を出したようで非常に興味深い。

なんと言っても国宝・卯花墻。志野はあまり好きではないのですが、これはてらてら感やユガミ具合が面白い。
しかし天才光悦と並ぶ国宝和物茶碗の作者が不詳なのは面白い対比ですねぇ。
十文字井戸は織部の破壊衝動がなんともはやで、有楽の茶杓は今までの有楽のイメージを覆しました(良い方に)。